知事からのメッセージ 令和元年10月1日
知事からのメッセージを紹介します。
令和元年10月1日のメッセージ
臨機応変
臨機応変という言葉があります。辞書によりますと、場合に臨み変化に従って適当な手段を執ることとあります。今私は県庁行政のトップなので、本当は県庁の職員はよく仕事をしてくれていると思っているのですが、どうしても職員の行動が気になります。そこで思うことはこの臨機応変に行動ができていない事が多いなあということです。会議やイベントの段取りとか、司会ぶりとかの面で、その場の事情の変化とか参加している人の思いとかを斟酌(しんしゃく)することなく、予(あらかじ)め決めておいた行動しかしないということが目に付きます。その予め決めておいたことも、その時の状況を考えて特別に作ったものではなくて、ずっと以前からの前例踏襲、決まり切った慣例句という場合が多くて、聞いている人、参加している人の胸に響きません。
私は、その場に応じて、参加者の意向、気持ちなどを考えて、ものの言い方を変えたり、説明を短くしたり、反対に詳しくしたりしているつもりなのですが、見ていると、そういう対応をしている人はそう多くないように思います。おそらく担当の人は、こういう大事な役割は無事早く終わらせてほっとしたいと思っていると思いますが、そうすると、ともすれば、やっている仕事は、プロ野球の優勝が決まった後の「消化試合」みたいになって、誰にとってもつまらないものになるのではないかと思います。
私は、人生は日々の感激だと思っているのですが、消化試合を続けていると、こういう感激は味わえないと思います。そうすると同じ一回限りの人生だから大損です。しかし、臨機応変はそうたやすくありません。イベントなどの段取りの場合に限らず県全体の政策形成においても臨機応変が求められますが、それを実行するためには、政策課題への理解、県民の意向、あるいは社会情勢や世界の動きまで視野に入れないといけません。いつも一生懸命自分の頭で考えて、そうだと思ったら勇気をもって行動をしないといけないと思っています。