特殊教育に関するQ&A

Q1  特殊教育とはどのような教育ですか。 

 A
 障害があるため、小学校、中学校の通常の学級における教育では十分な教育効果が期待できない児童生徒がいます。これら教育上特別の配慮が必要な児童生徒に対し、障害や発達段階、特性に応じてよりよい環境を整えた教育を行う必要があります。
 このような必要から行われる学校教育の一分野を我が国では「特殊教育」としています。
 また、文部省特殊教育課が省庁再編によって平成13年1月から文部科学省特別支援教育課と改編しました。特別支援教育として、学習障害や注意欠陥多動性障害、高機能自閉症等といった特別な教育的支援を必要とする児童生徒への対応も含めて、新しい世紀を迎えて特殊教育に対するニーズも大きくなってきています。 

Q2 和歌山県ではどのような教育目標を立てて、特殊教育を行っていますか。 

 A
 本県の豊かな自然を教育に生かして、「くろしおの流れのようにたくましく、降り注ぐ太陽のように明るい子ども、そして障害にうち勝つ強い子ども」を育てていきたいと願っています。
 特殊教育については、障害のある子どもたち一人ひとりが、自らのよさや可能性を生かし、もっている力を十分に発揮することができるよう、特別の配慮のもと、手厚く、きめ細かな教育を行うことが重要と考えています。このため、子どもたちの障害の状態や保護者の願い、また時代や社会の要請を踏まえて、積極的に社会参加、社会自立するための能力と態度を育成しています。 

Q3 和歌山県では、盲・聾・養護学校の設置等に係る施策はどのようなものですか。 

 A
 南北に長いという本県の地理的な条件を勘案するとともに、肢体不自由と知的障害それぞれの障害に対応した養護学校の適正配置に努めてきました。
 現在、特殊教育については、「高等部教育の充実」、「交流教育の充実」、「早期相談体制の確立」などが課題となっています。
 高等部については、全国盲・聾・養護学校の高等部設置率が約79%に対して、本県では100%設置しており、中学校特殊学級から養護学校高等部への進学率が、全国平均では約63%にとどまっている中、本県では希望者は原則として100%進学できる体制をとっています。 

Q4 和歌山県では、盲・聾・養護学校が何校ありますか。 

 A
 盲・聾・養護学校には、視覚に障害のある子どもたちのための盲学校、聴覚に障害のある子どもたちのための聾学校、知的に障害がある子どもたちのための知的障害養護学校、身体に障害のある子どもたちのための肢体不自由養護学校、気管支喘息や心臓疾患など病弱の子どもたちのための病弱養護学校があります。
 本県には、盲学校、ろう学校各1校、知的障害養護学校6校1分校、肢体不自由養護学校1校、病弱養護学校1校、併せて10校1分校を設置しています。
 平成11年4月に和歌山市内に知的障害、肢体不自由の児童生徒を対象とした紀伊コスモス養護学校が開校しました。 

Q5 盲・聾・養護学校と小・中学校の特殊学級との違いを教えて下さい。 

 A
 新入学者の健康診断等に基づき、市町村の教育委員会は適正な就学指導を行いますが、子どもたちの障害の種別や程度により、教育を受ける場として、盲・聾・養護学校及び小、中学校に設置されている特殊学級があります。
 特殊学級は、軽度の障害児のために設置されている学級で、本県では、知的障害、肢体不自由、病弱、情緒障害の障害に対応して、小、中学校を合わせて390を越える学級数を設置し、約900名の児童生徒が学んでいます。 

Q6 和歌山県の特殊教育の歩みはどのようなものですか。 

 A
 昭和23年に盲聾教育が義務制になり、大正7年から設置されていた県立盲唖学校を「和歌山盲学校」と「和歌山ろう学校」に分離・独立しました。
 養護学校教育は、昭和42年田辺市に隣接する上富田町に肢体不自由の子どものために「南紀養護学校」を開校し、48年に和歌山市に知的障害のある子どものための「紀北養護学校」、52年に上富田町に知的障害のある子どものための「はまゆう養護学校」を開校しました。いずれも寄宿舎が設置されており、通学が困難な子どもたちが、寄宿舎で生活をしながら学びました。
 昭和54年度に養護学校教育が義務教育となり、障害のある子どもたち全てに就学の機会が与えられることになり、本県においては、可能な限り自宅から通学出来るようにとの構想のもと、南北に長いという本県の地理的な状況を考慮して、養護学校の適正配置に努めてきました。紀北の橋本市近郊に「きのかわ養護学校」、中紀の御坊市及び有田市近郊にそれぞれ「みはま養護学校」、「たちばな養護学校」、紀南の新宮市に「みくまの養護学校」を開校してきました。
 平成11年4月、和歌山市に「紀伊コスモス養護学校」が開校し、適正配置が進んできたところです。 

