知事からのメッセージ 平成30年4月
知事からのメッセージを紹介します。
平成30年4月のメッセージ
平成30年4月
羽生結弦選手の言葉
冬の平昌オリンピックは、数々の熱狂と感動を我々にもたらしてくれました。たくさんの名勝負、そしてその後の感涙を誘うようなアスリートの立派な行為や名文句がありました。何事でも一生懸命取り組んでいる人の行動や言葉には深く、重いものがあるなあと思いました。
その中の一つに羽生結弦選手の言葉がありました。羽生選手は、オリンピックのフィギュア種目で66年ぶりの連覇達成という快挙を成し遂げました。その恐ろしいまでに研ぎ澄まされた妙技は世界中の人に鳥肌が立つような感動を与えました。しかし、少なくともほとんどの日本人は、その羽生選手が昨年11月のグランプリシリーズNHK杯の直前練習で右足首の靱帯(じんたい)損傷という大怪我を負って、一時はオリンピックへの出場すら危ぶまれる状況にあったということを知っています。しかし、彼は懸命にリハビリに努め、何とか回復をオリンピックに間に合わせ、堂々と舞い、跳び、そして金メダルを獲得したのです。
その羽生選手がテレビでこう語っているのを聞きました。「正直に言えるのは、もし何もなくて、NHK杯で怪我をするまで順風満帆で何もなくうまくいっていたら、たぶん今回のオリンピックでは金メダルを獲れていなかった。」。あの怪我があり、必死のリハビリをし、その間自分を見つめ直したからこそ、さらに大きくなって金メダルを獲れたのだと言っているのです。重い言葉だと思いました。
人生は失敗と困難の連続です。でもそれを経験しながら、その原因を考え、改めるべきは改め、懸命の努力をしてもっともっと自己を高めていく者に、栄冠が微笑(ほほえ)むのだということを羽生選手の言葉はよく物語っていると思います。成功の反対は失敗ではなく、何もしないことだとも言われます。失敗をおそれて何もしない、これだけは県政ではしないようにしていきたいと思います。