ようこそ知事室へ 知事からのメッセージ 平成27年8月 風になれ今青春が走りだす
知事からのメッセージを紹介します。
平成27年8月のメッセージ
平成27年8月
風になれ今青春が走りだす
7月28日、皇太子殿下をお迎えして、和歌山ビッグホエールで全国高等学校総合体育大会(インターハイ)の開会式が行われました。
インターハイは昭和45年、くろしお国体の1年前和歌山県で開かれていますが、それ以来のビッグイベントです。インターハイの開催方式は、以前は国体のように単一県が主催するという形でしたが、最近は、全国を9つのブロックに分けて、ブロック各県の共同開催ということになっています。その意味で、今回のインターハイは「近畿総体」という事になりますが、そのブロックの中で総合開会式をどの県がやるかという事を毎回決めていくわけです。その総合開会式当番県に今年和歌山が当たったという事です。
今年は国体、大会があり、高野山開創1200年、エルトゥールル号追悼125周年大会に全国日赤大会まであり、大当たりの年なので大変なのですが、この際つべこべ言わないで、頑張ってやろうとお受けすることにしました。
皇太子殿下のご来県は10年ぶり、インターハイ総合開会式にご出席になられ、紀三井寺競技場で陸上競技を御覧になられたほか、広川町の稲むらの火の館、かつらぎ町の神願寺、宝来山神社及び文覚井、(株)島精機製作所、海南市の紀州漆器伝統産業会館をご視察になられました。私も、前芝県議会議長らとともに、ずっとご一緒させていただきましたが、殿下は終始にこやかに県民に接していただき、お声をかけて下さいました。殿下の移動される沿道には、炎天下であるにも関わらず、日の丸を持った大勢の県民の方が集まり、殿下を大歓迎して下さったことが印象的でした。
総合開会式をはじめインターハイの運営には、毎年主催県の高校生諸君が多くの部分を引き受けます。今回の大会においても、制服の違う多くの高校生諸君がいっぱい参加してくれているのがよく分かり、本当に素晴らしいと思いました。
とりわけ、総合開会式の華というべき歓迎演技は、企画から実際の演技まで、県内の高校生諸君が集まって、全部考えたとのことでした。その歓迎演技は素晴らしいの一言でした。多くの国体の時と違って、ビッグホエールという室内を使って行われましたので、照明の効果を利用できます。従って、国体の時のオープニングとは一概には比べられないとは思いますが、私が見た国体や大会の同種の演技の中でも格段に優れたものではなかったかと思いました。特に夜間の開催であったので、比較しやすい東京国体のオープニングに比べると、予算が何百分の1だと思いましたが、何百倍もよかったと思いました。和歌山の高校生の力がプロの大広告会社の力をはるかに上回ったのです。
テーマも素晴らしくうまく選ばれていて演技内容も観客がそのテーマをよく実感し、共鳴できるような仕上がりでした。また演技と演技のつなぎもうまく工夫されていて、もたもた感も、だれるような所も全くありませんでした。
まず第1章の「生命の誕生」は箏の演奏から始まりました。暗い中から楽器の箏をひく部員の方々のひたむきな姿が浮かび出てじーんとしました。
第2章の「育まれし風土」は人と自然との協調・共生を天女のような衣裳をまとった高校生が「梁塵秘抄~熊野古道の幻想~」の曲に乗って踊ってくれました。
第3章は「心と身体の成長」というテーマで、勇壮な太鼓と少林寺拳法のコラボで、切磋琢磨しながらたくましく成長する様子がテーマを見事に表していたと思います。
そして最後の第4章は、「未来の発信」というテーマで、高校生諸君が息のあった心意気を見せてくれました。まず、「絆の結集」は、マーチングバンドと旗を使った創作ダンスで、「火の鳥」の曲を粋にさわやかに飾ってくれました。次は「困難を乗り越える力」という事で、力強い組体操がまさに困難を乗り越えてくれました。ナレーションでは紀伊半島大水害から立ち上がった和歌山県が紹介されましたが、それを表す演技の素晴らしさに思わず涙がこぼれそうになりました。
そして最後に「未来へはばたき“絆”をつなげよう」というスローガンをもとに、出演者全員が再登場し、「翼をください」の曲にのってフィナーレが演じられました。コート上の演者と合唱合奏団席の式典音楽隊演者とが力を合わせて演じ上げ歌い上げた感動の瞬間でした。
拍手の鳴り止まぬ、本当に素晴らしい歓迎演技でした。さらに総合開会式であいさつに立った実行委員長の言葉も胸にしみとおるようであったし、司会ナレーションを担当した諸君もすばらしかったし、何よりもそれぞれの役割を果たし皆で力を合わせて、これらを自分たちで考え、自分たちで成し遂げた和歌山の高校生諸君に心からエールを送りたいと思います。
和歌山の未来は明るい。…そう確信しました。まさにこの大会のスローガン「風になれ、今青春が走りだす」どおり、和歌山の高校生諸君の青春は、今風になり走り出したのです。すばらしい。