頑張る人たち紹介「再織り体験教室」

高野口の伝統工芸「再織り」の手織り技術の保存と普及

再織り教室の写真

橋本市高野口は、日本で屈指のパイルの一大産地です。その歴史は約130年前にはじまります。明治10年に前田安助氏によって製法研究の上、手織機による手工業的技術の特殊織物「再織り」を創案し、高野口で広がりました。

今回はその「再織り」の手織り教室におうかがいして、お話を聞かせて頂きました。

再織りの復活

大正時代に入って、繊維産業の構造変化による量産可能な機械化が進み、高野口でもドイツから織機を導入し、「シール織(編)物」の産地として栄えましたが、再織りに関しては、機械化の研究がされなかったため、急速に衰退し、昭和35年頃には姿を消しました。
しかし、昭和58年、紀州繊維工業協同組合の振興対策事業の一環として、パソコンを導入した再織製織技術の近代化が行われ、量産が可能となりました。
また、昭和61年にはパイル織物誕生110年を記念して、パイル製品及び再織手織機やその製作過程を展示するパイル織物資料館として開館、その後、伝統技術の保存及び普及啓発を目的に、再織りの手織り教室が開催されることとなりました。
教室は、地元の繊維企業等の奥様方がボランティアで講師を勤め、周辺のみならず、大阪や和歌山市内からも生徒が訪れ、今年で12年目を迎えます。

再織りの柄の写真
再織りの様子の写真
再織りの糸の写真

再織りの特徴

再織りは生地に裏表がなく、なによりもその優しい風合いの柔らかい手触りが魅力の織物です。名前の通り、一度ヨコ縞に織った生地を縦糸にそって裁断し、毛羽だったモール糸にして、それを手織機で再び柄に合わせて織っていきます。
教室では、約30種類の柄の中から好きなものを選びます。織った生地は教室主催である紀州繊維工業協同組合をとおして加工し、オリジナルの鞄や財布などを作ることが可能なので、ご自分用はもちろん、喜んでくれるのでと、お友達やお孫さんへのプレゼント用に織っていらっしゃる方もいました。
また、組合では、手織機も紹介販売しており、購入して自宅でもされている方もいらっしゃるそうです。

伝統工芸の製作体験をすることで、構造や手間を理解し、その歴史と価値を実感することが出来ると思います。簡単なハンカチくらいでしたら、初心者でも1時間程で出来るので、是非一度見学にこられてみては如何でしょうか。

教室生徒募集のお知らせ

  • 場所
    紀州繊維工業協同組合 パイル織物資料館
    (和歌山県橋本市高野口町名倉1067)
  • コース開催月
    4月、5月、6月、10月、11月
    1クール4回(週1回 火曜日又は金曜日)(補足)月により曜日が異なります
  • 受講時間
    午後1時30分から午後4時
  • 受講費用
    受講費5000円(1クール)、材料費(柄や大きさによって織り糸の料金が異なる)
  • 申込先・お問い合わせ先
    有限会社 ティ・ティ・エム
    和歌山県橋本市高野口町名倉1067 TEL:0736-42-3113
  • 備考
    1回の体験教室については相談に応じます。

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