知事からのメッセージ 令和4年11月1日
令和4年11月1日のメッセージ 広報紙「県民の友11月号」掲載分
希望の星
20世紀少年という映画がしばらく前に流行って、私はテレビでこれを観(み)ました。荒唐無稽な設定の映画だとは思いますが、その中でおじさん役が少女に対して放つ「カンナは俺たちの最後の希望だ」という叫び声が妙に記憶にとどまりました。
私もまだ元気ですが、今72歳でけっこうおじさんです。和歌山の未来は若い世代の活躍にかかっています。私は、職業柄、JCや商工会議所青年部や商工会青年部といった若い人たちのサークルへ来賓としてよく呼ばれますが、その度にこの言葉を多少のユーモアを込めて贈っています。こういう青年たちはよき仲間とともに社会課題にまじめに取り組んで、さまざまな奉仕活動などをしてくれている立派な人たちです。しかし、私は、それを讃(たた)えているだけでよいのに、ついつい和歌山の未来を託す彼らに「皆さん、奉仕活動も大事ですが、精いっぱい生業に励んでください」と言ったりしてしまいます。彼らの一人一人が社業に全力で取り組み、さまざまな工夫をしながら、業績を伸ばし、いずれ世界に覇を唱えるようになったら、和歌山は万々歳だからであります。
インフラや、競争環境や、利用できる産業政策や、後ろ盾となる福祉政策も随分整備してきました。そのうえで、若い世代がその若い活力と柔軟な頭脳と大いなる野心を持って生業に励んでくれたら、それが報われる環境もできつつあります。実は、現に、製造業でも、農林水産業でも、飲食や流通やITの世界でも、若い人たちの活躍がだんだんと報じられるようになりました。テレビのニュースや特集、雑誌や新聞の報道にも若きエースがどんどん登場するようになりました。創業の場合もあるし、移住の人もいるし、家業を格段とレベルアップした人もいます。このような和歌山の希望の星に、もうすぐ知事を退くおじさんは心から期待しています。