知事からのメッセージ 令和2年5月15日

知事からのメッセージを紹介します。

令和2年5月15日のメッセージ

新型コロナウィルス感染症対策(その26) -宣言の解除と対策の見直し -


5月14日政府が緊急事態宣言を見直して、和歌山県など39県を宣言の対象地域から外しました。和歌山県もそれを受けて、5月15日新型コロナウイルス感染症対策本部の会合を開催し、これまでやっていた自粛要請を一部解除しました。以下は、その時の私の記者会見録です。

『本日、新型コロナウイルス感染症対策本部を開きまして、昨日の国の決定で和歌山県が緊急事態宣言対象区域から外れましたので、そのあとの和歌山県の措置について、どんなふうにするかということを決定しました。
 これから、簡単に皆さんに説明をしたいと思います。まず、考え方の前提として申し上げますと、和歌山県というよりも、この感染の拡大防止のために何が必要かということを考えたら、行政医療と県民の努力の足し算です。

フリップ1

 これは明らかであります。この行政医療の努力がうまくいかなかったら、コロナが感染爆発をしてしまって、それで、県民に大変な犠牲を強いた自粛をお願いせざるをえないということになるわけです。和歌山県の医療保健行政の働きは、いろいろ危機はあったけれど、健全に保たれているので、感染者は必ず入院できるようになっているわけです。それから、行動履歴なんかもちゃんと捕捉できるようなシステムになっているから、県民の努力の方へ課さなきゃいけない重荷っていうのは、少なくて済むのです。そちらに負担を過剰にかけると、今度は経済がガタガタになって、おかしくなるので、そこのバランスは、和歌山におけるバランスと、それから、まだ特定警戒区域であるところの大都市とは、ちょっと違うということがあります。
 一方、そういう意味で、我々は、これから考えるときに、三つの視点を考えないといけないというふうに思うわけです。

フリップ2

 さっき言いましたような状況ですから、我々は、県民にあまり過剰な負担を課する必要はない。今までは、例えば、不要不急の外出は全部やめてくれというふうに言っておりましたが、そこまでいうことはないだろう。しかし、どんな外出でもいいのか、どんな生活でもいいのかっていうと、それは、うつる可能性のあるリスクの高い生活・外出がありますから、安全な生活、安全な外出をお願いしたい。
 それの注意事項、ガイドライン、そういったものは、県からいろいろこれから出していきたいと思っています。
 もう一つは、和歌山県は、やっぱり大阪に近い、京阪神にとても影響されるところです。そこがまだ特定警戒区域から外れてない。従って、他府県等への配慮、特に人の移動が、例えば、措置の強弱によって、右から左、左から右へ、人々の移動を招いてしまう恐れがあります。そういうことがないようにしたいが、この二つは、大変難しい状況にあります。
 しかも、それは政府が言うように、いっぺんにやると、またおかしくなるから段階的にやった方がいいということで、今回の措置を決めさせてもらいました。

 そこで、まず県民の生活であります。

フリップ3

 第1に安全な生活、安全な外出をしてもらおうということです。特にここでは、前々から言っておりましたが、安倍総理も言っているように、例えば、繁華街の接待を伴う飲食店など、そういうところに行くとか、或いは、どう考えても、これは当事者のどちらかが感染していたら、あっという間にうつってしまうようなところへ行くとか、そういうところは、やっぱり、やめにして、それで、より安全なところへ行く、或いはそういう安全な生活を心がける、そういうことをやってもらいたいということです。
 その次に、3密は避けてとよく言いますが、あれはちょっと甘過ぎるというふうに思っております。我々は、密接はダメ、3密はもっとダメ、こういうふうに言おうと思っています。今まで、あまりに専門家が3密、3密と言いまくりましたので、何が起こったかというと、3密でなければいいんでしょと、窓を開けているからいいでしょと、こういう話になっちゃったんですね。これは全く間違いだというふうに思います。感染者がいれば、人と人とが近くにいて、密接に関係すれば、うつる可能性が高いので、これはやっぱり密接のところに注目を置いて考えて、3密はもっとダメ、と考えた方がいいということです。
 それから発熱など、体調がすぐれないときは、とにかく仕事なんかもやめて、和歌山ではクリニックがちゃんと診てくれるので、そういうところに行って受診してくださいということです。
 それから、通勤も、テレワーク、時差出勤ということをぜひ心がけるように、これは管理者にもお願いするということです。

 次に、事業者の皆様に対してですが、営業自粛を一部解除します。

フリップ4

 一覧表に営業自粛事業者がずらっと並んでいますが、これらについて、二つの観点から解除します。全部解除するのではなくて、もちろん残すべきところが二つあります。
 一つは、それ自体が感染リスクが極めて高いというような業種は残します。それからもう一つは、大阪が随分広範に解除しましたので、逆にこの解除したもの以上にきつくしておくと和歌山の人が大阪に行っちゃう可能性があるし、緩くしておくと大阪の人か和歌山に来ちゃう可能性があるので、今はそれは合わせた方がいいということで、そういう二つの観点から、営業自粛を一部解除します。

