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和歌山の人、社会、地域 和 nagomi 「紀の国で生きる。」わかやま、それぞれの挑戦 2009 vol.8

【知事対談】和歌山の魅力と潜在力

食通としても知られる俳優の辰巳琢郎さん。少年時代から和歌山をよく訪れ、ドラマでもゆかりの人物を演じるなど、何かと和歌山に縁が深い辰巳さんと仁坂知事が、食の魅力・地域の魅力について語り合う。


 

プレミア和歌山 和歌山の魅力と潜在力をアピールしていくための「プレミア和歌山」(和歌山県優良県産品推奨制度)シンボルマーク。和歌山県章のシルエットの上に和歌山の「わ」と「山」の文字をモチーフにしている。

二坂吉伸

仁坂知事(以下仁坂) 最近、和歌山へはいらっしゃいましたか。

 

辰巳琢郎氏(以下辰巳)  直近では地震番組のリポートで中央構造線上を空からおじゃましています。その前は宝くじのコンサートの司会で和歌山市の市民会館へ。それから世界遺産になる直前の熊野古道を歩き、川湯温泉にも行きましたよ。


仁坂: 辰巳さんにとって和歌山はどんなイメージですか。


辰巳: ある種の懐かしさを感じますね。特に白浜に一番感じます。中学の時は臨海学校で毎年白浜へ行きましたし、すさみの廃校になった小学校をうちの高校が借り上げて合宿所にしていたこともあるんです。大学の時は母校の臨海学校へ卒業生ボランティアとして教えに行ってました。


仁坂: 辰巳さんは俳優として大活躍されていますが、同時に食べ物に詳しいということでも有名でいらっしゃる。


辰巳: いろいろな仕事のオファーをいただいて断れないでいるだけですよ(笑)。


仁坂: 食べ物に対するこだわりはいつ頃から?


辰巳: 大阪の人間ですから、子供の頃からでしょうね。お好み焼きを焼くにしても、焼きソバを焼くにしても、周りの子供たちもみんなこだわりを持っていましたねぇ。


仁坂: それがどんどん進化して、現在の辰巳さんに?


辰巳: 今から思えば、僕はずっとモノづくりに興味があったようです。芝居もそうですが、料理もワインも基本的にモノづくりでしょう。モノづくりの現場は、農産物でも工業製品でもとても面白い。今日はこの対談の前に「辰巳琢郎の家物語〜リモデル★きらり」(BS朝日土曜12時〜)という番組のロケだったんです。改築した家を訪ねてリポートするんですが、みなさんそれぞれこだわりがあって非常に面白いんです。


仁坂: モノづくりへのこだわりは、いま日本全体でもう一度再認識していかなければいけないことですね。


辰巳: そう思います。

 

 

 

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 「プレミア和歌山」始まる

仁坂: 和歌山は美味しいモノづくりには秀でていると思うんです。果樹生産は日本でトップを争っています。ミカン、柿、梅が日本一、桃は4位。ライバルの青森県はリンゴが圧倒的なんですが、和歌山はいろいろな果物の合わせ技で勝負しています。

 ただ、和歌山はモノをきちんと作るんだけど、自分たちのこだわりをアピールしたり、自分たちのメッセージを消費者へ届けることが今まで欠けていた。殿様商売というのかな。


辰巳: 実は僕も和歌山の殿様でした。10数年前に大河ドラマ「八代将軍吉宗」で紀州藩主・徳川綱教の役を演じましたから…(笑)。その頃もよく和歌山へ通ってましたよ。


仁坂: その時に気付かれたかもしれませんが。昔から大阪とか、関西の近場に需要が結構あって、また、和歌山県自体の購買力もなかなかのものでした。それでそれほどアピールしなくても良かった。ところが最近は和歌山の人口自体が減少してしまっています。


辰巳:今、人口はどれくらいですか?


