知事からのメッセージ 平成28年4月 18歳からの選挙権
18歳からの選挙権
今年から法律が変わって、18歳から選挙権が与えられることになりました。年々選挙の投票率が下がり、とりわけ若年層の投票率が特に低いという事実があります。人類が勝ち得た民主主義の最も大事な投票権を行使しないというのは、もったいないと憂慮しています。18歳、19歳の諸君も是非投票に行ってもらいたいと思います。
世間でもそのようなキャンペーンをやっていて、この間テレビで若い人や大人を集めて、若い人の投票についての討論番組がありました。番組では、まずアナウンサーが状況解説をしました。そこでは、「少子化の影響で若年層の人口が減っているうえに、その投票率が低いので、票を獲得したい候補者は、どうしても票の多い高齢者の意に沿うようになる。高齢者は高齢者対策を手厚くしろというので、結果的にできあがる政策は、若い人向けの政策は薄く、高齢者向けの政策は手厚くなってしまう」という内容の解説でした。「これでは困るので、若い人にもっと投票に行って、政治の方向をもっと若い世代に対するものに持って来よう」というわけです。
私は若い人に投票をさせようとする番組の意図を評価していますが、この解説をもとに、高校生諸君が話す内容を聞いていて、少し心配になりました。というのは、それぞれ話す中味は違うのですが、ほとんど全員が、この番組の解説を疑うことなく受け入れたうえで発言しているのです。すなわち、高齢者は高齢者向けの政策を手厚くしろと言い、若い人向けの政策には無関心だというのですが、本当にそうでしょうか。私は高齢者の方々の意見を沢山聞いていますが、その方々の多くは、子供や孫のために良いことを沢山してくれと思っておられると思います。子供や孫はどうでも良いから、自分たち高齢者だけを大事にしてくれという人は、少ないのではないでしょうか。このように、立派な番組の中味ですら、「ほんまかいな」「なんでやろか」と考えなければならない話がいっぱいあります。
若い人たちよ。選挙に是非行ってください。でもその時、候補者の主張はもちろんのこと、世に広く流れている世論なるものにも、常識なるものにも、「ほんまかいな」「なんでやろか」と自分の頭でよく考えて投票をしてください。