知事からのメッセージ 令和4年10月3日
令和4年10月3日のメッセージ 広報紙「県民の友10月号」掲載分
ポジティブリストとネガティブリスト
次代を背負ってほしい和歌山の若者の能力と意欲を高めようと、毎年わかやま塾を開いていますが、その講師である青山繁晴さんが先日ポジティブリストとネガティブリストということに言及されました。ポジティブリストは、リストに挙げられている事しかしてはいけないということで、ネガティブリストは、リストに挙げられている事以外は判断で何でもしてもよいということです。青山さんは警察と防衛の違いとして言われたのですが、私はこれを聞いて、県知事や県庁職員は断然ネガティブリストの考えで行動せねばならないと思いました。
行政や公務員は、ともすれば決められたことを淡々とこなしていればよい、余計なことをして問題を起こしてはならないといった考え方が主流になりがちです。その結果、前例踏襲に堕したり、何もしないことの言い訳ばかりをしているといった批判にさらされることになってしまいます。
私はこれではいけないと思います。県民の幸せを図るため、しなければならないことは時々刻々変わるし、誰もやったことがないことを工夫して見つけ出して実行するといったことも必要になってきます。逆に言うと、こうして頭を最大限に使って、県民の幸せのために最大限のことをするというのが公務員の冥利に尽きるとも思います。
もちろん、県の行動は公権力の行使ですから、道理にかなわないこと、明確な法律違反、人権を傷つけること、人のプライバシーに関わることなどしてはいけないことも多々あります。しかし、これらをネガティブリストとして頭にしっかり入れた上で、やれる事は何でもやるという気概がないと県民の幸せは図れません。新型コロナ対策や災害対応、新政策の企画立案など、私は和歌山県政をこのようなネガティブリスト方式に基づいてリードしてきました。その結果、新しいさまざまな知見や経験もできて、次に同様なことが起こったら適用できるソフトな行政財産もどっさりたまってきていますから、気概さえ失わなければ、同じように県民の幸せを追求できるはずです。