知事からのメッセージ 令和2年1月31日
知事からのメッセージを紹介します。
令和2年1月31日のメッセージ
他県では
県政を議論している時に気になることの1つによその県ではどうしているのだろうかということがあります。
和歌山県では、東日本大震災の悲劇を検証したり、被災県を助けに行ったりした時の経験から、また同年の紀伊半島大水害やその後の度重なる台風や水害の時の手ひどい痛みから、最新のテクノロジーやコンピュータシステムを取り入れて、自分で言うのも変ですが、レベルの高い防災システムを持っています。
海洋研究開発機構と共同開発をしたDONETを使った地震発生時の潮位の実測に基づく津波の到達予測など、たくさんの工夫があって、他の県でも役に立つはずだから、国や他県も真似をしたらよいのにと思うし、日本人としてそれは歓迎する所ですが、あまりそういう動きにはなりません。
和歌山県は、他県のいいシステムはどんどん採用しようとして、随分成果を上げているものもあります。このように、人のいい所はどんどん取り入れたらいいと思うのですが、そのためには、我々はいつもアンテナを高くして、世の中の動きや仕組みを勉強していなければならず、このことは、自分が努力するのみならず県の職員にも奨励しています。
一方、この勉強が、片寄っていたり、評価する能力がないと、何でもよそのものがよく見えて、「◯◯では、こうだ」と、本当は自分の方が進んでいるのに、卑下したり非難したりすることも起こりがちです。こういうのを「出羽(では)の守(かみ)」と言います。
一方、せっかく先進的で建設的なことを企画しているのに、横並びばかり気にして、他県がやっていないとそこへ進む勇気が持てないというようなケースもよく目にします。
「全国ではまだ3分の1ぐらいの県しか採用していないので時期尚早かと」といった類です。
このように「他県では」といった考えは、いい場合も悪い場合もありますが、すべての場合に、まず周りのことも自分のこともよく勉強し、その利害得失を理解し、やろうと思ったら「千万人と雖も吾往かん」の勇気が必要でしょう。