和歌山の人、もの、地域 和 nagomi 紀の国、和の国 和歌山のこと 2015 vol.27

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紀州箪笥
なめらかな絹地のような手触り、音もなくすべるひきだし。寸分の狂いもなく仕上げられる紀州箪笥は職人技の極致と言える。桐は見た目の美しさだけでなく、機能的にも優れ、軽量で耐火性、防湿性に富む。大切に使えば親子3代、100年は持つという。
みかん
伝統マーグ
この伝統マークを使った伝統証紙が貼られている工芸品は、産地組合等が実施する検査に合格した経済産業大臣指定伝統的工芸品です。

紀州の伝統と技

紀州てまり

城内のお姫さまたちの遊ぶ玩具として生まれたといわれる紀州てまり。菊の花をモチーフに、女官たちがひと針ひと針、思いを込めて作り上げた。その雅やかな色とパターンは、今なお色あせることはない。明るい色彩に、温暖な風土が表れている。

紀州てまり

 日本三大漆器のひとつである紀州漆器。その始まりは古く、室町時代といわれる。その後、漆塗りや蒔絵が施され、江戸時代には海南市黒江は美しい漆器の産地として大いに栄えた。その卓越した技術は、愛くるしい紀州雛にも受け継がれている。
 徳川御三家の紀州藩では、匠の技や文化はさらに華やかになる。南国の光と花を写しとったようなてまりが、城中の女官たちの手で生まれ、城下にも広まった。和歌山城再建にたずさわった職人が生んだとされる紀州箪笥は、武家や商家の自慢の嫁入り道具として名をはせた。
 明治になり、木や竹という天然素材の扱いに長け、漆塗りなどの繊細な技の結晶ともいえる紀州へら竿が橋本市周辺で生まれた。
 「紀の国」は、「木の国」でもある。深い森に抱かれた和歌山では古くから、自然と人は密接に関わって暮らしていた。やがて優れた道具や美しい工芸品が生まれ、それらの技法は今なお大切に受け継がれ、進化し続けている。

紀州へら竿
紀州へら竿

強くしなやかな高野竹を中心に、竹という天然素材を極限まで研ぎすますことで生まれる紀州へら竿。火入れや継ぎ目の削り込み、漆塗りなど約300の工程を経て1本1本手作業で美しく仕上げられる。釣り師の意のままにしなる逸品だ。

竿の持ち手となる「握り」に施された、美しさと機能性を追及した装飾。竿師の特徴を最も表す部分でもある。

紀州漆器
奥ゆきある深い光沢と、ぬくもりある手触り、やわらかい口あたり。漆を塗っては乾燥を何度も繰り返し、丹念に磨き上げていく紀州漆器。そこには長い歴史と継承された技術が生み出す伝統美が宿る。単なる工芸品ではなく、長年使い込んでわかる本物の良さを手に取ってもらいたい。
紀州雛
紀州雛
ころころと玉のようにかわいらしい紀州雛は、紀州漆器の技術が注がれた工芸品。年月が経つほどに色ツヤが変化し、おひなさまの愛着は増す。

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