和歌山の人、もの、地域 和 nagomi 海の国から。 2010 vol.12

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海の向こう側から、熊野に求めた不老不死。

海

 今から2200年ほど前、熊野川の河口、蓬莱山(ほうらいさん)と呼ばれる小島近くに、3千人の若い男女と技術者を従えた一人の男が上陸した。秦の始皇帝の命により、不老不死の薬を求めてやってきた徐福である。
 中国を出航した徐福たちは、黒潮の流れに乗り、和歌山県南部の新宮に辿り着き、そこで不老不死の霊薬「天台烏薬(てんだいうやく)」を見つけた。しかし徐福たちは中国に帰る事なく、温暖なこの地に住み続け、住民たちに農耕や捕鯨など様々な技術を伝えたといわれている。
 「徐福の伝説は、道教の影響が深く、不老長生を求める神仙思想が民間信仰的に広がったのではないかと思います。それと、熊野の再生、蘇りという熊野信仰と結びついたのではないでしょうか」と語るのは、国際熊野学会の山本殖生事務局長。
 徐福の話は、司馬遷の史記に記述が見られる。1982年に中国・江蘇省で徐福村が発見され、徐福研究は熱を帯びてきている。神倉神社の高台に上ると、遥かに広がる輪廻の海に、徐福のロマンが感じられる。



天台烏薬ゼリー(左)徐福の木像。徐福は呪術・占星術などの方術を行う方士であった。
天台烏薬はクスノキ科の常緑低木で、原産地は中国。瑞々しい緑色は生命力を感じさせる。
(右)天台烏薬ゼリー/新宮市で見つけた天台烏薬のお茶で作ったゼリー。透き通った茶色で溶けるように柔らかく、アクセントに小豆が数粒。ロマンを感じる上品な甘さ。
きゃろっと 住所/新宮市大橋通り2-4-2 電話/0735-23-1145



蓬莱山 徐福公園

(左)蓬莱山は神仙思想における三神山のひとつ。この向こう側に阿須賀神社があり、その境内には「徐福之宮」という徐福を祀った神社もある。
(右)新宮駅近くにある極彩色の楼門が印象的な徐福公園。園内に徐福の像や墓がある。
住所/新宮市徐福1-4-24

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