知事からのメッセージ 令和3年6月4日

知事からのメッセージを紹介します。

令和3年6月4日のメッセージ

 新型コロナウイルス感染症対策(その65) 目的規範から態様規範へ

 新型コロナウイルスは、このところ、感染者数も一桁に減ってきて、病院の病床の関係もちょっと楽になってきて、これだったら県民の方に悪影響を出さないで、困っている近隣の府県を助けることができると、近畿府県の軽症者のコロナ患者さんも受け入れますということを令和3年5月31日に発表させてもらいました。近隣の府県も、前よりは落ち着いてきているので、さし当たっての需要があるかどうかわかりませんが、需要があったら、我々の保健当局に相談をしてもらうということでやっていきたいと思っています。

 そんな状況ですので、県民の皆様へのお願いを、あまり形式的に同じ言葉ばかり言い続けているというのはいかがなものかと思い、モードを変えることにしました。ひと言で言うと目的規範から態様規範に切り替えます。和歌山県はそれまでは保健医療行政でコロナの感染拡大は防止しますので、県民の皆さんには、一般的行動自粛を言ってきませんでした。(おそらく唯一か数少ない県だと思います。)しかし、変異株の猛威の前に、保健医療行政だけでは太刀打ちできないので、4月の中旬以降、ついに県民の皆さんに不要不急の外出は控えてくださいと言うに至っていました。しかし、状況が前述の通りですので、今週末まで様子を見て、大丈夫そうだったら翌週の月曜日(6月7日)から、「安全な生活・安全な外出を心がける」というモードに切り換えたいと思います。


 どこが違うかということですが、前は目的で議論しました。外出目的で規制をしていました。例えば、酒を飲みにいくこと、あるいは、個人の楽しみだけのもの、そういうものは不要不急かもしれないということで、それらはできるだけ先延ばしにして感染しないようにしてくださいということでしたが、目的で縛るというのは人間の自由を縛るし、ひょっとしたら尊厳を縛っているのではないかというような気持ちもしますので、混乱期を除いてできるだけ避けたいと思っているわけです。
 しかし、だからといって、野放図に外出されたり、行動されたり、生活されたりすると、また感染大流行ということになる可能性もあります。その可能性は全然消えていないので、従って、行動態様について縛ろうというふうにしました。そういうことで、安全な生活・安全な外出を心がけるというふうに、このまま事態がうまくいけば、6月7日から切り替えたいと思っております。


 逆に、強化をしたいと思っていることもあります。例えば、テレビなどを見ていても、野外は3密を避けるという意味でいいんだろうなということで野外ブームとなっていて、和歌山県なんかは自然が多いところなので、この野外ブームと感染者が少ないということで、県内の人もいますが、県外の人が随分たくさん和歌山に来ているというのが目につきます。
 昔よりものすごく増えているわけではないかもしれないが、現在のところあんまり好ましいことではありません。我々も、少なくともこれまでは不要不急の外出は自粛してくださいと県民の皆さんにお願いをしているところであり、それから、もっと感染者が多い近隣他府県、あるいは遠くの他県の方も含めて、全部このモードで自県民に呼びかけがなされているわけです。だから、県外にどんどん行ってくださいと言っているところは一つもなく、関西広域連合でも、それぞれの府県民に、他府県へ不要不急の外出をするのはやめましょうと呼びかけているわけですから、和歌山県の知事としては、それぞれのところで言われているのだから来ていただくのは好ましくないというふうに思っています。しかし、他府県の方々に強烈なことができるかというと、県民にも随分感染が広がっていた状況ですから、実際はそれもできないので、呼びかけることがせいぜいです。
 しかし、先ほどの野外ブームがテレビなんかでガンガン放送されていると、他県の人も含めて、皆さんだんだん自粛でイライラしてくるので、和歌山に行って、キャンプとかバーベキューをやろうということになりかねません。
 その際とりわけ、県民の方も県外の方も、きちんと管理がされているところではなくて、好きなところで勝手にバーベキューをして、大勢の人が集まっているというのはよろしくありません。また、定められたところであっても、大人数が集まって密になってわいわいやっているっていうのは、それ自体感染リスクがあり、やはり野外でもうつりますので、第1にキャンプ場などの所定の場所で、第2に管理者の定めるルール、例えば、この間隔を空けてやってくださいとか、それから、もちろん直火はいけませんのでちゃんと器具を使ってやってくださいとか、第3に所定の場所でも、テントの設営などについても、コロナ感染対策上、一定の間隔をあけてほしいとかのルールを守って欲しいと思います。それぞれの管理者、あるいは市町村がいろいろ注意をしていると思いますので、感染対策を徹底してやってくださいというのが私の言いたいことです。