辰巳琢郎

仁坂:102万人くらいです。私が若い頃は奈良と和歌山の人口はほとんど同じでした。ところが、いまは和歌山102万人に対して奈良が140万人。


辰巳:大阪が減った分、奈良が‥‥。


仁坂: 関西全体の人口は変わらないんですよ。そういう状況の中で和歌山はどうやってアピールしていくべきかを考えているんですが、辰巳さんの和歌山の産品に対する印象はどうですか。


辰巳: 和歌山は特に海のモノが豊富ですよね。白浜で食べに行った寿司屋は、地方の中ではトップレベル。それから梅干はお土産にいいですね。日持ちがするし、美味しいし、便利なものだと思います。ミカンや柿もいいなぁ。そう言えば熊野古道にも柿の木がいっぱいありましたね。


仁坂: 和歌山の柿の本場は紀北なんです。渋ガキってあるでしょう。渋味を抜くと美味しいんですよ。


辰巳: 渋抜きはどうやって?


仁坂: 昔はアルコールに漬けていましたが、今は炭酸ガスをかけると、あっという間に渋が抜けるそうです。本当に美味しいんですが、柿に限らず、こういうおいしいものをどうやってアピールするかが問題だったんです。そこで「プレミア和歌山」という県の認定制度を作ったんです。対外的にアピールする時に一つひとつだと広告宣伝費もそう使えないし、アピール力も弱い。そこで県の良いものだけをまとめてしまおうと考えたのです。いわばミシュランのようなものですかね。


辰巳: 食品以外にもあるんですか?


仁坂:工業製品や伝統工芸品、観光資源もあるんです。


辰巳: どんな認定制度なんですか?


仁坂: 安全安心・品質保証は当然ですが、できるだけ県内の材料、県内での生産、さらには県で独自の技術製法など、和歌山らしさにこだわって、それに歴史、伝統など和歌山らしい物語があるもの。例えば、梅干しなら「南高梅に代表される県内産の梅のみ」を使用したものであったり、醤油であれば、「自家製のもろみと昔ながらの製法」にこだわっているものだけになります。それに、最後はセンスも審査されます。

第1回目の認定を昨年12月に行って、181の推奨品を認定しました。


辰巳: どういう風に売り出すんですか?

 

 

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仁坂: マスメディアに広告を出すのもいいんですが、費用対効果もありますから、バイヤーやプロが集まるイベント、例えば食品だとFOODEXやスーパーマーケット・トレードショー、工芸品だと陶磁器市などに、和歌山県産品としてまとめてブースを出しています。個々の企業としてではなく「プレミア和歌山」として売り出すんです。


辰巳: 一般の人が買えるようなショップはあるんでしょうか?


仁坂: 東京・有楽町の交通会館の地下1階に県のアンテナショップ「わかやま喜集館」があります。もう10年くらいになります。


辰巳: 試食したりもできるんですか?


仁坂: はい、できます。「プレミア和歌山」認定品に限らず。


辰巳: それはいいですね。

対談 辰巳琢郎 と 二坂吉伸


 

 

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 梅酒、梅干、鮪、寿司…

仁坂: 今日は「プレミア和歌山」の認定商品を少し持ってきたので、試食してみてください。
これは、オーク樽につけた梅酒で、香りが良いでしょう?
  それから、この観音開きの桐箱に入っている梅酒は、最後まで樹で完熟させた梅を使って、3年間くらい熟成させて造ったものです。


辰巳:なるほど。深い味わいがありますね。


仁坂: 梅酒ってヨーロッパでものすごく売れるんじゃないかなと思っているんです。
  3年前に、和歌山の梅酒を売り出すのに、県内の梅酒製造・販売会社で「本場・紀州産梅酒の会」というのを結成したんです。梅を焼酎に漬け込むのは昔から各家庭でやっていましたが、梅酒をブランド化して売り出すようになったのは、ここ最近なんです。


辰巳: うちの母も毎年漬けていました。子供の頃から大好きで‥‥。梅干もいただいていいですか?


