知事からのメッセージ 令和5年9月1日

令和5年9月1日のメッセージ 広報紙「県民の友9月号」掲載分

高野山会議の目ざすものとは

 「高野山会議2023」が7月中旬、高野山金剛峯寺などを舞台に開かれました。東京大学先端科学技術研究センター、高野山大学、和歌山県、高野町の共催で、今年で3回目となります。
 高野山会議は科学・芸術・宗教などさまざまな分野の人々と地元和歌山の人々が集まって、1200年後の世界を見すえ、自然と共存するより良い未来のかたちを考え、実践するためにつくられたものです。
 私も4日間参加して、来年世界遺産登録20周年を迎える「聖地高野山」の持つ「場の力」を強く感じました。弘法大師は若い頃、自然の中で瞑想などの修行をし、悟りを開きました。気候変動による地球の不全は、人間中心から自然中心へと考え方を変える必要を私たちに突きつけています。そのような時代の変化の中、未来を担う子どもたちには、個性豊かな感性と理性、そして倫理性を育てる必要があります。
 このような高野山会議の基本的なコンセプトの下、私たちは「マンダラプロジェクト」を立ち上げました。弘法大師が体得した「自然と一体化した世界観」を瞑想を通じて、私たちも体験できないかというプロジェクトです。そのために、メタバースの技術を使って瞑想しやすい環境をつくる挑戦をしています。完成すれば、2年後の大阪・関西万博の和歌山館で披露したいと思います。
 みんなが自然とつながり、生命の大切さを感じ、「利他」の心でウエルビーイングな社会を実現できるよう和歌山県から世界へ発信していきます。

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