知事からのメッセージ 令和元年6月1日
知事からのメッセージを紹介します。
令和元年6月1日のメッセージ
官僚バッシングの功罪
私は今、県庁職員4000人ほどの職員の官僚のトップです。積年の課題山積の和歌山県ですし、県民のためにはあれもやろう、これもやろうとすぐ言い出す知事のもと、全庁を挙げて今までの政策や事務がこれで良いのか、新政策として何をやらなければならないか一生懸命皆が考えてくれ、実行してくれているので皆大変です。しかも、県財政の破綻を防ぐため、私の就任時より9%人員が少なくなっていますから、本当に皆よく働いてくれると思います。
しかし、県民の眼は厳しいのです。古来公務員に対する人々の眼は厳しいものです。会社のように倒産やリストラで失業することもないし、余程のことがないとクビにもなりませんから、そのおそれを常に抱いている非公務員からは、批判の眼が厳しくなるのは当然です。公務員と言えども人間ですから、中にはよからぬ事をする輩(やから)もいるでしょうが、それに加えて、どうも昨今は、特に国家公務員に、おそまつな仕事とか、気の緩みとしか思えない蛮行とか、たちの悪い不正行為などが多いように思います。世間はよく見ていますからこれらはマスコミを通じて赤裸々に報じられるのです。また、官僚が横暴だ、越権行為だ、生意気だと言われることも多いようです。このような風潮の中、我こそはと思う意識の高い学生さんが公務員を敬遠しているそうです。それも我が国が益々(ますます)劣化するようで心配です。
私も結構劣悪な境遇で、ずっと滅私奉公をしてきたし、採用担当であった時は、志の高い学生諸君にたくさん通産省に来てもらいました。どうして、それが可能だったかなあと時々思います。答は、昔は世間がよく誉(ほ)めてくれたからではないでしょうか。その一種のおだてに乗って頑張ってしまったということでしょうか。
不正や不適切な行為を官僚がしたら遠慮なくバッシングをするのは当然ですが、なかなか頑張っているなあと思ったら、誉めてあげるのも人情ではないかと思います。
一番心しなければならないのは私でして、県庁職員が県民の幸せのため懸命に努力してくれたら、大いに誉めなければならないと思っています。