西牟婁振興局地域振興部農業振興課

             4Hクラブ プロジェクト発表 

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 県下の農村青少年が、日頃の農作業の中で研究実践している技術向上・経営改善の成果を発表しあう場がプロジェクト発表です。
このページでは、西牟婁4Hクラブ員によるプロジェクト発表の内容をご紹介します。

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平成14年度
発表課題  : 『 ウメのナギナタガヤ草生栽培 』
発表者氏名   松本 一寿
所属クラブ    みどり4Hクラブ  

(発表要旨)        

1、はじめに

  西牟婁地方は梅やカンキツ、スモモなどの果樹栽培の盛んな地域で、4Hクラブ員のほとんどがウメを中心とした経営をしています。

  梅栽培は春から夏にかけて薬剤散布や除草、収穫など農作業が集中することや、土つくりのための堆肥の投入は重労働で大変きついということが問題となっています。 4Hクラブでは、除草などの農作業を軽減できる方法として四国地方のカンキツ産地で広がっているナギナタガヤの草生栽培が、梅栽培でも導入できないかと考えました。

2、ナギナタガヤの特徴

  ナギナタガヤは1年生のイネ科雑草で、原産地の西アジアから日本に入ってきた帰化植物です。この草は他の雑草を抑制し生えにくくすると共に、5月になると自然に倒伏して枯れます。
ナギナタガヤ 倒れた状態
ナギナタガヤ 倒れた状態

3、梅栽培においてナギナタガヤ導入の問題点
・管理作業がどのように変化するか不明
・種子代が高く(5,000円/1kg)10aあたり2~3kg必要。
・従来の品種(愛媛型)と市販されている品種とは違う

これらの問題点を解決するため4Hクラブでは共同プロジェクトとして取り組みました。


4、試験

 1)ナギナタガヤ草生栽培(草生栽培により管理作業がどのように変化するか検討)

 ①年間の除草作業の比較 平成12年10月27日播種

慣行栽培 草刈り 3回(4,8,9月) 除草剤 1回(5月)
ナギナタガヤ 草刈り 1回(9月) 除草剤 0回

      除草作業が4回から1回に軽減できました。

 ②1㎡あたりのナギナタガヤ草量

生重 乾物重 占有率 草丈 採取量
1,600g 585g 95% 69cm 234.6g

1㎡あたりの乾物重が585gであることから10aでは約600kgの有機物の補給ができる計算となります。

③作業時間の比較

  1年間のウメ作業別時間(10a当たり)  
 

慣行栽培

 ナギナタガヤ  草生栽培
整枝・せん定 24 24
施肥・土つくり 20 16
除草 16  4
薬剤散布 36 36
収穫・漬込み等 99 99
梅干し 50 50
ナギナタガヤ播種    4
合計 245 233

ナギナタガヤ草生栽培を行うことで、除草や土つくりのための堆肥の投入時間が減少しました。しかし、播種作業がふえています。そのため全体では、10aあたり12時間の短縮となっています。

 ④土壌分析

  pH EC 腐植 Ca Mg K P
ナギナタガヤ 6.2 0.03 3.1 325 60 75 113
無処理 5.8 0.10 2.8 452 67 54   89

             (平成12年9月)

  pH EC 腐植 Ca Mg K P
ナギナタガヤ 6.3 0.05 3.8 316 61 81 92
無処理 5.8 0.11 2.5 433 60 43 61

   (平成13年9月)※特に腐植の含量が高くなりました。

 2)植付方法(ナギナタガヤは種子代が高いため効率よく繁殖させる方法を検討する)

   直まき  平成12年10月27日播種   育苗移植 平成12年9月播種、10月27日移植
  播種量(10a) 作業時間(10a)
直まき 2~3kg 4時間
育苗移植 400g 32時間

育苗移植することで、種子量は1/5ですみますが、作業時間は8倍かかりました。
作業時間の関係から、広範囲に行うのは難しいと思われました。

播種 移植
播種 移植

 3)、品種比較 (従来(愛媛)型とY社型の特性を知る)

生育の推移  Y社型は早生系で従来型に比べ約2週間程度生育が早くなりました。

 草丈はY社型で54cm、従来型で69cmでした。

 敷き草の被覆は若干従来型の方が厚くなりました。

           品種別生育の推移

4)播種回数(ナギナタガヤの定着程度を検討する)

  1年のみの播種と、2年連続播種の比較では、2年連続で播種した方が草の生え具合が良くなりました。

5、まとめ

1)ナギナタガヤ草生栽培
草刈り作業  3回 → 1回
除草剤の使用  1回 → 0回
有機物の補給  600kg/10a
敷き草マルチ  果実に傷、泥が付かない
結論 管理作業の軽減と

土つくりが同時にできる 

2)その他の試験から

 

試験結果

結論

育苗移植  種子量   1/5

 作業時間  8倍        

 一部の畑で種とり用に導入
品種比較  Y社型  → 早生、小型

 従来型  →  敷き草効果大

 青梅収穫にはY社型

 落ち梅収穫には従来型

畑への定着  1年のみ → 翌年繁殖悪い

 2年連続 → 翌年繁殖良好

 2年以上の播種が必要

5、おわりに

 ウメのナギナタガヤ草生栽培は除草作業を3回程度省くことが出来る上、敷き草効果で、堆肥の補給等にも役だつ事がわかりました。平成13年度の導入面積は4Hクラブで50a、西牟婁全体では約25haになっています。
これからも4Hクラブで調査を続け、特性をさらに詳しく把握すると共に地域の農家にも広め、安全でクリーンで省力的な農業を目指していきたいと考えています。

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