 それから、特にこれが一番腹立たしいのですが、ごみを置いていく人がいます。これは、我々の和歌山県のごみのポイ捨て禁止条例にも違反するので、絶対止めていただきたい。是非、ごみは持ち帰っていただきたい。感染リスクを高めておいてごみだけ置いていくというのはとんでもない話なので、せめてごみは持ち帰っていただきたいと思います。
 この4点です。これをお願いの中に新たに加えたいと思っています。今までの注意事項の中に加え、県外の人もそうですが、県内の人もこれは適用しますので、和歌山県民だから好きなようにやっていいというわけではありません。ちゃんとこのルールを守ってやってほしいということです。


 もう一つ、県民の皆様へのお願いの追加があります。
 和歌山県はワクチンの接種率が日本一で先行しているので、少なくとも1回目に関しては、もううちましたという人が随分たくさん、特に高齢者にいます。ワクチンをうった高齢者の方々が勘違いをして、1回うったからもう大丈夫と言って、野放図な行動をすることは医学的には間違いです。2回うって3週間ぐらい経ったら、報じられているように、ファイザー製やモデルナ製は95%ぐらい感染しないとか、悪化しないとかというように効くみたいですが、1回目を打った瞬間に効くというわけじゃありません。
 従って、気が緩んで、1回目、2回目とワクチンをうったからといって、もうマスクなんかしなくてもいいというようなことを考えている人がいたら、これはとても危険です。他人に対しても危険だし、本人にとっても危険なので、ワクチン接種後も、引き続きマスク着用等の感染防止対策をして、ルールを守って生活してくださいということを呼びかけておきたいと思います。この2つが追加であります。


 和歌山もそうですが、関西全体でもコロナの感染者は一時に比べると随分減りました。和歌山県では、コロナの県内における現状と近隣県の動向を踏まえて、県民の皆様へのお願いの中身を以上のように少し変えます。
 予告期間ということもあるだろうと考えて、6月7日から不要不急の外出の自粛という目的規範から、安全な外出、安全な生活という行動態様規範への変更です。
 しかし、コロナの感染の危機が去ったわけではありません。一般的なマスクの着用、手洗いの励行、密を避ける行動などの安全行動を今以上に注意してほしいと思います。
 さらに下記の通りの個別の行動自粛は継続です。



<県民の皆様へのお願い>

  • 不要不急の外出を控える(令和3年6月6日まで)
  • 安全な生活・安全な外出を心がける(令和3年6月7日から) 
  • ワクチン接種後も引き続きマスク着用等の対策を
  • キャンプやバーベキューは、キャンプ場など所定の場所で、管理者の定めるルール を守って、密にならないよう感染対策をするとともに、ゴミは持ち帰る
  • 特に感染が拡大している地域に出かけての会食や接待を伴った飲食をしない
  • 遅くまで集団で会食・宿泊をしない
  • 家族以外とのカラオケを控える
  • カラオケ・ダンス等の大規模な催しへの参加を控える
  • 大阪府、兵庫県、京都府、北海道、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、石川県、岐阜県、愛知県、三重県、岡山県、広島県、福岡県、熊本県、沖縄県への不要不急の外出を控える
    期間:政府対策本部が「緊急事態措置を実施すべき区域」等を指定している期間
  • 症状が出れば通勤通学を控えて直ちにクリニックを受診
  • 事業所では発熱チェック
  • 病院・福祉施設サービスは特に注意
  • 医療・福祉施設の職員は家族以外との会食を控える
  • 濃厚接触者は陰性でもさらに注意
  • 医療機関は、まずコロナを疑う
  • 各事業所で感染拡大予防ガイドラインを遵守
  • 職場内でもマスクの着用を徹底する
  • 在宅勤務(テレワーク)の積極的な活用を
  • 感染防止策が徹底されないイベントの開催の延期・自粛
    大規模集客施設・小売店での催物・バーゲン等は延期・自粛
  • 学校の部活動の制限について
    県外の学校との練習試合等は禁止
    それ以外は、感染防止対策を十分に講じた上で活動


 こうして県民の皆さんに注意事項を守って安全に行動していただくほか、従来と同じく保健医療行政は全力で頑張ります。和歌山県があの悲惨なコロナの変異株大流行の中で感染者数と死者数を他と比べてある程度抑制でき、全員入院体制を守れたのは、県民の自粛協力もありますが、保健医療行政と医療関係者の献身のおかげだと思います。行政は自分及び部下の問題なので、行政の長として言いにくいのですが、その部下と医療関係者の踏ん張りに心から感謝したいと思います。
 

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