ようこそ知事室へ 知事からのメッセージ 平成24年2月 他策なかりしを信ぜんと欲す

知事からのメッセージ

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平成24年2月のメッセージ

平成24年2月

他策なかりしを信ぜんと欲す

私の大変尊敬しているわが郷土の偉人陸奥宗光の言葉です。彼の回顧録である「蹇蹇録()」の最後に、三国干渉への対応に関してこう述べているのです。
日清戦争とその後の三国干渉を外務大臣として乗り切った陸奥でしたが、日清戦争の成果を守りつつ、戦争が終わるや横から泥棒猫のように出てきた三国の横車に怒りに震えつつも、それに対抗しうる国力も持たぬ日本の外相としてどう対応していくか、その心労と困難はいかばかりであったかと思います。
その時の言葉がこれ、「他に策はなかったと信じたいと思う」という言葉です。
私も県政を預かっていて、様々な決定をしていますが、時としてその意思決定が容易でないことがあります。右とせんか左とせんか、双方に理由と事情がある場合が多いからです。しかし、そういう時でも決める責任を放棄することは許されません。最大限事情を精査し、利害得失、将来の当県のあり方などを勘案し、いつまでもぐずぐず悩んでいないで決断を下す必要があるのです。私もそうやって悩みながら「これが一番いい」と考えて物事を決めています。県民の皆様もそれぞれのお立場でそうしておられると思います。それでも、次の瞬間には「本当にそれでよかったのか」と思い悩むこともあります。しかし、あれだけ徹底的に考えた末の結論だからこれでよかったと思うしかないといつも思っています。そのような気持ちを陸奥はこの言葉に込めていると思うのです。
「信ず」ではなく「信ぜん」なのです。しかもさらに「と欲す」までつけているのです。そこに、逆に陸奥がいかに心血をそそいで考えぬいて結論を出したかが見てとれます。私も県庁職員一同も「他策なかりしを信ぜんと欲す」と言えるように真剣に県政に取り組みたいと思います。

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