知事からのメッセージ 平成27年4月 価格転嫁

 安倍政権の発足以来、経済政策、特に金融政策ががらりと変わり、その結果、円安、株高には顕著なものがあり、企業業績も輸出採算を有する大企業を中心に総じて急速な改善が見られます。しかし、和歌山をはじめ地方の景気はあまりよくありません。これが地方創生政策の動機の一つになっているのは間違いありません。
 何故地方の景気がそう良くならないのかというと、輸出で業績が良くなった大企業がその従業員の給料は上げたけれど、下請け、部品・材料供給業者、運送、荷役などへのサービス提供業者への支払い価格をなかなか上げてくれないからだと私は思います。和歌山のような地方では、この手の企業が多いので、その従業員の給料が上がらず、どうしても住民の消費になかなか火が付かないのです。以上の事は、はっきりとデータに出てきています。
 私は昨年の春頃から、この点を指摘し、政府各方面にも、儲かった企業から部品、サービス提供企業への価格転嫁を強力にプッシュしてくれるように働きかけを行ってきましたし、和歌山にある数少ない輸出業績が好調な大企業には直接頭を下げてお願いに行って来ました。
 政府を中心とする政労使のトップも段々とこの事の認識を深めてくださり、昨年12月の申し合わせでは、はっきりと「経済界は(中略)取引企業の仕入れ価格の上昇等を踏まえた価格転嫁や支援・協力について総合的に取り組むものとする。」としてくれています。
 2月の初め、この件で旧知の日本商工会議所の三村会頭の所へお願いしに上がりました。会頭は、「全くその通りだ。自分たち日商も率先してそう主張している。政府にも働きかけをして欲しいし、地方からもそういう声をどんどん上げて欲しい。」と逆にエールを送られました。
 しかしながら、そもそも価格転嫁がうまくいくかどうかは、企業と企業の価格交渉の問題ですから当事者たる地方企業がよく実情を説明して、価格転嫁を認めてくれるよう積極的に行動を起こさないと話は始まりません。従って、業績が良くなった購入先には、進んで価格転嫁をお願いしましょう。そうすることによってもし万一、相手から不当な取り扱いをされるようなことがあれば、県庁にご通知ください。一丸となって皆様を応援します。

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