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和歌山の人、もの、地域 和 nagomi 和歌山、味の記憶 2016 vol.29

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知事対談/これからの日本と和歌山の可能性/これからの地方、和歌山はどう舵を切るべきなのか?その答えは綿密な取材と優れた洞察力の向こうに見える。

高輪結び大師 高野山東京別院
遍照殿前にて
場所/港区高輪3丁目15-18
電話/03-3441-3338


これからの日本と和歌山の可能性

仁坂知事(以下仁坂)●弘兼さんには、昨年度から県が推奨する優良県産品の制度「プレミア和歌山」のパートナーとして、情報発信にご協力いただいています。本当にありがとうございます。

弘兼憲史氏(以下弘兼)●実はこれまで2回和歌山を訪れています。1回目は私が30歳の頃です。初期の連載「学ランエレジー」という作品の取材のために、出版社の人と原作者と三人で南紀に訪れたのが初めてでした。新宮市周辺が舞台ですので、熊野灘や那智の滝を訪れたのを覚えています。

仁坂デビュー作に近い取材が和歌山だったということで浅からぬ縁を感じますが、弘兼さんは漫画家になる前はサラリーマンをされていましたよね。

弘兼●和歌山出身の松下幸之助さんが創業した現パナソニック株式会社(松下電気器具製作所)に就職しました。

仁坂あの島耕作もパナソニック株式会社と思しき初芝電器産業で活躍しているのを読んで、和歌山県民としてはさらに特別な親近感を感じています(笑)。



弘兼●幸之助氏は、私が入社した1970年にはまだ、相談役として本社に在籍していました。年頭の訓辞を全社員が懸命に聞くのですが、3年もすると完全に松下イズムに染まってしまいました(笑)。当時は大阪府門真市の本社勤務で、島耕作と同じような宣伝広告の部署に在籍し、ポスターやカタログ、チラシや看板のデザインなどを行っていました。



会長 島耕作
「会長 島耕作」@〜(以下続刊)
週刊モーニング(講談社)で連載中
「島耕作」シリーズは、日本経済の動向から企業間の競争や派閥争いなど、サラリーマンの姿をリアルに描いた長寿漫画。現在島耕作は会長職を務め、環境問題や日本の農漁業に対し積極的に関わる経済人として活躍をしている。





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島耕作が斬るこれからの農業・漁業

仁坂弘兼さんといえば、“課長 島耕作”があまりにも有名ですね。

弘兼実は島耕作は1本の読み切りから始まりました。ジャンルは何でもいいということでしたので、他の漫画家さんが経験していないサラリーマン社会とオフィスラブの話を描きました。でもこれがなかなか好評で(笑)。その時のイメージがプレイボーイ・島耕作を作りました。その後連載となったのを機に、海外で活躍するようなスーパーサラリーマンというコンセプトになり、どんどん出世し、今では会長にまで登りつめました。

仁坂●上司にゴマをすって意思を曲げるのでもなく、正義感にあふれる一匹狼的なかっこいいサラリーマンですよね。そして最終的には周囲の人たちにも理解される。とはいえ、なかなか現実的には難しいことも多いんでしょうけどね。

弘兼 憲史(ひろかね けんし)
弘兼 憲史(ひろかね けんし)
漫画家/1947年山口県生まれ。松下電器産業(現・パナソニック)でサラリーマンを経験。代表的な漫画に「島耕作」シリーズほか、「ハロー張りネズミ」や「加治隆介の議」(以上すべて講談社)など。また日本農業の未来を読み解く「島耕作の農業論」 (光文社)などの著作も多数出版。2014年からプレミア和歌山パートナーに就任。

弘兼●取材を綿密にやっておりますので、作品中のできごとで「あり得ない」ことは描いてないつもりです。逆に漫画で先に描いた事が、後に現実になったことなどがあります。例えばパナソニックと三洋電機の経営統合は、それより一年も前に「初芝・五洋ホールディングス」の誕生という形で描いています。 取材をして多くの情報を集めると、ある程度の将来像が見えてくるように思えます。

仁坂●現在連載中の“会長 島耕作”では日本の農業や漁業の改革について描かれていますが、的確に将来を見抜く力がある弘兼さんから見て、これからの農業・漁業の展望はどう思われますか?

