知事からのメッセージ 令和元年11月13日

知事からのメッセージを紹介します。

令和元年11月13日のメッセージ

あふれる情熱はじける笑顔
-ねんりんピック紀の国わかやま2019-

 2019年11月9日から12日まで、和歌山県で第32回全国健康福祉祭和歌山大会=ねんりんピック紀の国わかやま2019が開催されました。これは一言で言うと「60歳以上の国体」でありますが、併せて、若干の文化系種目も付け加わった、全国レベルの大会です。和歌山県では2015年に国体と全国障害者スポーツ大会「紀の国わかやま国体」と「紀の国わかやま大会」を開催し、大いに盛り上がりましたが、県民の中のこのスポーツへの関心をずっと持ち続けてもらうためにどうしたらよいかを考えて、いわゆるマスターズスポーツ、年を重ねた人のスポーツ大会をシリーズで和歌山で開催することにしました。
 国体から2年おきに、2017年には陸上、卓球、柔道の全日本マスターズの大会、2019年にはこのねんりんピック、2021年にはワールドマスターズゲームズ2021関西(共同開催)を誘致することにしました。

 ねんりんピックは総合開会式、総合閉会式の行われる和歌山市の他、各交流競技種目は、出来るだけ和歌山県内の多くの市町村に散らばるようにアレンジを致しました。そして、大会の主旨である健康、福祉、いきがい関連のイベントとしてわかやまねんりんフェスタを和歌山県内の各会場で行いました。その主会場である和歌山ビッグホエールでは各健康、福祉団体の楽しい出展、イベントのほか、熟年の方々のファッションショーに来場者が胸をときめかし、子供さんも交えてふれあいニュースポーツに興じる人も大勢来ておられました。
 全国から約1万人の方々が選手、監督として参加してくれましたが、国体の場合、選手の方々は、競技や練習に熱中するあまり、風物を味わったり、周辺を旅行したりするという余裕はないのに対し、ねんりんピックの場合は、むしろ1年に一度の旅行の楽しみを満喫する方もたくさんおられます。和歌山県民も、そういう方々をおもてなしでお迎えするよう様々な活動に参加をしてくれました。

 初日の総合開会式を紀三井寺公園陸上競技場で行った後、選手団は各地にバスなどで散っていきます。二日目からは各地で熱戦です。私も何種目かを拝見しましたが、69歳の私よりもずっとお年を召した方々を含め、はつらつとしたプレーは日頃の鍛錬ぶりを物語っていると思いました。

 しかし、何と言ってもねんりんピックで最大のクライマックスは総合開会式です。式典前アトラクション、入場行進や炬火、宮様の御言葉と続く式典、そしてメインアトラクションと続きますが、国体と違って、入場行進を果たした各都道府県、政令市選手団が式典後、観客席に移ってメインアトラクションを皆で見るという趣向になっています。これなど、選手ファーストという思想が生きていると思います。

 式典前アトラクションも中々見物でした。紀州の誇る雑賀、根来、真田の3鉄砲隊の号砲の後、和歌山で盛り上がっているよさこい踊りチームが総出で舞ってくれ、マーチングバンドに続いていよいよ式典開始です。
 皇族の代表として、三笠宮家の彬子女王殿下がご臨席になられ、全国の大選手団が堂々の入場行進を果たしました。国旗、大会旗、県旗の掲揚に次いで、炬火の入場です。5人のランナーは、前の東京オリンピックの体操団体と吊り輪の金メダリスト早田卓次さん、バルセロナからシドニーへの3大会に野球のエースとして活躍した銀、銅メダリストの杉浦正則さん、ロンドンオリンピックのレスリング銅メダリスト湯元進一さん、そして次の東京オリンピックの活躍が期待されるフェンシングの東莉央さん、晟良さんの姉妹に炬火が引き継がれました。世代を超えてスポーツの火が引き継がれるという意味を込めました。そして東姉妹によって点火された炬火台の火は、ねんりんピック史上初のクリーンエネルギー、水素です。岩谷産業の大変な御厚意で実現しました。
 主催者等の挨拶の後、彬子女王殿下の御言葉がありました。心温まる素晴らしい御言葉で感動しました。「あふれる情熱はじける笑顔」和歌山宣言の後、岡本玲さん、小久保裕紀さん、小林稔侍さんのビデオメッセージのあと、いよいよメインアトラクションの始まりです。
 メインアトラクションの演出には主催者の私たち和歌山県庁は最も神経を使いました。先催県の色々なケースも勉強しましたが、お国自慢の伝統芸能などの集まりといったものが多く、テーマ遡及性が感じられない、劇場型の演出がないものが多いなあと感じていました。そこで、すぐにプロダクションやPR会社に丸投げしないで、県庁内で今回のねんりんピックのテーマに則したストーリーをじっくり考えました。タイトルは、「紀の国わかやま“夢と人生”の讃歌」です。和歌山の県名には歌が入っていますから、ねんりん世代のこれまでの夢と人生を四季折々の歌で繋ぐ歌物語を紀三井寺競技場のアリーナいっぱいに繰り広げようというわけです。天翔りいらさんの語りに合わせて春の歌は子供のとき、夏の歌は青年のとき、秋の歌は大人のとき、そして冬の歌はねんりんのとき、ここでは和歌山出身の坂本冬美さんが夢の人生をずっと送ってこられたねんりん世代にエールを贈る曲「ただいま故郷」を熱唱してくれました。会場が感動でしーんとなりましたが、これでは終わりません。夢の歌~みんなのときが待っています。坂本冬美さんから選手団へ夢を持ち続ける大切さを伝え、すべての出演者、全観客が「よろこびの歌、ベートーヴェン交響曲第9番」を大合唱してくれました。
 出演してくれた和歌山県民は、総勢3300人、ねんりんピック史上最大の人々が、踊りながら希望を高らかに歌い上げてグランドフィナーレです。
 本当に多くの方々がこの日のために協力してくれました。小さな子供さんから、ねんりん世代の方々まで、その方々の夢と人生の讃歌が鳴り響いた時、感謝の念で目が潤みました。
 多くの県民が、せっかくの総合開会式をニュースでちょっとだけというのでは申し訳ないと、テレビ和歌山に当日フルタイム実況生中継をしてもらいました。これもねんりんピック初試みです。あれはよかったねえという声が実際に会場にいた全国の選手団からも、テレビをご覧になった県民からも随分いただいています。それでも見損なったという方には、テレビ和歌山で12月1日(日)の12時から再放送を予定しています。また、記録用のDVDをご用意しますので、詳しくは県庁のねんりんピック推進課にお問い合わせください。

 数え切れないほどの方々がボランティアやスタッフとして参加してくれました。各競技団体も総出で各競技大会を運営してくれました。県民、市民の方々も清掃に、花づくりに、選手団の諸々のガイドに大いに協力してくれました。本当にありがとうございました。

 11月12日の総合閉会式は、県民文化会館です。メインアトラクションは、天翔りいらさん主演の「がんばれ!!前畑秀子物語」、りら創造芸術高等学校の諸君が全面的に協力してくれました。

 そしてねんりんピックの大会旗は来年の開催県岐阜県に。私から古田知事にしっかりと大会旗を手渡しました。

 この素晴らしいねんりんピックよ 永遠に

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