知事からのメッセージ 平成30年12月11日

知事からのメッセージを紹介します。

平成30年12月11日のメッセージ

高齢者等の見守り ありがとうございます

 和歌山県は高齢化比率の高い県ですが、特に一人暮らしの高齢者の世帯が多い県であります。昔々ならば、隣近所も賑やかですから、一人暮らしのお年寄りが体調が悪くなったような時でも、近所の人々がぱっと気が付いて然るべき連絡をしてくれたと思うのですが、今の世では、中山間部は過疎ですから、そもそも近くに人が住んでいない可能性があるし、町の中でも、人々がそれぞれ孤立して住んでいて、隣近所の方が気が付いてあげるという可能性はうんと低くなっていると思います。

 人間は誰でも気分が悪くなったり、体調がうんと悪くなったり、重病になったりすることはあると思いますが、その時家族なり、近所の方なりが気付いてうまく世話をしてあげたら大事に至らなくても、それが期待できない一人暮らしのお年寄りなどがそうなったりすると大変です。処置が遅くなって命に係わることもあるでしょうし、もっと悲惨なのは、お亡くなりになった後、誰も気が付かないで放置されるということかと思います。

 そこで和歌山県では2つの事を始めました。
 1つは、地区の有力者、あるいは民生委員などをして下さっていた人に、地域のお年寄りなどが大変なことになっていないか見守ってもらう地域見守り協力員制度を作りました。
 もう1つは、新聞、郵便など、様々な職種の方々が、個別のお宅を訪問する仕事をしておられるのですが、こういう方々にお願いして、これはちょっとおかしいと思った時に市町村や警察などの当局に大至急知らせてもらう制度を作ったことです。これを民間事業者との見守り協力制度と言うのですが、何回かに分けて、協力してくれる組織をどんどん増やしていっておりまして、今や次のような団体・企業の方々が、お届け物や集金や検針にお宅を訪問したとき、異変に気付いたら報告してもらえるようになっています。


団体名

  • 関西電力株式会社和歌山支店 
  • JAグループ和歌山(県内全JA)
  • 社団法人日本新聞販売協会和歌山支部・紀北支部・紀南支部
  • 日本郵便株式会社(県内全郵便局)
  • 和歌山ヤクルト販売株式会社
  • 佐川急便株式会社和歌山営業所
  • 西濃運輸株式会社和歌山支店
  • ヤマト運輸株式会社和歌山主管支店
  • 一般社団法人和歌山県LPガス協会
  • わかやま市民生活協同組合


 前者は平成21年度から、後者は平成25年度から始めましたが、お陰様で皆さん大活躍をして下さり、多くのお年寄りの命を救ったりして下さいました。
 そのご尽力に敬意を表し、感謝を申し上げるために、10月24日「高齢者等の見守り活動功績者」24人に対する知事感謝状の授与式を県庁正庁で行わせていただきました。
 本当にありがとうございました。
 皆さんとともに、このようなご尽力をして下さった方々にお礼を申し上げたいと思います。

以下にそのような恩人の功績を記します。

協定締結民間事業者の社員・会員等(人命救助に関わった方)

協定締結民間事業者の社員・会員等(人命救助に関わった方)
氏名 功績概要 協定締結事業者
中尾(なかお)  泰博(やすひろ) 平成29年1月、新聞が新聞受けにそのまま残っていると配達員から連絡があり、女性(90歳代)宅を訪問
応答がなかったので、近所を回って自治会長や民生委員に相談し、和歌山市消防本部に通報
救急隊員が2階の窓から室内に入り寝室に横たわっている女性を発見
救急搬送され、手当を受けて回復した。

公益社団法人
日本新聞販売協会
和歌山支部

(朝日新聞和歌山販売株式会社)

長原(ながはら)  純一(じゅんいち) 平成30年1月、新聞が新聞受けに溜まっていると配達員から連絡があり、女性(70歳代)宅を訪問
玄関が閉まっていたため、裏口にまわったところ、ガラス扉越しに倒れている女性を発見
裏口が開いていたため家に入り、救急車の要請を行い、病院へ搬送され、手当を受けた結果、一命をとりとめた。

公益社団法人
日本新聞販売協会
紀北支部

 (読売センター橋本東)

栗生(くりう)  久也(ひさや) 平成27年10月、集金で女性(80歳代)宅を訪問した際、体調が悪いと訴えがあったため、新聞配達を中断して、御坊市内の病院まで搬送
後日、家族(娘)の方が「病院まで送っていただきありがとうございました。」とお礼に来た。

公益社団法人
日本新聞販売協会
紀南支部

(有限会社読売新聞紀中販売本店)

