知事からのメッセージ 平成26年3月
知事からのメッセージを紹介します。
平成26年3月のメッセージ
平成26年3月
鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護法)の一部を改正する法律案について
和歌山県もそうですが、全国的にイノシシ、シカ、サル、アライグマ、カワウなどによる農産物等への鳥獣害が深刻になっています。
私は選挙で和歌山に帰ってきて、県内の特に山村を回った時、県民の皆さんがいかにこれに苦しんでいることをいやという程分かりました。そこで就任後は、何とかこれを軽減しようと獲るという点でできる限りの規制緩和をし、又、ハンターの人が損をしないで獲れるように有害鳥獣捕獲への県の助成金を増やしたり、電柵予算を使いやすくし、ハンターの方々が必要とされる研修を受けやすくしたり、できる限りの手を打ってきたつもりです。
予算も私が就任してから25年度までで9倍になってしまいました。(平成26年度は一部国の補助金を使おうという事にして少し落としました。)また、「獲る」だけでなく、「捌く」「流通をさせる」そして「食べる」という点でも色々工夫をして、特に、流通という点では安心して流通をさせる前提としてイノシシとシカの肉の格付けを行うわかやまジビエ肉質等級制度を全国に先駆けて開始することにしました。食べるという点でも2月にレストラン、食堂54店、精肉店6店の協力を得て第3回ジビエウィークを開いて大いにPRをしました。これからは観光の武器にもどんどんしていく予定です。
ただし、法律の制約で、どうもうまく行かないなあと思う所もありました。というのは、鳥獣の捕獲方法です。
私はたまの休みに車に乗せてもらって山奥に昆虫採集に行きます。帰りは日が暮れることもあるのですが、そういう夜間、谷間の市町村道や林道を走っておりますと、特にシカがいっぱい現れます。夜は銃による捕獲禁止という事が分かっているせいか、余りにも堂々としていて、車が近寄っても逃げません。傍若無人にほんの数メートルに近寄ってきて、こちらを威嚇する始末です。また、谷間の畑地の周りなどにはシカの目がたくさん光ります。ここで撃っても良ければ、私でも獲れるよというところです。そこで夜間獲るわけにはいかんかと色々アイデアを考えついて専門部署に投げかけてみました。例えば谷全体を一晩立入禁止にして、人間に当たらないようにして待ち伏せできないかとか、いっそのこと警察官に出動をお願いして撃ってもらえないかとか、色々考えますが、やはり法律の壁がありました。何と言っても人を誤射してしまったら一番大変ですから、無理はできません。それなら仮に当たっても死ぬことはないように麻酔銃を使うというのはどうか、何せ至近距離まで近づいてくるんだからというアイデアを出してみましたが、これも見事に法律違反でした。
そこで、以上のような話をあちこちでワーッワーッ言って回っていたのですが、この度環境省で、標記法案を検討して下さっているという事が耳に入りました。その中には一定の条件下での夜間銃猟を可能とするとか麻酔銃による鳥獣の捕獲ができるとかまさに我が意を得たりという条項が入っています。
県選出の国会議員の方々も大いに声を上げてくれた結果と推測していますが、この話が実現すれば、随分違うのではないかと思います。
期待しています。