仁坂: どうぞ。


辰巳: あまり辛くないですね。うん、これは食べやすい。でも梅干っぽくないなあ‥‥。思い出すだけでだ液が出てきてご飯がいっぱい食べられそうっていう昔ながらの梅干しが好きですね。


仁坂: 大きくて柔らかいでしょ。


辰巳: これは南高梅ですね。


仁坂: ええ。

 

辰巳: 南高梅のことを「なんこうばい」って言う人がいますけど、「なんこううめ」というのが本当だって地元で聞いたことがあります。これを開発した 南部(みなべ)高校のことを地元では「なんこう」って言うんで、その「なんこう」の「うめ」だから「なんこうばい」はおかしい、「なんこううめ」でないとって。テレビ番組で扱う場合に、「なんこうばい」と言う人と「なんこううめ」と言う人がいると、ややこしいんですよ。

そういうのをぜひ統一して下さい。呼び名を統一するだけでブランドとして力を持つんです。長野県ではいろいろな農作物やお酒に関して「原産地呼称管理制度」というのを導入したんです。僕もワインの官能審査委員を務めているんですが。世界一厳しいと言われている制度です。そうしたらワインのレベルがグングン上がったんですよ。他県でもいろいろ認定制度があるようですから、ご参考になる部分もあるかもしれませんね。


仁坂: そのとおりだと思います。ブランドを統一して皆で守っていくというセンスは必要ですよね。「プレミア和歌山」もそういう方向で頑張りたいと思います。

このマグロは、那智勝浦で揚ったマグロです。独自の方法で冷凍して真空パックされたものを解凍しました。


辰巳: うまい!本当に冷凍なんですか?


仁坂: 生のマグロが一番いいんでしょうが、普通に流通させるには冷凍せざるを得ないことが多い。でも解凍するとドリップが出て味も損なわれる。でも、この冷凍鮪は解凍してもドリップが出ない技術を開発したんです。


辰巳: それはすごいですねぇ。


仁坂: それからこれは、あせの葉で包んで発酵させたお寿司です。あせの葉というのは、笹の一種ですね。殺菌力もあります。つかんでするするっとむけ手を汚さずに食べられるのがウリです。梅を隠し味に使っていますね。


辰巳: へえー。


仁坂: FOODEXに出展した時に大人気でした。


辰巳: 本当に美味しいですね!


 

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 もっと魅力のアピールを

仁坂: もともと和歌山の食というと、温泉の旅館やホテルに泊まって宴会をしていただくことがメインでした。ところが交通の便が良くなって日帰り客が多くなると、食事だけでアピールするようなことも必要かなと思うんです。


辰巳: 和歌山の温泉といえばやはり白浜ですか?


仁坂: ええ、一番大きいのは白浜ですね。その次が那智勝浦です。この2つは海沿いですが、山側には、川の中に温泉が湧く「川湯温泉」、世界遺産となっている「湯の峰温泉つぼ湯」、日本三美人の湯の1つ「龍神温泉」とか、海にも山にもたくさんあるんですよ。


辰巳: 白浜はかつてはハネムーン先としても人気でしたよね。僕の両親も‥‥(笑)。


仁坂: ここ最近、2年くらいですがまた少し上昇気運にあります。昨年はガソリン代の高騰があって客足が落ちるかな、と思っていたんですが、夏のデータを見ると少し増えていた。秋以降の金融不安でも減ったかと思ったら、正月のデータでまた少し増えた。復活の兆しが見えてきたんじゃないかなと思っています。客単価も少し上昇気味です。パンダもいっぱいいますしね。


辰巳: それはどうしてなんでしょう。


仁坂: 昔の温泉ブームがすぎた頃のマイナス要因が出尽くしたというのもあるし、行政も企業も積極的に動いた面があるからだと思います。例えば、クエ鍋を売り出して差別化するとかね。和歌山の良いところにまた気付いてもらえるようになってきたんじゃないかなと思うんです。


辰巳琢郎


辰巳: 東京に住んで発見したのは、白浜は空港があるからすごく便利だということ。小さな空港ですけど、街まで近いし、いいですよね。


仁坂: 私は、東京の人にとって白浜は2番目に近い温泉地だと言っているんです。


辰巳: 2番目?


