知事からのメッセージ 平成21年3月 勲章

知事からのメッセージを紹介します。

平成21年3月のメッセージ

平成21年3月1日

「勲章」

 お正月にテレビで箱根駅伝を見ました。随分条件の悪いところを母校の名誉をかけて懸命に走る学生さんの姿に心を打たれます。とりわけ駅伝はたすきを繋ぐという大変な要素があります。1人が絶不調になったりすると、マラソンなどでは、その人だけが棄権したりすることで終わりますが、駅伝の場合、他の仲間の栄誉まで奪ってしまいます。そういう意味ではなかなか過酷なスポーツだと思います。しかし反面、だからこそ選手同士の連帯も深まり、各人の責任感も養われ、そしてそれらが見る我々をも感動させてくれるのでしょう。その中で、昔の名ランナー、名監督が出てきて「自分にとって箱根駅伝は勲章だ」というような事をおっしゃっていました。いい言葉です。
 県民の皆さんの中には、功が認められて天皇陛下から本物の勲章をもらわれる人もいます。一部の伝達は私から行うものですから、私も皆さんの素晴らしい人生に感動しながら、心をこめて表彰状や勲章をさし上げています。また、県の各種表彰の式も年に何回かありますが、受賞された方々の事績に接しますと心打たれるものがいつもあります。
 ただ、このように本物の勲章をもらわれる人や表彰をお受けになる方は限られています。そのような方々の事績は貴いけれど、私は知っています。このように賞をお受けになる方々のみならず、多くの方々がすばらしい人生を過ごしてこられたことを。お年を召した県民の皆さんには、長い来し方を振り返った時、それぞれにこれこそが私自身の人生の勲章だとお思いになるようなものがあると思います。山奥の畑を、きつい傾斜地のみかん畑をずっと守ってこられたお年寄りには、それらの畑やみかんの果実こそが素晴らしい勲章だと思います。大勢の教え子を世に送り出された先生にとっては、今は立派に成人した教え子の子供の頃の笑顔の思い出が勲章でしょう。苦労に苦労を重ねて会社を大きくしてきた方、その道一筋に会社に勤められた人、皆さん勲章がおありです。また、多くの方々にとって手塩にかけて育てられたお子さんが立派に社会で活躍しておられる姿こそが素晴らしい勲章でありましょう。そういう多くの県民の方々のように、私も県民の幸せのため仕事に打ち込んで、精一杯がんばって、そして時が過ぎていつか昔を振り返る時、自分にとってあの日々が勲章だったなあと思えるようになりたいものだと思います。

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