中山(なかやま)  直人(なおと) 平成29年1月、一人暮らしの女性(80歳代)宅で新聞受けに前日分の新聞が残っていることに気づき、家族(娘)の方に連絡
家族の方が窓ガラスを割って中に入り、体調を崩して動けなくなった女性を発見
後日、家族(娘)の方が「もう少し連絡が遅くなっていたらどうなっていたか。」と感謝の言葉をいただいた。

公益社団法人
日本新聞販売協会
紀南支部

(有限会社読売新聞紀中販売広川店)

小川(おがわ)  秀樹(ひでき) 平成30年4月、車と接触事故に遭われた女性(80歳代)を目撃
予め、担当エリアの年配の方の名前を覚えて、何かあれば連絡できるよう心がけていたため、すぐに駆け寄り、ご本人の名前で声を掛けるとともに、警察・救急車を手配
後日、家族(娘)の方から「名前で声かけしてくれたことで、本人も安心したようです。」とその時の対応について感謝された。
ヤマト運輸株式会社
和歌山主管支店
辻垣内(つじがいと)  (あつし) 平成30年4月、足腰が不自由な女性(80歳代)宅を訪問した際、「暑くて何も食べておらず、脱水症状のような状態になり身動きが出来ない。」と訴えがあったため、隣の大家さんに相談し、家族(息子)に連絡を取るとともに、救急車を手配
大家さんが同乗し病院に搬送した。

JAグループ和歌山

和歌山県農業協同組合中央会

(わかやま農業協同組合)

(はら)  貴規(たかのり) 平成29年8月、集金のために訪問した際、倒れている女性(80歳代)を発見
脱水症状のようであったため、冷房をつけ、冷たい水とパイナップルを食べさせた。
県外に住む家族(娘)に連絡をとるとともに、症状が落ち着いてくるまで付き添い、駆けつけてくれた近所の方に引き継いだ。
宮本(みやもと)  祥多(しょうた) 平成29年8月、集金のために訪問した際、返事が無かったため、部屋を覗くと倒れている女性(80歳代)を発見
意識はあり話ができたものの熱中症のような症状で、「しんどい」と訴えがあったため、支店に連絡をとり支店長の車に乗せ労災病院まで搬送
その後一緒に住んでいる家族(息子)に連絡をとり、家族が病院に到着後、引き継いだ。

宮本(みやもと)  貴夫(たかお)

平成29年1月、一度転倒したら自分の力では起き上がれない足の不自由な女性(80歳代)が玄関先でうつぶせに倒れているところを発見
家の中に運び、用事があるときの連絡先として聞いていた家族(娘)に連絡を入れ、帰ってくるまで一緒に付き添った。
谷岡(たにおか)  英樹(ひでき) 平成26年7月、女性(90歳代)宅を訪問した際、玄関で声を掛けたが返事がなく、裏口の方で物音がしたため回ってみると、倒れている女性を発見
救急車を呼ぶとともに、近所の人にも協力を求め、近所の人が同乗して救急搬送
女性は裏口で転んで頭から出血していたが意識はあり、その日のうちに帰宅された。

JAグループ和歌山

和歌山県農業協同組合中央会

(紀南農業協同組合)

木村(きむら)  真一(しんいち) 平成25年5月、一人暮らしの男性(69歳)宅に郵便を配達した際、様子がいつもと違うことに気付づき、すぐに民生委員に連絡
民生委員が親族に連絡をとり、病院に搬送
重篤な状態(脳梗塞)であったが一命をとりとめた。

日本郵便株式会社

(橋本郵便局)

西本(にしもと)  博之(ひろゆき) 男性(60歳代)は、以前より病気がちで床に就いていることが多く、郵便配達時には、常に声かけを行い、対面配達を心がけていた。
平成30年2月にも声かけをして、配達をしようとしたところ、反応がなかったため、家の中を確認。床に就いていたが、その様子がおかしかったため、役場に連絡
役場から救急要請を行った。

日本郵便株式会社

(串本郵便局)

西﨑(にしざき)  美紀(みのり) 平成25年5月、電気メーター検針の際、玄関が少し開いており電気も点灯していたが、新聞が溜まっている家を発見
帰社後、現場の状況から在宅している可能性が高いにも関わらず新聞が溜まっていることを不審と判断し、検針整理者に報告し、再度、現場訪問へつなげた。
関西電力株式会社
和歌山支社
青木(あおき)  政浩(まさひろ) 検針人からの報告を受け、現地を訪問
玄関(引き戸)が少し開いており、声をかけても反応がなかったが、電気やテレビが点いていた。
不審に思い玄関を開けたところ、玄関でうつぶせに倒れている男性(60歳前後)を発見
声をかけたが起きる気配がないため、救急車の手配を行い、救急搬送された。
小川(おがわ)  直樹(なおき)
南畑(みなみはた) 由美子(ゆみこ) 平成29年6月、一人暮らしの男性(77歳)宅を訪問
いつもは、バイクの音に気付いて玄関まで出て来てくれるが、声かけしても反応がなく、新聞受けに新聞が溜まったままになっていたことからおかしいと思い、上司と地域包括支援センターに連絡
地域包括支援センターから警察に連絡し、警察が、自宅で倒れているところを発見
その後、救急車で運ばれ、一命をとりとめた。
和歌山ヤクルト
販売株式会社

