知事からのメッセージ 令和2年8月12日

知事からのメッセージを紹介します。

令和2年8月12日のメッセージ 

新型コロナウィルス感染症対策(その35) - 言ってんのに -

 8月10日、和歌山県で新型コロナウィルス感染症で80代の方が亡くなられました。心からご冥福をお祈り申し上げます。既往症もある方でしたが、コロナが重症化し、医療機関での懸命の治療にもかかわらず命を落とされてしまいました。一連の福祉サービスのかなり複合的になったクラスターの犠牲者です。


 和歌山県は、コロナ発症者にはその行動履歴を調べて徹底的に濃厚接触者やその他の関係者の検査や調査をしますので、初めは感染経路不明でも段々どういう経緯で感染が拡がったかが分かってきます。報道によくある「本日の発症者のうち感染経路不明のケースが◯%でした。」で終わらせては感染はいくらでも拡大するので、こうやって調べて「囲い込み」をしているのです。

 犯罪捜査ではありませんから、このような経路は感染防止にどうしても必要な時以外は発表しませんが、我々保健医療行政当局で議論をして、そこからの教訓を元に、県民の皆さんに色々注意を発しているわけです。和歌山県はかけ声やスタイルで行政をしているわけではありません。行政の関与が人々の生活を壊したり、経済を破壊したりすることも知っていますので、本当に科学的にかつ経験的に必要なこと、危ない事だけを言うことにしているのです。

 本当は、かつての「80%接触抑制」の時のように何もかもシャットアウトしてしまえば、感染の防止にはより有効だということは当然なのですが、あの時生じた副作用がまた起これば、経済力や生活基盤が脆弱で、地方公共団体の財力に余裕もない和歌山で、何が起こるかよく分かるものですから、県民や訪問者には最低限の注意だけをお願いして、後は、保健医療行政で頑張るので、何とかこのまま和歌山の生活を守りつつ、コロナの感染もある程度にコントロールできないかという苦しい方針をとっているのです。(もちろん爆発が起こると、この限りではありません。)

ところが、あれだけ少ない注意にもかかわらず、なかなか守ってもらえないケースがあります。
 

 福祉の施設やサービス、病院など身体の弱い人々にコロナが感染したら、死者も出るようなことになるし、すぐに集団感染、クラスター発生となってしまうので、ここにコロナが入らぬよう、少しでも熱があったり体調が悪くなった時は、仮に少し軽快していたとしても、仕事に行くことはやめていただいて、クリニックで診てもらって下さいとお願いしているのに、大丈夫だと仕事に出かけてしまって感染させてしまうという事が起こっています。本人も注意をしてほしいし、事業者側でも出勤時に体温を測るとかの対応をお願いしたし、それができぬなら、毎日出勤時に、本日は何度でしたという報告を受けるようにしてほしいとお願いをしております。(県庁は、この後者のシステムで、毎日所属で各職員が体温を測ってきて報告するようにしています。)本当に守ってほしいと願っています。
 

 また、度重ねて、大阪や首都圏での会食は控えてほしいとお願いし、多くの人が集まって、夜遅くまで飲食をしたり、友人宅で飲食の上、そのまま泊まり込むということはやめてもらいたいと言っているのですが、大学生のマンションでの飲食による集団感染に続いて、最近またしても6人の若い方々による飲酒、宿泊によって6人全員が感染したという事例が起こりました。我が保健医療行政チームが各地で濃厚接触者などの検査や調査をしていて、職員には大変な苦労をかけていますが、各感染者には当然家族も、友人、同僚もいて、その中には、体の弱いお年寄りなどがいる可能性もあるので、困ったことなのです。「言ってんのに。ほんまにもう」というのが私の心の中の声です。しかし、起きてしまったことをあんまりいうといじめに繋がりかねないし、過去の事の詮索より、未来への注意が大事なので、次の事は是非頼みます。
 

 もう一度お願いをしますが、和歌山県からお願いしている8か条を下記に掲げますので、これだけは是非守ってください。

 特に、お盆や大学などの夏休みで、若い人達の再会の機会が増えます。本来ならば、久しぶりに会った旧友と語り、騒ぎ、時にはロマンスが芽生えるということは、若い時代によくある青春のひとこまなのですが、今だけは、お止めになってもらいたいと思います。

