知事からのメッセージ 令和5年4月3日
令和5年4月3日のメッセージ 広報紙「県民の友4月号」掲載分
「財政危機警報」を出しました
2023年度の予算案を作る際に、財政当局に10年間の推計をお願いしました。
私は、財務省で働いていたころ、3分の2は財政畑で、3分の1は国際畑で仕事をしていました。
これまでの県の財政の見通しは5年間でしたが、物価や金利の上昇、高齢化による社会保障費の増加などを踏まえ、新たに10年先まで計算し直しました。財政のプロの目で見直すためです。
その結果、県の貯金とも言える基金は25年度にはマイナスになり、10年後の公債費の負担は2倍近くにふくれ上がることがわかりました。金利がさらに1パーセント上がれば、それだけで33億円の増加になります。これまでの県の借金が根雪のようになっており、将来の負担が増えるためです。
そのため、今回「財政危機警報」を出し、23年度予算案は「財政見直し元年」予算と位置付けました。今はまだ「警報」の段階とは言え、昨年度に出た剰余金を使って公債費にあてるための臨時の基金をつくるとともに、予算のやりくりを行い、県民の皆さんに安心してもらえる財政運営につとめます。
私の尊敬する政治家で江戸時代末期の備中松山藩の山田方谷は「歳出カットや増税で財政再建はできない。」と教えています。
いたずらに予算をカットするのではなく、コストパフォーマンスの悪い事業を見直したり、公共事業もできる限り県の負担が少なくなる「国土強靭(きょうじん)化」予算に振りかえるなど、賢いやりくりをしていきます。県民の皆さんのご理解とご協力をお願い申し上げます。