休業を協力依頼する施設
カテゴリー 対象 休業要請要因 大阪府解除 和歌山県
休業依頼解除
感染防止対策について
留意すべき事項
密接等 県外者流入 クラスター発生
遊興施設 キャバレー
(客の接待を伴わないものは除く。)
× ×
ナイトクラブ
(客の接待を伴わないものは除く。)
× ×
ダンスホール
(客の接待を伴わないものは除く。)
× ×
スナック
(客の接待を伴わないものは除く。)
× ×
バー
(客の接待を伴わないものは除く。)
× ×
ダーツバー × ×
パブ
(客の接待を伴わないものは除く。)
× ×
性風俗店 × ×
デリヘル × ×
カラオケボックス × ×
ライブハウス × ×
場外馬(車・舟)券場
(1,000平方メートル超)
× ×
アダルトショップ(1,000平方メートル以下) ・県ガイドライン等の順守
・他府県等からの受入自粛
個室ビデオ店(1,000平方メートル以下)
インターネットカフェ
(1,000平方メートル以下)
漫画喫茶(1,000平方メートル以下)
射的場(1,000平方メートル以下)
ビリヤード場(1,000平方メートル以下)
劇場等 劇場 ・県ガイドライン等の順守
・他府県等からの受入自粛
観覧場
プラネタリウム
映画館
演芸場
集会・展示施設 集会場 × ・県ガイドライン等の順守
・他府県等からの受入自粛
公会堂 ×
展示場 ×
文化会館 ×
多目的ホール ×
運動・遊技施設 スポーツクラブ(屋内) × ×
ホットヨガ、ヨガスタジオ × ×
屋外水泳場(1,000平方メートル超) × ×
陸上競技場、野球場、
テニス場(屋外)の観客席
・県ガイドライン等の順守
・他府県等からの受入自粛
体育館 × ・県ガイドライン等の順守
・他府県等からの受入自粛
屋内水泳場 ×
ボウリング場 ×
ゴルフ練習場(屋内) ×
バッティング練習場(屋内) ×
陸上競技場(屋内) ×
野球場(屋内) ×
テニス場(屋内) ×
弓道場(屋内) ×
武道場(弓道場を除く)
パチンコ屋(1,000平方メートル超) × ×
ゲームセンター(1,000平方メートル超) × ×
パチンコ屋(1,000平方メートル以下) ・県ガイドライン等の順守
・他府県等からの受入自粛
ゲームセンター(1,000平方メートル以下)
マージャン店(1,000平方メートル以下)
テーマパーク ×
遊園地 ×
文教施設 幼稚園(預かり保育を除く) × ×
小学校 × ×
中学校 × ×
義務教育学校 × ×
高等学校 × ×
高等専門学校 × ×
特別支援学校 × ×
大学・学習塾等(1,000平方メートル超) 大学 ・県ガイドライン等の順守
・他府県等からの受入自粛
専門学校
高等専修学校
専修学校・各種学校(自動車学校を除く)
日本語学校・外国語学校
学習塾
英会話教室
音楽教室
囲碁・将棋教室
生け花・茶道・書道
・絵画教室
そろばん教室
バレエ教室
体操教室
ホテル
旅館
ホテル(集会の用に供する
部分に限る)
・県ガイドライン等の順守
・他府県等からの受入自粛
旅 館(集会の用に供する
部分に限る)
商業施設(1,000平方メートル超) ペットショップ
(ペットフード売場を除く)
・県ガイドライン等の順守
・他府県等からの受入自粛
ペット美容室(トリミング)
宝石類や金銀の販売店
古物商(質屋を除く)
金券ショップ
おもちゃ屋、鉄道模型屋
囲碁・将棋盤店
土産物店
旅行代理店(店舗)
アイドルグッズ専門店
ネイルサロン
まつ毛エクステンション
スーパー銭湯等
サウナ
エステサロン
日焼けサロン
脱毛サロン
写真屋・フォトスタジオ
美術品販売
展望室


 しかし、大阪と違って、これは辛いところでありますが、和歌山は、大阪の方々が遊びに来てくださるところです。従って、和歌山の人たちが利用するのはいいけれども、法律的にはそんなもの自粛要請しちゃいけないようなものばかりですが、「県外からのお客様は、ご遠慮ください」というようなところについては、引き続き残します。これは、政府の考え方が、県外は一律に5月31日までは自粛しろということなので残します。従って、大阪よりも、もっと厳しい自粛を続けなきゃいけないというのが現状です。

特に強く県外からの受入自粛を依頼する施設
対象 依頼の内容
道の駅(地域振興施設に限る)
農林水産物直売所
特に強く県外からの受入自粛を依頼
自動車教習所・自動車学校
キャンプ場、海水浴場、海浜公園、釣り公園その他類する施設
釣具・えさ店
遊漁船
内水面遊漁承認証販売所
ゴルフ場
ホテル又は旅館
(宿泊の用に供する部分)
従来から県外のお客様が多い飲食店及び販売店


