霊宝館は、金剛峯寺をはじめとして高野山内に伝えられている貴重な文化遺産の保護収蔵と一般に公開するため大正10年(1921年)に開設されました。
幾たびかの火災により多くの文化財が消失してきましたが、高野山の密教芸術には、草創期の平安時代のものから、鎌倉、江戸、明治へと各時代時代につくられた、国宝23件、重要文化財174件、県指定文化財32件、史跡・名勝・天然記念物11件が現存しています。
さらに今後指定品となる可能性の文化財が5万点を越えるといわれている文化財の宝庫であり、宗教芸術の殿堂という霊場高野山のもう一つの姿があります。
主な収蔵品には国宝の諸尊仏龕、弘法大師の直筆による聾瞽指帰。平清盛が自分の血を絵の具に混ぜて描かれたと伝えられている重要文化財の両界曼荼羅図。金銅仏具、釈迦如来像などがあります。
真言密教の神髄を如実に映して、今の私たちに弘法大師の見いだした宇宙観や自然観、信仰の心を示してくれています。