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熊野見聞録

森の中の静謐の社 -熊野本宮大社-

森の中の静謐の社 -熊野本宮大社-

熊野本宮大社は、全国に3,000社以上あるといわれる熊野神社の総本宮です。古くは「熊野坐神社」と呼ばれていました。

鳥居をくぐる。熊野古道に沿った参道の石段には「熊野大権現」ののぼりが左右にひしめき、神額のかかった門へと導いてくれます。

樹木に囲まれた重厚な桧皮ぶきの社殿。洪水の被害を免れたもので、1801~7年に紀州藩主によって再建された建物の形式は、中世以来の伝統と格式の高さを示しています。

本宮の地に神が祀られたのは今からおよそ2000年前、第10代崇神天皇の世といわれています。

平安時代の中期から鎌倉時代にかけて熊野詣が盛んにおこなわれました。延喜7(907)年、宇多上皇以来、法皇上皇の御幸も盛んで白河院の12度、鳥羽院の23度、後白河院の33度、後鳥羽院の29度と多くの御幸が記録されています。しかし、弘安4(1281)年3月、亀山上皇の御幸を最後とし、熊野信仰の担い手は武士や庶民にうつり、15世紀後半には「蟻の熊野参り」と呼ばれるほど盛んになりました。

江戸時代に入ると、紀州初代藩主徳川頼宜や八代将軍吉宗が熊野三山の復興に力を入れています。しかし、庶民の間に西国三十三ヵ所観音巡礼が流行し、那智山青岸渡寺が第一番札所であったことから伊勢参詣とも結びつき、多くの人々が熊野にあこがれ救いを求め、山深いこの地を訪れました。

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