知事からのメッセージ 平成24年6月

知事からのメッセージを紹介します。

平成24年6月のメッセージ

平成24年6月

スポーツ2題

 スポーツ関係で最近考えたことを2つ申し上げます。

 1つめは、ロンドンオリンピックに県に関係のある選手、監督が12名も選ばれたことです。昔の記録を正確には数えていませんが、おそらく史上第一位の人数だろうと思います。誠に慶賀に耐えません。その方々のお名前と出場種目は次の通りです。(五十音順、敬称略)

名前 出場種目
九鬼 巧(くき たくみ) 陸上(短距離)
阪本 直也(さかもと なおや) カヌー(カナディアンシングル)
嶋本 麻美(しまもと まみ) ウェイトリフティング(75kg超級)
田中 和仁(たなか かずひと) 体操
田中 理恵(たなか りえ) 体操
田中 佑典(たなか ゆうすけ) 体操
西岡 詩穂(にしおか しほ) フェンシング(フルーレ)
萩原 麻由子(はぎわら まゆこ) 自転車(ロード)
宮崎 義仁(みやざき よしひと) 卓球(監督)
湯元 健一(ゆもと けんいち)  レスリング(フリースタイル)60kg級
湯元 進一(ゆもと しんいち) レスリング(フリースタイル)55kg級
古川 高晴(ふるかわ たかはる) アーチェリー


 出場選手には、ロンドンで全力を出して好成績をお土産に帰って来てもらいたいと思います。帰って来られたらメダルを取った、取らないにかかわらず、我が県の栄誉として出場者の慰労式を県主催で行おうと思っています。
 一方、頑張ってこいという壮行式は行いません。実は企画はあったのですが、私が止めさせました。理由は、壮行をしたい気持ちはやまやまであるものの、選手の方は少なくともその時間は練習が出来ないし、練習場を離れて和歌山に来てもらうのも時間を取られるし、万一それで体調を崩したり、調子が悪くなったりしたら大変だ。今我々応援すべき者が考えなければならないのは、選手諸君に目一杯の準備をさせてあげることであって、壮行会で自分達が満足することではないと言うことです。
 しかし、世の中の動きを見ていますと、どこでも壮行会が大はやりです。選手もせっかく励ましてやるとゆかりの人々に言われると行かざるを得ないので、行ってテレビなどで楽しそうに映っているのですが、大切な本番を控えた選手達をこんなに引っ張り回していいのでしょうか。うれしいのは有名選手と一時を過ごして喜んでいる送る方なのではないでしょうか。選手強化などに必死のJOCや体育協会などはどう考えるのでしょうか。ところが、この間見たテレビでは、東日本大震災の被災地の子ども達を励ますためにオリンピック選手が大勢出かけて行って、地元の人々と綱引きをしているところもありましたが、何とこのイベントを主催しているのが体育協会だというではありませんか。綱引きで腰でも痛めたらどうするのでしょう。和歌山県で企画していた壮行会を中止しますと各選手に連絡したら、少なからぬ選手が「実は正直大変ありがたい」と言っていたそうです。相手の立場に立って、自分または自分達の欲望を殺すということも必要なのではないでしょうか。選手諸君頑張って下さい。

 もう一つは夏の高校野球の予選です。この時に私はある提案をしました。もちろん決めるのは県の高校野球連盟ですから、私の提案が通るという保証はありません。
 何を提案したかというと、試合が決まった時に歌う校歌は勝った学校ではなく、負けた学校にしたらどうかということです。変だなとお思いの方もいらっしゃると思いますし、私もちょっとひっかかるものがありますが、このルールだと、勝った学校は次に進めるので、次で負けたとしても大会場で校歌は必ず歌える一方、負けた方はそこで終わりなので、従来のルールだと大会場で校歌を歌うチャンスが無くなってしまうからと言うわけです。
 汗にまみれて練習し、学校の名誉のために頑張ったのだから、どの学校の生徒にも一度くらいはその健闘を讃えて、校歌を歌わせてあげたいという気持ちです。実は、最近テレビ和歌山の「きのくに21」の「知事と語る」で対談した、石崎義公さんの意見をいただいたものです。もちろん提案はしましたが、無理強いをすべきものでもないし、前述のように私自身にも少しひっかかりがあったものですから、断られたらあきらめようと思っていましたが、県高野連が中々良い裁定をしてくれました。
 すなわち、試合終了後の校歌斉唱は従来通りとするが、試合の途中で、双方の学校の校歌斉唱の時間をとるというものです。一番良い解のような気がします。こうして今年からは、どの学校の諸君も球場で必ず自校の校歌が歌えることになりました。精一杯歌って下さい。

このページの先頭へ