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和歌山の人、もの、地域 和 nagomi 和歌山テロワール 2014 vol.25

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Key person Interview

“じゃばら”を大ヒット商品にした北山村の戦略

Wakayama Terroir
DATA of 北山村
人口/440人(平成26年9月1日現在推計人口)
(本州で一番、離島を除き全国で2番目に少ない)
面積/48.21km2
(東西約20km、南北約8km)
森林割合/97%
高齢化率/47.2%(県内2位)
75歳以上高齢化率/34%(県内1位)
特徴/三重県と奈良県の間に立地する、全国唯一の飛び地の村。明治4年の廃藩置県の際、木材業で結びつきの深かった新宮が和歌山県に編入されたことから、和歌山県への編入を選択した。 平成の大合併の際も、飛び地を解消することなく、町民投票で73%という高い支持を得、「飛び地の和歌山県」を選択した。
道の駅おくとろ/宿泊・温泉施設 おくとろ温泉 やまのやど/レストラン じゃばら食堂/コンビニ ヤマザキショップじゃばら屋
.じゃばら加工品などおみやげも購入できる村唯一のコンビニ。
. 宿泊客以外でも入浴可能なおくとろ温泉。
道の駅おくとろ/電話0735-49-2324
宿泊・温泉施設 おくとろ温泉 やまのやど/
 電話0735-49-2575
レストラン じゃばら食堂
コンビニ ヤマザキショップじゃばら屋
伝統産業「筏流し」
観光筏下り
林業の村として栄えた北山村の文化であり、伝統産業でもある「筏流し」。木材需要の減少やダム建設など様々な理由で600年の伝統を閉じたが、昭和54年、観光筏として生まれ変わった。 予想できない大自然のスリルが評判を呼び予約が殺到。年間6千人が体験するという、北山村の重要な観光ツールに発展した。
問い合わせ/北山村観光センター
電話/0735-49-2324

じゃばら  山々を削るように流れる北山川。その上流のダム湖に寄り添うように全国唯一の飛び地の村、北山村はある。花粉症の緩和に有効な“ナリルチン”を多く含むじゃばらが自生していた唯一の村で、激流の北山川を下る「観光筏下り」も日本で唯一、北山村でのみ体験できる。過疎と高齢化が押し寄せるなか、3つのオンリーワンを武器に、北山村は今や全国の地域再生の手本となり、その柔軟な発想は大きな話題を呼んだ。全国から注文が殺到するじゃばらの栽培から加工品製造、販売。さらに、観光筏下りや温泉施設の運営から、加工工場村を支える産業のほとんどを村直営で行い、多くの村民がそれらの仕事にかかわりながら暮らす。まさに行政と村民が一体となり、これらの事業を成功に導いた。その中心人物こそが北山村の奥田貢村長だ。

じゃばらに託す、村の未来

 じゃばらは、「邪(じゃ)を払う」というのが名前の由来で、地元では正月の縁起物だった。カボスを大きくしたようなかんきつ類で、そもそも北山村に一本だけ自生していた自然雑種。酸っぱさの後に残るほんのりとした苦味が独特で、一言で表現すると「にがうま」。これを特産品にと取り組み始めたのが約30年前。しかし商品化が思うように進まず、まるで売れなかった。平成12年に就任した奥田村長も、「とにかく2年、やれることは全てやろう。それでダメならやめよう」と腹をくくった。そこで取り組んだのがインターネット販売。やがてリピーターの口コミで「花粉症に効果がある」という評価を見つけ、1000人のモニターを募集したところ、1万8000人が殺到。じゃばらの木約46%のモニターから「花粉症に効果がある」という回答を得た。これを機に、テレビでも紹介されるようになり、年間2千万円程度だった売り上げが翌年に5千万、その翌年は1億円に倍増した。ともすれば見逃してしまいそうになる購入データや反応を発見し、モニター調査を実施する。それを短期間で判断し行動に移したところに成功の鍵があった。「村役場の職員数が少ないから、意思決定が早い。素早い決定はビジネスの面では優位に働きます。小さな村だからこそできたことです」。

小さな村だからこそできることがある

 しかしネットの世界は変化のスピードも早い。粗悪な類似品も出回り、売り上げは頭打ち状態に。そこで村が二の矢として放ったのが、自治体初のブログ「村ぶろ」だ。じゃばらファンの情報交換の場として広がり、現在の会員数は1万7千人程度。1日のアクセス数が約25万にもなった。こうしたじゃばらや筏の成功は、中学生以下の医療費無料化や、海外への修学旅行など次の世代への “先行投資”に活かされている。「小さな村だから、小さな予算で、大きな夢が実現できる。他の市町村と合併していたら、こうはいかないということは多い」と奥田村長。「今後は話題作りや品質向上に力を入れ、『北山村ブランド』に、さらに磨きをかけていく」と次の矢も既に準備されていた。
北山村村長 奥田 貢

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