 また、8月16日の9:30~10:00(再放送は同日18:30~19:00)テレビ和歌山の「きのくに21」で、県の野尻福祉保健部技監が、最近のコロナの発生状況と、こういった注意を改めて解説しますので、そちらも見てください。(県外の方は少ししたら県庁HPから見ることが出来ます。)
 


  • 首都圏と大阪に出かけて会食しない
  • 遅くまで集団で会食・宿泊しない
      ◇  
  • 症状がある人は通勤通学を控えてクリニック
  • 事業所では発熱チェック
      ◇  
  • 各事業所で感染拡大予防ガイドライン
  • 病院、福祉施設サービスは特に注意
      ◇
      
  • 濃厚接触者は陰性でもさらに注意
  • クリニック等は疑い症例を積極的に発見

 はじめの2つは、最近の感染のきっかけが顕著な事例について、県民の方に注意を喚起したものです。こういう点に特に注意をして、安全な生活、安全な外出に気をつけてくれれば、特に外出制限をきつくしたり、普通の通勤や通学まで移動の制限をしないでも、とりあえずいいのではないかと思います。
 

 2番目の2つは、ずっと言い続けてきたことですが、この間から、これを守ってくれなくて、症状があるのに仕事に行った人から、感染が拡がってしまったケースがいくつか出てしまいました。特に和歌山では、クリニックがコロナかどうか発見の助けもしてくれますから、具合の悪くなった人は無理をしないでクリニックで診てもらって下さいということです。それでも、根が真面目な人が多いのか、熱をおして仕事に行ってしまう人が多いので、事業所側で出社時に発熱チェックをして下さいと強く指導を始めています。額などにかざすと熱がわかる装置を入れてもらうか、県庁でやっているように、通勤前に必ず熱を測って職場で自己申告をしてもらうか励行してほしいと思います。
 

 3番目の2つは、安全な営業という事です。各業界ごとに安全ガイドラインを定めていますので、これを守ってもらって、その各条項と下記のようなシートを合わせてお店の前に貼っておいてもらうという事を強くすすめています。

 この点については、繰り返し県庁の担当が各業界のチェックに入っています。総じて守ってくれていますが、そうでないお店には特にお願いをするとともに、何度も調査は繰り返したいと思います。また、病院、福祉施設サービスは特に注意という事はずっと前から強く言っていますが、熱のある人、体調のおかしい人は絶対に勤務させないで下さいという事です。ここにコロナウイルスが入ってしまうと、もともと体の弱い人が利用しているわけですから、クラスターが発生もするし、命が危なくなります。また最近は、福祉施設だけでなく、通所サービス、訪問サービス、入浴サービスなど出張型サービスにも感染が拡がったケースも発生しました。こちらも十分注意して下さい。
 

 4番目の2つは最近、和歌山県で起こったことをもとにした注意です。
 

 和歌山県は保健医療行政がしっかりしているので、濃厚接触者を割り出して、すぐPCR検査にかけます。しかし、これが早く手を回しすぎて、まだ病気が発生していなくて、PCRで陰性になった人が、段々ウイルスが増えて、少し後に陽性になり、又は発症するというケースがありうるのです。規則では陰性の人も2週間は経過観察ですから、人との接触はやめていただかなければならないのですが、そういう人が1回陰性だったからと油断しないでください。是非2週間は用心。仮に症状が出たらすぐ保健所か医療機関に連絡してほしいと思います。

 また、今回の再流行で、和歌山県の特有のクリニックの発見システムが十分機能しなかったケースもありました。おそらく症状が軽すぎてドクターがコロナを疑わなかったからだと思いますが、全国的大流行の時期なので、保健所や病院が、和歌山県ではPCR検査を拒絶したりはしませんので、疑い症例は積極的に通告してほしいと注意を喚起しました。今回は肺炎になかなかならない人も多く、見極めにくい例もありますが、味覚嗅覚障害が逆に多いので、前広にどんどんご連絡いただければと思います。

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