Q7 盲・聾・養護学校を卒業した子どもたちはどのような進路を進むのですか。 

 A
 高等部の卒業生のほぼ半数の者は援護施設や更生援護施設において訓練や生活指導を受けます。
 3割ほどの卒業生は、サ−ビス業はじめ製造業、建設業などに就職します。
 盲、ろう学校の生徒は専攻科に進学する者が多くなっており、盲学校ではあん摩・はり・きゅうのそれぞれ専門家の資格を取るための勉強を行います。また、ろう学校では、理容師の資格を取るための勉強や被服科、産業工芸科の学習を行い、それぞれ自分の適性に応じた進路を選択します。
 卒業後の進路の保障は、大きな課題と受けとめています。 

Q8 訪問教育について教えて下さい。 

 A
 訪問教育の対象は、養護学校等における教育の一形態として実施され、対象児の障害の程度は学校教育法施行令第22条の3に定められます。就学が可能ですが、重度の障害のために通学することができない子どもたちのために、家庭等に教員を派遣して教育を行う制度です。また、中学部で卒業を余儀なくされていた子どもに対して、平成11年度から、高等部の訪問教育に取り組んでいます。 

Q9 交流教育について教えて下さい。 

 A
 交流教育については、全ての子どもの豊かな人間形成を図り、障壁のない社会づくりを目指す上で、極めて重要な活動と考えています。本県では、交流教育も積極的に進めています。なかでも、ろう学校の生徒が商業高校で情報機器の扱いや文書処理の授業を学び、商業高校の生徒がろう学校で手話や社会福祉について学ぶ学校間連携は、学習以外にも学校行事で多くの交流の機会をもち、全国的にも初の試みとして大いに注目を集めています。
 この取組以外にも、紀北農芸高校ときのかわ養護学校との和太鼓演奏を通じた交流や養護学校が行うボランテイア養成講座を受講した高校生とのふれあいなど、多くの学校がそれぞれの特色を生かして「ともに学ぶ交流教育」の実施を行っています。 

Q10 盲・聾・養護学校において実施されている特色ある教育について教えて下さい。 

 A
 各学校において様々な特色を生かした教育が実施されるとともに文部科学省委嘱事業等と関連して、次のような調査研究を実施しています。

 (1) 早期教育の在り方 

 障害の克服・改善のためには、早期発見、早期治療が大切ですが、本県においては、平成9・10年度と「早期教育の在り方」について文部省の委嘱を受け調査、研究を進めてきました。調査研究の成果を受け、各学校において教育相談部門が充実してきており、各校が中心となり、地域の医療機関や福祉機関と連携の上、障害乳幼児に係る情報交換やケース会議を開催しています。

 (2) 医療的対応が必要な児童等に対する教育の在り方 

 また、医療的な対応が必要な児童生徒に対する教育の在り方については、南紀養護学校、たちばな養護学校を研究中心校とする調査研究を文部省の委嘱により実施しています。早期教育や医療的対応を含め、今後の特殊教育の充実には、医療・福祉関係部局との連携が重要であり、これらの調査研究を通じてその強化に努めています。

 (3) 地域における就学支援システムの研究について 

 障害のある児童生徒の適正な就学指導をすすめることは、障害の改善・克服に有効なことから、各市町村教育委員会に設置している就学指導委員会と連携を深め、実効ある就学支援システムの在り方を研究します。今年度は、白浜町教育委員会に研究をお願いし、在住する障害乳幼児の実態把握や教育・福祉・医療との連携の在り方等の課題に取り組んでいます。
 その他設備面においても年々充実が進み、ろう学校に「集団補聴システム(相互通話式)」を導入するとともに、盲学校に、様々な学習情報を拡大したり、音声化、点字化できる「視覚障害児童生徒授業システム」を全国で初めて導入しました。
 このシステムは、和歌山盲学校の教員が独自に考えたもので、市販のシステムを児童生徒の実態に応じて再構築したものです。