7ch 世界遺産 高野・熊野

熊野見聞録

熊野の海

熊野の海

急峻な峰々が一気に海に迫る熊野。山と川と海が一体となり、容易に人を寄せつけない地形、人が住むことを許されるわずかばかりの大地に雄大な大海原がぐるりと取り囲んでいます。

熊野の地にとって、海は人々を交流させる道であり、さまざまなものがもたらされ、そして送り出していきました。

流れ着いた流木を祀る、漂着した船をご神体として祀る、あらゆるものが信仰の対象となり、複雑でさまざまなものが混在する、他に類を見ない信仰の世界があります。貴人の流離伝説や巨木漂着の物語を生み出し、そして、幾多の営みが、常世信仰、補陀落信仰などをも生み出していったのです。

熊野に伝わる最も有名な漂着の物語は、徐福という僧の伝説です。新宮市の蓬莱山にある阿須賀神社には古くから徐福宮が祀られ、徐福の物語が語り継がれています。

今から約2200年前、秦の始皇帝の命を受け不老不死の薬「天台烏薬」を探し求めて東の海の彼方、 蓬莱をめざして旅立ちました。3000人を乗せた船は暴風雨にあいながらも9年の歳月をへて熊野にたどり着いたという。

「天台烏薬」はクスノキ科の常緑樹で根が漢方薬として使われています。

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紀伊山地の霊場と参詣道

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