知事からのメッセージ 令和2年7月1日

知事からのメッセージを紹介します。

令和2年7月1日のメッセージ (広報紙「県民の友7月号」掲載)

コロナを見る眼

 新型コロナウイルスが世界で猛威を振るっており、日本も例外ではもちろんなく、政府が緊急事態宣言を出し、全土に適用されるようになり、解除になるまで、日本国民がこぞって行動の自粛、営業の自粛で、人と人の接触を少なくして、コロナを見事下火にしてみせてくれました。

 欧米各国は、日本よりももっと強い強権を発動し、外出の禁止や事業活動の停止をしたのにもかかわらず、感染者が思ったほど減らなかったのと好対照です。しかし、そういう日本も、外出や営業の自粛によって、国民経済は壊滅的な打撃を受けました。和歌山県も、特に観光立県ですから、国外の観光客がほぼゼロになった上に、県外との往来自粛で、大都市以上の打撃を受けています。このままだとコロナは抑えられても、我々の生活が死んでしまうという局面に追い込まれています。

 どうしたらいいのでしょうか。その前にどうして日本は、自粛でコロナが激減したのに、欧米は減らないのかと考えてみました。欧米には、日本のような感染者を見つけ出して隔離するという感染症法がなく、それを行う保健所もあまり機能していません。だから、感染が拡大すると対策は、戒厳令みたいな国民の行動制限しかないのです。
 日本は違います。和歌山県はもちろんですが、各県の保健当局が必死でがんばっているので、国民が全面的に自粛で協力するのは、保健当局が失敗して、自らの力を超える感染が拡がってしまったときでよいのです。自粛だけが唯一の手段ではないのです。それにこだわりすぎると、経済を破壊し、生活と教育を破壊して、別の所で命さえ失いかねません。
 当分の間、コロナはそうはゼロになりません。したがって、コロナがゼロにならなければ教育も県外との往来もすべて許さないという考えはちょっと抑えて、安全な生活、安全な外出に気を付けながら、生活と経済の再建も図りましょう。あとは、コロナとの戦いで設備と装備がより強力になった県の保健行政ががんばります。

このページの先頭へ