知事からのメッセージ 令和3年8月18日

知事からのメッセージを紹介します。

令和3年8月18日のメッセージ

新型コロナウイルス感染症対策(その71) もう一度県民の皆さんへの不要不急の外出の自粛要請

 和歌山県でも随分感染が増えてきました。8月17日は、過去最多の67人の感染を数えました。和歌山県は、これまでは、福祉保健部技監を頂点とする保健医療行政が頑張るから、目立って危険の高い、リスクの高い行動は慎んでもらいたいけれど、一般的には自粛の要請はしません、安全な外出、安全な生活でいきましょう、特定の特にリスクの高い行動だけ注意させていただきます、ということでやってきました。

 しかし、このままどんどん進行すると、和歌山県で今頑張っている全員入院というのも、なかなか難しくなってくるし、それから、そういうのが突破されてしまうと、感染が止めどなく拡がる可能性もあるので、やっぱりここは県民の皆さんに、不便を忍んでもらおうと思いました。

 こういう事態になったことは大変残念でありますし、申し訳ないと思っておりますが、実はワクチンの効果も、もう少しのところまで来ていますから、少し感染が収まってくるまでのしばらくの間、協力をしていただき、保健医療行政の方は力を緩めることはありませんので、両方の力で感染をコントロールしていこうと思っているわけです。
 

 そこで、どういうふうにするかということですが、まずは、今まで、安全な生活、安全な外出と言っていましたが、これは和歌山県の歴史で3番目になりますが、もう一度、不要不急の外出を控えるというモードに変えていただきたいと思います。従って、特に用事があったり、仕事があったり、学校へ行かなければいけないということでなければ、できれば家にいてもらいたいと申し上げたいと思います。
 

 そこで、細かいことをさらにいろいろ申し上げますが、世間一般には、データ、証拠も示さないで、とにかく人流の抑制だ、飲食店と集客施設と観光はやめさせよと決めつけるというのが、流行っている感じがしますが、我々和歌山県ではもうちょっと科学的にやりたいので、データに基づき本当の急所を押さえていきたいと思います。

 下記の資料を見ていただくと、現在感染状況がどのようになっているかということですが(保健医療行政はきっちりしていますのでそれがよくわかります)、8月1日から15日までのデータを取りますと、一番うつっている経路は何かというと、やっぱり家族です。デルタ株は大変感染力が強いので、1人が感染すると家族にうつる可能性は大変高いので厄介です。これは、もともと家族の中に引っ張り込まないということが大事なので、もちろん家族同士で分けて生活するなんて無理ですから、どうやって引っ張り込んだかというところが大事になってくると思います。

 そうすると、県外、職場・学校、友人・知人、飲食店などいろいろあるわけですが、一番大事になってくるのは県外です。それと、職場・学校、友人・知人というところが大事になってくるということになります。

 この県外というのは何かということですが、県外ナンバーの車がいっぱいあって、観光客が遊びに来るのはけしからん、県民にうつすじゃないかとかいう議論があるのですが、大きな塊で見ると、どこで一番感染しているかというと、最近で言うと、実は和歌山への帰省客からうつったというのが一番多いのです。それから、他府県に行って帰ってくるという形の帰省もあります。

 それから、実は、通勤、通学、仕事、こういう非常に真面目な、もうやめるわけにいかないようなことからも、結構うつっているわけです。

 さらに、飲食、買物がありますが、県外への旅行がそれに続いています。それから、実は、県内への観光については、観光客からうつったケースというのは意外と少なく、3%しかないということです。
 

