知事からのメッセージ 令和4年5月2日
令和4年5月2日のメッセージ 広報紙「県民の友5月号」掲載分
誰のため
知事をやらせていただいて、いつも思うことは、県政は県民の幸せを図るためだということを真摯に追求しないといけないということです。当たり前のことですが、世の中にはそれは違うんじゃないのと思うことも時々あります。
その1は、自分ファーストになったらいけないということです。政治家は選挙で選ばれますから、人気がないのは困りものです。しかし、次の選挙で受かることばかり考えて行政をしたら、人気があろうとなかろうと、政治や行政は無茶苦茶になって、人々の幸せは図れません。他国の例ですが、米国のトランプ前大統領はその意識が強すぎて、究極的には米国の利益になるはずの米国中心の国際秩序や同盟国との友好関係をずいぶん壊したと思います。
その2は、特定の人に利益誘導をしたらいけないということです。そんなことをしたら多くの人々が、自分たちはチャンスがないのかと元気がなくなり、地域の力が弱くなります。私は就任以来、この構造が制度的に起こりえないような改革を、官製談合に限らず、広く行ってまいりました。
その3は、県民といっても色々な人がいるので、最大多数の利益を考えなければならないということです。県政の各項目については、賛成の人も反対の人もいて、問題点もあるものです。しかし、だからと言って、あれもだめ、これもだめと言っていては、最大多数の幸せは図れません。自分たちの意見を入れないのは市民の声の無視だというのは少し言いすぎだし、一部問題があるから全部反対というのも少しやりすぎです。そういう声にも耳を傾け、問題点を1つ1つなくし、最大多数のためになると思うことを採用していくべきでしょう。
その4は、県民は今の我々だけではないということです。将来の世代まで考えた最大多数の幸せを考えないといけないと思います。今のままでよい、あれもいや、これも反対と言って立ち止まっていたら、時代の変化は将来の世代につらい思いをさせるでしょう。和歌山が将来栄え、将来の人々がその中でチャンスをいっぱいつかめるような選択をしていくべきでしょう。