仁坂: 1番目は熱海で、東京駅から50分くらい。白浜は羽田空港から70分、南紀白浜空港から温泉街まで5分です。これは、2番目に近いということになります。他は時間的にもっとかかりますね。


辰巳: ああ、なるほど。


仁坂: そう、その時間的な近さです。それを東京の人にどれだけ分かっていただいているかというとまだまだなんです。


 

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 “元気”が地域の魅力

仁坂: 辰巳さんは全国各地を旅していらっしゃった。そんな辰巳さんが魅力を感じる場所・地域って、どんなところなんでしょう。


辰巳: その地域のみなさんが元気なところが何と言っても魅力的ですね。住んでいる人たちが地元を愛している。そういう言葉や行動に出会うのが一番嬉しい。逆だとやっぱりアカンなって悲しくなります。


仁坂: 自分を卑下するようではダメですね。誇りを持たないと。


辰巳: 日本人はそれが下手なんですね。例えばヨーロッパではとんでもない田舎でもみなさん地元を愛している。「あの山は俺の山だ。この川も俺のもんだ」とか。日本人の謙譲の美徳もわからないではないですが。たまには大げさに言ったり、商売っ気も必要。もちろんやり過ぎるのは良くないと思いますが。


仁坂: 和歌山はその商売っ気が無さ過ぎだったかなと思います。これではいかんと思ってるんです。商売っ気がないのもええ加減にせんと、って。そういうところが現在の和歌山が抱えている問題なんです。


辰巳: 売り込むためには、その場に来てもらうのが一番ですよ。例えば、満開の時期の梅林を見てもらうとか。南部の満開の梅林って実は僕見たことがないんです。あの南高梅は白梅なんですか?


仁坂: 基本的には白梅です。梅林の山全体がうっすらと白く見えます。南部にも田辺にも素晴らしいものがありますよ。


辰巳: それって一般にはほとんど知られていないですよね。梅林といえば、昔読売テレビで「花いちばん」という帯ドラマをやっていました。女性の一代記なんですが、そのヒロインが南部(みなべ)出身という設定で、僕の役は彼女の嫁ぎ先の大阪・船場の商家の「ボン」。和歌山ロケも何度かあって、梅林へも行った覚えがあります。NHKの朝ドラでも和歌山モノがありましたね。


仁坂: 本宮町を舞台にした「ほんまもん」ですね。それから旧美山村で撮った「純ちゃんの応援歌」もありました。


辰巳: 山口智子ちゃんの。そう、そう!


仁坂: ずいぶんたくさん和歌山を売り出すチャンスはあったんですよね。

 

辰巳琢郎 と 二坂吉伸


辰巳: これからですよ。「プレミア和歌山」のような取り組みは大事です。僕も関西の人間ですし、関西全体が盛り上がらな日本はアカンって思っています。和歌山っていろんな資源を持ってるやないですか。文化資源も歴史も物語も、非常に魅力がある。全国的にみてもポテンシャルということでは、和歌山はかなり上位にくると思いますよ。


仁坂: おまけに大都市・大阪に近いですからね。


辰巳: 関空から30分。地の利もある。


仁坂: これからそうした和歌山の魅力をアピールしていくよう頑張っていきます。

 本日はありがとうございました。


 

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たつみ たくろう

全国的にみてもポテンシャルということ
では、和歌山はかなり上位にくる


たつみ たくろう
1958年大阪市生まれ。京都大学卒業後、NHK朝の連続テレビ小説『ロマンス』で全国区デビュー。以来、知性・品格・遊び心と三拍子揃った俳優として、テレビ、舞台、映画、クラシックコンサート司会、海外旅行プロデュース、執筆活動など、さまざまなジャンルで活躍。食通・ワイン通としても知られる。


にさか よしのぶ

個々のブランド力の追求というより
全体的なレベルアップをしたい。


にさか よしのぶ
和歌山県知事
                                           

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