推定感染経路
 

 そんなことが判っているので、それに合った効果的な対策を考えないといけません。一般的な不要不急の外出の自粛とともに細かい注意とお願いも改めて申し上げます。
 

 第1に、全国的に緊急事態宣言の対象が広がり、まん延防止等重点措置の対象区域が広がるという政府決定がなされましたが、そういう地域へ、不要不急の外出、あるいは不要不急の往来を控えていただくということと、やむを得ず、そこへ行くということであったとしても、会食や接待を伴った飲食は、そこではやめてもらいたいということです。もちろん、出張とか、仕事とか、どうしても用事があるとか、そういうことまで行ってはいけないとは言えないわけですし、それぞれ事情もあります。それでも、不要不急だったらやめてもらいたいし、そうでなければ、やむを得ず行ってしまった場合でも、危ないので会食や接待はやめましょうというのが、第一の注意です。これは前と一緒ですが、対象区域が変わりました。
 

 第2に、これも前と一緒ですが、とりわけ言っておきたいのは、実は帰省を原因としてうつったというのが一番多いわけですから、できるだけ控えて欲しいと思います。お盆を過ぎたので、ひょっとしたらピークは過ぎているかもしれませんが、ピークを外し、そのあと帰って来ますというのが結構あると思います。それを、この夏はできるだけ控えてもらいたい。

 それから、すでに帰ってきて和歌山にいる人も、家族以外との会食は控えてもらいたいと思います。帰省で一番うつっているケースは、帰省で帰ってきたので、家族も含めて、この際、いろいろ飲んだり食べたりして遊ぼうかというようなケースでうつるのが、一番多い。従って、それはぜひ控えてもらいたい。
 

 第3に、通勤・通学でうつっているケースが多いのですが、通勤・通学を止めろとはなかなか言えませんので、県外への通勤・通学は直行直帰してもらいたい。特に、お弁当を食べる時なども注意して欲しいと思います。物を食べないわけにいきませんが、できるだけ、自分ひとりでお願いします。あまり長い時間いろんな人と談笑したりすると、後で、そこで一人うつっていることが分かったら、感染力が高いから、必ずとまでは言わないけれど、かなりの確率でうつっています。従って、会食は控えてもらいたいということです。

 また、在宅勤務(テレワーク)の積極的な活用です。これも前から言っていますが、さらにできるだけやって欲しい。従業員の方からも申し出て欲しいし、経営者の方もやって欲しいと思います。県外、特に大阪との関係が強いので、そういうことをお願いしたいと思います。大阪府も、テレワークを積極的に活用するようにと言ってるものですから、ぜひ、大阪も言っていることを念頭に、職場でも、そういうことを自己主張して欲しいと思います。場合によっては、我々も助勢いたします。
 

 第4に、飲食・カラオケは慎重にというのと、遅くまで集団で会食・宿泊をしない。これは随分前から言っている話ですが、飲食でうつっているケースも結構ありますから、慎重にお願いしたいということです。大勢で食事をして大クラスターになった例もあります。特に、帰省などで若い人達が帰ってきて、元気ですから、友達の家へみんな集まって、朝まで騒ごうとか、カラオケに長時間ぶっ通しでいこうとか、そういうことをして、みんなうつってしまいましたというのが結構あるので、そういう意味では慎重にお願いをしたい。飲食をするなとか、カラオケは全部駄目と言ってるつもりはありませんが、いろいろ感染リスクを考えて、慎重にやってもらいたいということです。
 

 第5に、最近、子供にもうつっています。いろいろ調べると、二通りケースがあります。子供同士でうつしあいしたケースと、家庭で子供がうつって学校にやってきたケースがあります。前者の方は、スポーツ合宿や練習試合などがありましたが、よく調べたら、そんなに多くない。そういう意味では、リスクはあるけれど、全面的に禁止をするのは、県外では和歌山県以上に感染がひどいので、県外の学校との練習試合にしようと思います。県内の学校との練習試合は、禁止とまでは言わないけれど、本当に今しなければいけないかを指導者の方もよく考えて、慎重にやってもらいたいということです。