 ただし、その営業を認めるところ、それから、元々営業自粛なんかしていないところ、それに関わらず、感染予防の徹底のために、業界と県でお互いに合意してガイドラインを作っていこうということで、これは今晩中にホームページにアップするようにいたします。
 従業員に対しては、発熱等があるときは、出勤は控えさせて受診を勧めてもらいたい。在宅勤務、時差出勤をぜひ活用させてあげてください。
 それから、小規模なイベントについては、全部駄目ということにはしませんので、さっき言ったような感染防止のための工夫をして実施ということであります。

 それから、やっぱり大事なのは、集団生活をしている方々。

フリップ7

 これについては、引き続き、注意をして欲しい。愛媛県では、感染者がもうほとんどゼロになったのに、病院にウイルスを引き込んだので、いっぺんにたくさんの患者を出してしまったんです。病院もそうだし、特に高齢者福祉施設や障害者施設とか、そういうところは、和歌山県も一つクラスターを作ってしまいましたが、本当に注意してもらいたいということで、引き続き、お願いしたいと思っています。

 次に、県外とどう付き合うかということです。

フリップ8

 改めてもう一度、他府県等には遊びに行かないようにお願いしたい。通勤や通学、これはやめるわけにいきませんけど、テレワークやオンライン授業などで対応してもらいたい。
 それから、和歌山県のドル箱ですけど、他府県からの来客は、引き続き受け入れを自粛してもらいたいということです。
 休業要請については、先ほど申しあげたとおりです。

 次に、本日は、学校の休業については変更いたしません。

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 従って、5月31日まで臨時休業の状態を維持します。市町村立、或いは私立学校にも同じような措置を要請します。ただし、健康管理と家庭学習の指導をしなければいけませんので、登校日を設定して、できるだけ感染のおそれを減らすようにして、登校日は、時々やってもらおうと思っています。

 こういうふうに、段階的でありますが、自粛レベルを緩めてよろしいということを我々は言ったのですが、その時に、和歌山県における自粛をずっと緩めっぱなしでまた感染が起こったらどうするんですか、という心配は誰でもします。だから我々は、再自粛要請基準を作っておこうと思います。

フリップ10

 皆さんから、自粛要請の解除基準を作らないのかと言われたのですが、和歌山県は、他の県の解除基準なんて初めから入口にも入ってませんというふうに言いましたが、やっぱり心配なのは、もう一度感染者が増えてきた時が心配なので、自粛要請の再起動基準を作っておこうということです。
 これには二つあって、近隣府県でまたぶり返したという時は、そこで新規陽性患者が、1日40人以上、複数日で発生したら、県外の受け入れ自粛を強化しないといけないということになります。それから、和歌山県自体がたくさん発生するようになったら困るということで、4つの基準をつくりました。新規陽性者数が1日5人以上、複数日で発生。肺炎患者陽性率が5%以上。新規感染陽性率が5%以上。それから、病床使用率が、これ重傷者だけじゃなく全員ですが、要するに、患者さん全員について、病床使用率が50%以上。ホテルとか自宅療養とか、そんなことは一切考えなくて、病院だけで勝負して50%以上に使用率が上がったら、ちょっと危ないということで、不要不急の外出自粛と営業自体の自粛を要請するというふうに初めから決めておこうと思っております。
 以上が本日決定したことであります。

 最後に、ここまできましたことについて、お礼を申し上げたいというふうに思います。まず、和歌山県も含めて、感染者数がガクッと減りました。
和歌山県ではそんなに多くないけど、バラバラと出ていたのが、本当にガクッと減りました。減ったのは、もともと、保健医療行政がちゃんとしていたわけですが、それでも減ったということは、県民の皆さんが、自粛にご協力いただいて、賢明な生活をしてくださったからです。これは、本当にお礼を申し上げたいというふうに思います。
 次に、すべての医療関係者の皆さんに、本当に一生懸命やってくださってますので、感謝申し上げたいというふうに思います。
 三つ目に、あまり世の中では言われない人たちが、実は社会を支えるために頑張ってくれています。例えば、感染が拡がっているらしいと世の中でいっぱい話題になっているときに、スーパーのレジで、ちゃんと品物の受け渡しをしてくれてる人がいます。それから、物品を配達をしてくれる人、余所の地域から、それを運んできてくれているような人達ってたくさんいます。それから、子供にうつさないかと心配しながら保育園や幼稚園で一生懸命頑張ってくれているような方々。それから、福祉施設で、これまた、うつさないかとか、自分は大丈夫かなと心配でしょうがないけれども、頑張って、その福祉の現場を支えてくれた方々。こういうたくさんの方々の犠牲的な精神と努力によって、ここまできたということを、改めて感謝を申し上げたいと思います。

 そういうことで、ようやくここまで来たこの事態ですから、さらに無茶苦茶にならないように、県民の方々とともに頑張っていきたい、こんなふうに思うわけであります。以上です。』

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