田辺で二つに分かれる古道の一つは海岸沿いを進むルートです。
この120kmにおよぶ紀伊水道の海岸を南下する大辺路は、距離が長く、修験者や、西国三十三度行者と呼ばれる宗教者が主に通る経路でした。しかし、17世紀以降なると、風光明媚な道は、観光と信仰を兼ねた人々も多く利用するようになったといいます。
田辺から最初の難所、富田坂を登っていくと、
富田川流域に進出をはかるための拠点として安宅氏が築いた城跡、馬谷城跡の森が見える一里松跡に着きます。
谷に沿った林道を進んでいくと七曲がりと呼ばれるつづら折れの古道を過ぎると視界が開け、白浜や富田平野を眺めることができようになります。
老木が茂る自然林の道を歩き、峠の茶屋跡を通過して、緩やな上り下りの道を歩きます。
安居辻松峠を下っていくと祝ノ滝に向かう分岐点へ。高さ約10mの祝ノ滝は、この付近の豪族、田野井筑後守が娘の婚礼にこの滝を与えたといわれ、この祝いにあやかって名前がついたと言います。
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