知事からのメッセージ 平成30年5月
知事からのメッセージを紹介します。
平成30年5月のメッセージ
平成30年5月
君死にたまふことなかれ
有名な与謝野晶子さんの言葉です。日露戦争時、国民がロシア憎しで大変好戦的になっている時、それでも若者を死に追いやってはいけないという反戦のメッセージだったと思います。私はこの言葉を自殺者が出たという報に接した時に思います。つい最近も近畿財務局の職員が自殺したとのニュースを見た時思いました。きっと名状すべからざる辛(つら)い状況にあったが故のことと思いますが、自ら命を絶つ以外の途(みち)はなかったものかと暗たんとなります。
実は和歌山県は日本全体の平均よりも自殺死亡率の高い県なのです。高齢者も多いのですが、最近では若者の自殺も増えています。これは断然良くないことですから、目下県では『自殺対策計画』を考えて、何とか問題を抱えている人に生き抜いてもらおうとしています。いじめ、不登校への対応、相談体制の充実、経済的困窮者対策、精神保健医療サービスの体制整備、それに自殺未遂者への支援体制整備など多岐にわたりますが、さらに白浜で自殺を思い留まらそうという運動にずっと携わっている藤藪庸一さんのグループなど、多くの市民活動の方々とも協力していかなければなりません。
私自身人生の本当の修羅場をくぐり抜けてきたか疑問ですから偉そうなことは言えないのですが、高校生の諸君に講演をする時など、和歌山の宝物であるこの子達に万一のことが起きてはいけないと、いつも3つのことを言うことにしています。
一つめは「日々の感激に生きよう。」辛い事が続く中にも小さな喜びはあるはずだということです。
二つめは「いつか終わる。」絶望的になるような辛い事が続いても、それは、いつか終わるからということです。
そして三つめは「まあいいか。」失敗してくよくよしてつぶれるな、また別の良いことがあるよということです。