知事からのメッセージ 令和5年11月1日

令和5年11月1日のメッセージ 広報紙「県民の友11月号」掲載分

脱炭素の先進県を目指して

 昭和の時代は経済成長こそが善でした。石油を燃やし、石炭を焚(た)いて高度成長を追い求める中、和歌山は経済的には遅れました。私たちの世代には、そのコンプレックスもあります。令和になって、石油を燃やし、石炭を焚いて経済成長してはいけなくなりました。
 陸上競技の長距離走で周回遅れのランナーがトップに見える時があります。脱炭素の時代、周回遅れの和歌山県が本当のトップに躍り出るチャンスです。
 ENEOS和歌山製油所が80有余年の歴史の幕を閉じ、石油精製事業を停止しました。そして、SAF(持続可能な航空燃料)の工場に生まれ変わります。カーボンニュートラルを先導する「未来環境供給基地」としての新しい第一歩を踏み出しました。
 SAFの先には、二酸化炭素と水素でつくる合成燃料など次世代エネルギーの事業化を実現していきたいと思います。残りの土地にも、カーボンニュートラルに関連する企業の誘致を進めます。その結果、地域の雇用を守り、地道な経済の発展を可能にすることができます。
 和歌山県は2030年までの温室効果ガスの排出量削減目標を現行の2013年度比30%から46%に引き上げることを決めました。
 バイオマス発電や洋上風力発電などの再生可能エネルギーの利用、森林整備によるカーボンクレジットの取得など脱炭素の先進県になるために私たちは最大限の挑戦を続けます。
 和歌山の子どもたちが、「何と言うても、和歌山県は脱炭素ではナンバー1やもんね。」と将来誇りを持てるように、みんなで力を合わせていきましょう。

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