 それから、家族にうつされて、それが学校のクラブ活動なんかに入ってしまって、仲間にもうつるというのがあります。従って、家族も症状はないし、本人も症状はまだ判らない場合は防ぎようがないのですが、家族に症状がある、あるいは家族が今保健所に調べてもらっているようなケースは、本人に症状がなくても、ちょっと自粛をして、部活動は、「今日は家族で感染の疑いが出たので止めておきます」と、勇気を持って言ってもらいたい。それは、指導者の方も奨励をして欲しいということです。そこで、陰性が全部証明されて大丈夫になったら、また参加してもらったらいいということです。学校関係はこんな形にしたいと思います。

 第6に観光ですが、県外へ観光に行ってうつったというのは、結構あります。従って、県外への観光は、ぜひ自粛をして欲しい。特に、感染が拡大している地域は、特に危ないということです。
そもそも県外からの観光客はそれぞれの出発地の県で県外に行かないようにという指導があるのにという思いがありますが、現実にはそう感染が発見されていないので、そこばかり目の敵にということはなかなか難しいと思います。ましてや県民の県内への観光もですが、今や不要不急の外出の自粛を一般的にかけざるを得なくなっていますので、それを前提によくお考え下さい。加えて、今、我々は、県内観光についてはアクセルを踏んでいます。
すなわち、「リフレッシュプラン2nd」が、今利用できます。すでに述べたように、観光でうつっている感じはそんなにしないのですが、アクセルを踏むのはどうかと思いますので、新しい予約は、ちょっと控えていただきたい。それは、観光業者にもそんなふうに申し上げようと思っていますし、消費者の方も、新しい予約は少し控えてもらいたい。感染が無くなったら、また使ってもらったらいいです。
それから、現在すでに予約をしているケース、あるいは一般的にどうしようかと思っている場合も、できる限り延期をしてもらったらいいと思います。ただ、もう予約していて違約金を払わなければいけないケースや、どうしてもという場合は、止め立てしにくいのですが、できるだけ延期をするように努力して欲しいというのが、我々のお願いです。
 

 次に、いつも言っていることですが、症状が出れば、通勤・通学を控えて、直ちにクリニックへ行ってもらいたい。クリニックあるいは病院も、まず新型コロナを疑って検査をしてもらいたい。これは、もうずっと言い続けていることで、だんだん、これを守ってくれないという人は減ってきましたが、まだいます。体調が悪かったら、なんのこれしきというのは、今は本当にお止めになった方がいい。症状は、高熱ばっかりとは限らず、いろんな出方をしますから、とにかくすぐにクリニックへ行って、調べてもらいたいと思います。

 加えて、家族に発熱があったら、あるいは家族に何かの症状が出たら、出勤を控えてもらいたいと思います。

 それから、国の対処方針が、今回変わります。和歌山県では、保健所の機能が抜群によろしいので、多分、必要ないのではないかと思いますが、別に反対することもないから言っておきます。クリニックは、これはおかしいと思ったら、保健所の判断を待たずに、陽性者の同居家族などへの検査を促進してもらったらよろしいということです。後で手続きをきちんとして、検査費用は公費負担に全部できますから、クリニックが走り始めても結構です。ただし、和歌山県では、保健所の機能がきちんとしてますから、後で必ずご連絡いただくことは、ぜひ必要だということです。
 

 最後に、ワクチンです。どうも、今回の感染を収束させるには、若い世代も含めて、ワクチンをどんどん打って、あまり感染しないようにしないと、どうしようもないと思います。そういう意味では、感染がだんだん恐ろしくなってきているので、お年寄りは、かなり打ち終わったと思いますが、若い人も、ぜひワクチンを早く打ってくださいということです。早く打ってくださいと言っても、予約をしないと早く打てない。打とうかなと思った時に予約すると、そこからまた大分時間がかかる。特に最近、ワクチンがやや不足気味になっています。和歌山県でも、国がちょっとしかくれないので、だんだんと予約が容易ではなくなっています。でも、まだ余地はありますから、早く予約しておいた方が絶対得だと思いますので、早く予約してくださいと申し上げたい。決め手はこれしかないと思います。ワクチンの効果は明らかにあります。大いにうつりにくいし、重症化する人はもっと稀です。
 

