知事からのメッセージ 令和2年9月1日

知事からのメッセージを紹介します。

令和2年9月1日のメッセージ (広報紙「県民の友令和2年9月号」掲載)

難しい判断 

 コロナのために世界中が痛めつけられています。今の世の中は相互依存関係の中で成り立っているので、世界中の感染が収まらないと日本も安心できないし、和歌山も安心できません。その安心というのはコロナにかからないというだけではありません。経済も生活もそうで、特に観光の分野への影響は深刻です。コロナの直前までは、近年官民を挙げて再生に努力してきた結果がようやく実り始め、インフラも改善し、ホテルの耐震や改修も進み、県内各観光地の名声も高まり、特に外国の旅行メディアで和歌山No.1という評価が3年連続で続きました。さらにIT誘致、ワーケーション、ロケットとヒットが続いて、数字も上々でありましたが、コロナでガタガタです。

 しかし、この騒ぎの中で、我々は段々と分かってきました。先進他国と比べ、日本は感染症法の仕掛けと保健所があるんだから、そちらが頑張っている限り行動・営業自粛に頼りすぎなくてもよい。あまり神経過敏になりすぎると国民生活も、経済も自滅してしまう。特に他への依存度の高い和歌山県はそうだということを。

 だから、行政の責任者としては、言うのに勇気がいりますが、8月4日現在では、「これからもコロナは必ず出ると思いますが保健医療行政で必死に破局は防ぐので、安全には気を付けながらも少し正常心を持って、仕事に学業に励みましょう」と言うことにしています。

 ひょっとしたら、チャンスがあるかもしれないのです。外国人の観光客は当分期待できないが、その消費額は日本人の海外旅行の消費額とほぼ同じ、また、コロナであの岩盤のように強固であった東京一極集中が崩れて、地方にもチャンスがあるかもしれません。とはいえそんなこと言って、コロナを持ち込まれたらどうするんだという疑念と批判におびえながら、いつも難しい判断に迫られています。

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