知事からのメッセージ 平成29年12月

知事からのメッセージを紹介します。

平成29年12月のメッセージ

平成29年12月

「事業者の皆さま産業施策がもっと活用しやすくなります」えらい!

 標記の「事業者の皆さま産業施策がもっと活用しやすくなります」は11月27日に記者発表をしたタイトルでありまして、和歌山県の商工観光労働部の諸君が、国、県等の散在する産業施策を一発検索できるWEBサイト「わかやま企業応援ナビ」を作ったぞというものであります。

 和歌山県は、自らは大変貧乏でありますが、なけなしの予算などをはたいて、なかなかの(自分で言うのも恥ずかしいが)産業振興策を作り上げています。その中味は、助成、金融、税制、相談等々多岐に亘るものでありますが、そのフィロソフィーは、民間の事業者が、やる気を出して自らも何がしかのリスクを取ってがんばろうという時に利用し、いわば後ろから押してあげて、発展のきっかけを掴んでもらおうというようなものでありまして、高度成長期以来の通商産業省の産業振興政策からヒントを得たものであります。

 ただ、いくらいい政策手段を用意しても、産業界の方々がそれを認知して、自らの行動に組み込んでくれなければ意味がありません。そこで、和歌山県では7年前から政策カタログを作って、事業者など広く県民に周知を図っています。その際、自分の政策手段だけを言いがちですが、和歌山県では、県の独自の政策のみならず、国や、国の機関などの政策で役に立ちそうなものを調べてきて、全部載せることにしました。さらに、このカタログを持ってそれぞれの産業界に宣伝をして回る人を指名することにしました。これを産業別担当者といい、人事異動がある4月には、明確に任務を与えてあるのです。私はかつての通産省の強みは、単に政策手段だけを作り上げただけでなく、それをそれぞれの産業界に伝えたり、逆に産業界の政策ニーズを引き上げて来る専門の部局を持っていたからであると思っています。これがいわゆる物資所管原局、通称原局と言われるもので、この組織のおかげで、政策が空回りになるのを防げたと思います。そこで、県庁に原局を置こう、これが知事に就任した時の私の思いでありました。地方公共団体の組織はすべて政策手段所管をもとに出来上がっています。和歌山県も例外ではありません。しかし、これでは職員が政策手段を抱えたまま座してしまう恐れがあります。少なくとも政策手段を利用したいという人への待ちの姿勢になってしまうのであります。待っていて、その政策手段を使うにふさわしい人が現れるかというと、それはむしろ例外で、この政策手段を使って大いに伸びてほしいという人はその政策手段の存在など知らないことが多いし、逆に寄って来る人は、政策手段に頼るだけのあまり伸びが期待できない人が多くなるのではないかと恐れるわけです。原局があれば、こういう心配はいささか減じます。しかし、悲しいかな貧乏な和歌山県は、原局要員として専門の人を増員するか、他の仕事をしている人を剥がす余裕はないのであります。そこで考えたのは、バーチャル原局で、今までの政策手段で担当の決まっている各人に産業別担当というミッションをダブルで掛けたのであります。かくて、まだまだあくまでも建前の上ですが、産業別、企業別担当の人が、上記政策カタログを鞄に詰めて、企業をどんどん訪問させていただくという形が出来ているのであります。同時にこの産業別、企業別担当者は政策PRをするのみならず、企業や産業の動向や政策要望をどんどん掴んできて、政策形成に生かしていくことも期待されています。そして、その上で、このカタログがデジタル化し、ネットワーク化して進化したのです。

 そればかりか、担当者は訪問時にスマホ、タブレットを持参して、クライエントの目の前で政策手段を示せますし、もっと詳細情報を引っ張り出すことも可能です。またそれぞれの政策手段に係る成功事例を引っ張り出すこともできるようになりました。なかなか和歌山県職員も進化しているのであります。

 また、県職員だけではなく、県内金融機関や関係団体の営業担当者にも企業への訪問活動の際のツールとして活用いただき、県全体で積極的な企業支援を行います。

 そして最後に言うと、このWEB化は、知事の指令命令など、一切受けることなく、自分たちで企画し、形を成すように作り上げた点であります。えらい!

 県民の皆さんも積極的に活用して下さい。担当者が持って来なくても、県民の皆さんが誰でも県庁HPから簡単に引っ張り出すことができるのです。
 県庁HPからは、『産業・仕事 → 「わかやま企業応援ナビ」』で閲覧できます。
 http://www.wakayama-sangyo.com/
 是非一度ご覧下さい。

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