地域見守り協力員(人命救助等に関わった方)

地域見守り協力員(人命救助等に関わった方)
氏名 功績概要 対象市町村
大家(おおや)  多賀子(たかこ) 平成22年1月の制度開始当初から地域見守り協力員として活動するとともに、ふれあいサロンの代表としてコミュニティづくりに尽力されている。
平成28年の秋、普段から交流のある方が地域ふれあいサロンを欠席されたので、様子が気になって他のメンバーとともに訪問
返事がなく、普段と違う様子だと感じため、息子さんに電話で連絡
到着した息子さんに、脳梗塞で倒れている状態で発見され、病院へ緊急搬送され、一命をとりとめた。
橋本市
板平(いたひら) 英二郎(えいじろう) 平成22年1月から地域見守り協力員として、民生委員・児童委員と連携しながら、地域の住民とより良い関係を築き、高齢者の異変を細やかに気づき、早急な対応ができるよう努めている。
平成30年2月、担当地域の男性(60歳代)が病院に行く曜日に、車があったため、異変を感じ、民生委員とともに訪問
玄関が閉まっていたため、裏口から入ったところ、意識がない状態でベッドに寝ているのを発見
警察、消防に連絡する等、迅速な対応を行い、一命をとりとめた。
岩出市

地域見守り協力員(長きにわたり活動し、他の協力員の模範となる方)

地域見守り協力員(長きにわたり活動し、他の協力員の模範となる方)
氏名 功績概要 対象市町村
山口(やまぐち)  幸代(ゆきよ) 平成22年1月から地域見守り協力員として、地区民生委員と連携し高齢者等の見守りを行っており、配慮が必要な高齢者を熟知している。
自営業での配達時には、積極的に声かけを行うなど、面倒見の良さから地域住民より厚い信頼を得ている。また、地区サロンや更正保護女性会等へも参加し幅広く地域の福祉活動に尽力している。
海南市
玉井(たまい )  (たかし) 民生委員・児童委員として平成13年12月から9年間活躍され、在任中に創設された「見守り協力員制度」についても2名を協力員に推薦する等、制度の推進に協力的である。
また、民生委員退任後の平成22年12月からは、地域見守り協力員として現在まで活動しており、地域福祉の向上のため尽力しており、他の委員の模範となっている。
田辺市
中尾(なかお)  早子(はやこ) 平成22年1月から地域見守り協力員として、民生委員・児童委員と協力し、地域住民の立場に立って相談、支援活動を展開するとともに、定期的に、一人暮らしの高齢者や障害者への慰問や介護相談に取り組んでいる。
また、地域の行事や高齢者サロンにも積極的に参加し、地域の良き相談相手としての役割を果たしており人望も厚い。
紀美野町

中谷(なかたに)  至告(よしつぐ)

平成22年1月の地域見守り協力員制度発足当時から地域の巡回、声掛けを行っており、災害時には、避難所への誘導及び行政の連絡役として尽力している。
また、ボランティア活動も積極的に行い、小辺路の清掃や語り部等、幅広い活動を通して築いたネットワークを見守り活動にも活かす等、地域の良き相談役として活躍している。
高野町

坂口(さかぐち)  計夫(かずお)

平成22年1月の地域見守り協力員制度開始当初から現在まで地域見守り協力員として活動され、地域福祉の向上に貢献されている。
地区では、様々な役員を任されており、地元区民から絶大な信頼を得るとともに、公的な役職も多く任され、行政とのつながりも持っている。
常に民生委員と連携しながら、区民宅への訪問を定期的に行っており、一人暮らしの高齢者をはじめとした見守りが必要な世帯を的確に把握している。
湯浅町
(なか) 清弘 (きよひろ) 平成22年2月から地域見守り協力員として活動され、担当地区の高齢者、障害者、その他孤立している世帯を把握しており、困難に陥ってないか等、きめ細やかに地域で見守り活動を行っている。
また、山口、稲原、稲原西、切山の4地区からなる稲原地区において、9名の見守り協力員や民生委員・児童委員と連携しながら活動する姿勢は、稲原地区の見守り協力員のリーダー的な存在である。
こうした姿勢から、地域住民の信望も厚く、他の協力委員の模範である。
印南町

このページの先頭へ