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世界に、また一つ、認められました 串本沿岸海域がラムサール条約登録

世界最北の大サンゴ群落を有する串本沿岸海域。国際的に重要な湿地として昨年11月にラムサール条約に登録されました。
高野・熊野の世界遺産登録に続き、ふるさとの魅力が世界に認められました。
こうした和歌山の素晴らしさを多くの人に知ってもらい、未来につなげていくことが、この地で暮らす私たちの役目です。

問い合わせ
県庁自然環境室 電話073-441-2779
写真のクシハダミドリイシをはじめとするサンゴは比較的浅い海域にあり、ダイビングだけでなくシュノーケリングでも十分見ることができます。ラムサール条約では水深が6メートルを超えない海域などを湿地として定義されていて、これにより今回登録されました。写真提供:宮道成彦さん

登録地域の概要〜海中はサンゴと生物の楽園〜

串本沿岸海域は、本州に位置しながら温暖な黒潮の影響を受けた大サンゴ群生域が広がっていて、国内でも屈指のダイビングのメッカとなっています。
約120種類分布しているサンゴのうち最もよく見られるクシハダミドリイシはテーブル状に海底を被って連なっています。また、国内最大規模のオオナガレハナサンゴ群落など学術的に重要なサンゴも多くあります。
こうしたサンゴ群落が、約1,000種類の魚を含む熱帯性生物の生態系を支えていて、美しい海中景観を形成しています。



南方から豊かな恵みをもたらす黒潮によって、串本沿岸海域に世界最北の大サンゴ群落が広がっています。


ラムサール条約
〜重要な湿地を保全する国際条約〜
渡りをする水鳥は、湿地をエサ場やヒナを育てる繁殖地として利用しますが、近年、こうした湿地が世界中で減少しています。
1971年、イランのラムサールという町で「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」が採択されました。これが「ラムサール条約」と一般に呼ばれています。日本は1980年に加入し、釧路湿原が国内で初めて登録されました。
現在では、水鳥の生息地だけでなく、サンゴ礁、マングローブ林、地下水系などさまざまなタイプの湿地の保全・再生を呼びかけています。
また、産業や人々の生活のバランスのとれた保全を進めるために賢明な利用を提唱していて、人々の交流や情報の交換・教育・普及活動を進めています。
平成17年11月現在、147カ国が加盟し、1,559カ所が登録されています。


釧路湿原 写真提供:釧路市

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貴重なサンゴ
オオナガレハナサンゴ エダミドリイシ ヒラニオウミドリイシ サオトメシコロサンゴ
写真提供:(株)串本海中公園センター
熱帯性生物たち


保全と活用をめざして

条約登録により新たな規制がされるわけではありません。この豊かな海を未来に伝えていくため、産業や人々の生活と均衡のとれた保全を進めていくことが必要で、私たち一人ひとりの自覚と行動が求められています。

海中の保全
近年では、地球温暖化の影響でオニヒトデや巻き貝が大量発生しサンゴを食べて死滅させるなど悪影響を与えています。駆除によってサンゴを守る取り組みが行われています。

オニヒトデや巻き貝を駆除
サンゴを食害する動物駆除実行委員会 代表 御前 洋さん
地元のダイバーの皆さんの協力を得て、数年前から巻き貝を、2年前からはオニヒトデを駆除しています。漁協や環境省にも情報をもらって、駆除は多いときには週に5日程度、火ばさみを使った人海戦術で、一回にコンテナ2つ分、200〜300個で、年間では2万個にもなります。美しいサンゴの海を守るために、これからも活動を続けていきます。


海岸から保全
海岸を保全することが、海中の保全につながります。地元では、そうした地道な活動に参加する人たちが増えています。

漂着ゴミを清掃し、海を守る
上浦を裸足で歩こう会 代表 堀口鉉気さん
登録地域に隣接した上浦海岸はアカウミガメの産卵場になっていますが、海からの漂着ゴミでいっぱいです。ここを裸足で歩けるようにしようとサーファーの仲間たちと一緒に呼びかけ、地元や串本高校生など多くの皆さんが8月の清掃に参加してくれました。その後も海からゴミが打ち寄せられています。ゴミを見つけたら拾って帰ることが自然と行われるようになり、一人ひとりの環境を大切にする行動につながっていけばいいですね。


多くの人にPR
県では、登録地域の魅力を「ほんまもん体験」や「修学旅行誘致」によって体験してもらい、また、世界遺産と結びつけた観光振興につなげるための魅力発信を行っています。

「ほんまもん体験」
ダイビングやシュノーケリング、シーカヤックなど体験を通して、和歌山の良さを知ってもらおうとするものです。
問 県庁観光交流課 電話073-441-2785

見学型から体験型に修学旅行も見直されて、昨年は初めて関東方面から修学旅行を誘致しました。



昨年10月に木村知事もダイビングを行いました。
そのほかにも
ラムサール条約串本会議
今回の登録をきっかけに環境省、県、町、地元関係者などが参加し、登録地域の保全や活用の方法を話し合っています。

県立水産研究所(仮称)の建設
県内水産業の振興に役立つ試験研究に加え、より多くの方に、漁業はもちろん黒潮の海や魚などを紹介する施設として、今年4月オープン予定で整備を進めています。

海中公園地区の追加指定
吉野熊野国立公園の海中公園地区として通夜島北岸区域が新たに指定され、他の地区とともに保全されることになりました。


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