PDF形式を開きます新型コロナワクチンの効果等について(PDF形式 2,051キロバイト)

  ワクチンは副反応で熱が出る人もいるといったリスクはあるかもしれませんが、打たなかったときに実際にコロナにかかって苦しんだり、後遺症に悩んだりするリスクと比較すれば、打ったほうが断然得です。また、打たないで人にうつすかもしれないし、そうなった時の行政や病院の苦労にも配慮する気持ちも持ってほしいと思います。

 またこれに関し、我々は飲食店などを常に観察に行っていますが、そこで若干見受けられるのは、お年寄りが、私はもうワクチンを打ったから無敵だと言って、マスクをかなぐり捨てて、ガンガン歌ったりしているというのが、一部あります。しかし、実は、ある確率でもって感染はしますし、人にもうつすということですから、ワクチン接種後も、引き続き、マスク着用、手洗い、そういう感染対策はぜひ励行をして欲しいということです。
 


「県民の皆様へのお願い」

  • 不要不急の外出を控える
  • 大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、三重県のほか、緊急事態措置やまん延防止等重点措置区域への不要不急の外出を控えるとともに、やむを得ず外出する場合でも、会食や接待を伴った飲食をしない
  • 帰省はできるだけ控えて
    既に帰省している人は、家族以外との会食を控える
  • 県外への通勤・通学は直行直帰し、会食は控える
  • 在宅勤務(テレワーク)の積極的な活用を
  • 飲食・カラオケは慎重に
  • 遅くまで集団で会食・宿泊をしない
  • 学校の部活動の制限について
    県外の学校との練習試合等は禁止
    県内の部活動は慎重に
    家族に発熱等の症状があれば、参加は控える
  • 県外への観光は自粛
  • 県内も、リフレッシュプラン2nd の利用は、新規予約を控えるとともに、できる限り延期を
  • 症状が出れば、通勤通学を控えて直ちにクリニックを受診
  • 家族に発熱等の症状があれば、出勤を控える
    ※クリニックは、保健所の判断を待たずに、陽性者の同居家族などへの検査を促進
  • ワクチン接種を早く予約する
  • ワクチン接種後も引き続きマスク着用等の徹底を
     

 以上のように、和歌山県も、感染の拡大防止は保健医療行政で何とかやるから、特定の注意以外の一般的自粛、一般的人流抑制はお願いしないという方針を変更せざるを得なくなりました。県民の皆さんにおかれては、感染が下火になってくるまで、是非上記の点を中心に、自粛にご協力をお願いします。
 

 実は、私は6月頃からこのことを予測して恐れていました。東京など首都圏で感染が下がり切らないのを「東京が危ない」と、何とかしてほしい、でないといずれその感染は地方に及ぶと言ってきました。(令和3年6月25日「新型コロナウイルス感染症対策(その67)データで見る感染症対策の急所(その4)と東京が危ない」)、また、感染が和歌山で拡大する前に、早くワクチンを打ち終わってしまおう、そうすれば拡大は和歌山には及ばないと思ったからこそ、ワクチン接種を全県で急ぐよう叱咤激励し、国から特別に多く割り当てをいただいて促進してきました。しかし、それも十分な量のワクチンを供給してもらえなくなり、あまつさえ国が接種の遅い所に優先的に配布すると言い出すに至って、目論見は潰えました。
 

 でも、高齢者の発症は少ないということからも、ワクチンが行き渡れば、コロナの収束は見込まれることは明らかです。また、最近マスコミでよく報道される重症者の増加も、和歌山県では著しく少なく、保健医療行政の積極的疫学調査と全員入院体制の堅持が効果を現わしていることは明らかです。とすれば、ワクチンが行き渡るまで自粛で我慢いただき、それによって悲惨な状況になっても積極的疫学調査と全員入院を頑張っている保健医療行政と病院を助けていただきますようお願いします。ワクチンが行き渡ればこの惨状は必ず収束します。

(以上は、令和3年8月17日に行った記者会見の発言を加筆したものです。)

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