弘兼●ほんの少し前ですが、久しぶりに和歌山に取材に伺いました。“会長 島耕作”の中で、先進的な漁業のあり方として“近大マグロ”を取り上げたんです。あの資源を減らさないマグロの完全養殖は、漁業の将来を示す重要な取組だと思います。

仁坂●農業では弘兼さんは“島耕作の農業論”という本も出されていますね。

弘兼●これからはTPPなど農業を取り巻く様々な問題に対応するために“規模の農業”を考慮する必要があると思います。農業生産法人などが休耕地を借り上げ、そこで働く人たちはサラリーマンのように安定収入を得るようなシステムにしないと若い人たちが入ってこない。さらに天候に左右されない工場的なシステムも必要となってくるでしょう。一方では、個人経営の農園で、優れた生産物を直接消費者に届けるようなシステムも必要ですね。この2本立てで対処すべきだと考えています。

仁坂●社会の変化のスピードは本当に早い。その分、新しいチャンスも生まれています。これからは、農産品や水産品をもっと輸出していくべきですね。私はセールスマンとしてよく海外に行きますが、日本はブランドイメージが高いし、絶対に可能性があると思います。





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紀州の優良産品プレミア和歌山

仁坂●プレミア和歌山の産品の中では“佛手柑(ぶっしゅかん)”を気に入っていただいたようですね。本日の対談場所は、“高野山・東京別院”ですが、“佛手柑”は高野山で製造販売されているんですよ。

弘兼●“佛手柑”というネーミングがいいですよね。本当に仏様の手のようで、なんだかありがたい気持ちになります。他には“なれ鮨”も気に入ってます。

仁坂●和歌山は、醤油や味噌に代表される発酵文化発祥の地なんです。なれ鮨も発酵文化の一つですね。香りが苦手という方は確かにいらっしゃいますが、逆に凄く気に入られる方も多いです。元々、和歌山は温暖な気候で野菜や果物の生産に適し、昔から農業が盛んでした。特に果樹の生産は全国トップクラスで、みかんや柿、桃が有名です。さらに紀州人は工夫することが得意なので、高品質な農産物や加工品がたくさん生まれています。ひとつひとつの品質はいいのですが、大きな市場に進出となるとどうしても目立たなくなってしまう。そこで“プレミア和歌山”という認証制度を立ち上げたのです。

弘兼●つまりプレミア和歌山に認定されているものは、品質保証がなされてるということなんですよね。

仁坂●品質保証にはいくつかの要素があります。一つ目は“品質が優れている県産品であること”、二つ目は“安心・安全を重視したものであること”、三つ目は“安定的に供給できる商品であること”、それから和歌山らしさ、和歌山ならではの“物語性があること”です。“和歌山県がお勧めする統一的な優良品”として国内外にさらに売り込んでいきたいと思っています。

弘兼●プレミア和歌山には新しい商品が次々と認定されていますね。

仁坂●県の職員が現地に出向いて登録されるべき商品の発掘を行ったりしていますので、毎年結構な数の申請が上がっています。しかし厳しく審査しているので、審査でダメということもあるんですよ。また3年毎に更新が必要なので、品質は折り紙付きです。

佛手柑 甘露漬け
佛手柑 甘露漬け/有限会社かさ國
インド東北部原産の柑橘類の一種。可食部が少ないので生食には向かず、漢方薬にしたり砂糖漬けなどで食べられる。
プレミア和歌山パートナー
プレミア和歌山パートナー/
各界の著名人の方々に応援団として情報発信していただいてます。昨年11月、大試食会を開催しました。左から、泉麻人さん(コラムニスト)、クミコさん(歌手)、弘兼憲史さん(漫画家)、幸田真音さん(作家)、荻野アンナさん(作家)、残間里江子さん(プレミア和歌山推奨品審査委員会委員長/プロデューサー)
和歌山県優良県産品(プレミア和歌山)
和歌山県優良県産品(プレミア和歌山)
和歌山県のアンテナショップ「わかやま紀州館」(東京交通会館B1F(有楽町))でも購入できます。










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移住先としても人気の和歌山とは

弘兼●歴史的・地質学的に和歌山ってどういう性格の人が多いのでしょう?

仁坂●いい塩梅に大らかな人っていうのが多いですね(笑)。和歌山には世界遺産高野・熊野という聖地と巡礼の道があります。これらは千年を遥かに超える歴史を持っていますが、今もなお、聖地として信仰を集めている理由は、和歌山の人々が巡礼者を優しく受け入れているからだと思います。

弘兼●フレンドリーで全く排他的ではないんですね。

仁坂●和歌山は“移住したい都道府県ランキング”でも上位に入っています。移住の検討段階から定住まで、市町村の受入協議会できめ細かくサポートするのが特徴です。移住者の定着率も良く、またおもしろいことに、住み着きだした時から、その地域の中心的な存在になる人も多いのですよ。

弘兼●人も風土も暖かい。やっぱり和歌山っていいですね。

仁坂●本日はありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。

和歌山県知事 仁坂
仁坂吉伸(にさかよしのぶ)
和歌山県知事

 

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