現在表示しているページ
ホーム > 組織から探す >資源管理課 >WAZAからJAZAへの資格停止通告への見解

世界動物園水族館協会(WAZA)が太地町での追い込み漁によるイルカ捕獲を理由として、日本動物園水族館協会(JAZA)の資格停止を通告したことについての和歌山県の見解

PDF版はこちら  ■English Version

 

Q1: JAZAがイルカ追い込み漁で捕獲したイルカの入手を禁止したが、その経緯は?

A1: 2015年4月、WAZAはJAZAに対し、会員資格の停止を通告しました。理由は、WAZAが倫理的でないと見なす追い込み漁で捕獲されたイルカを入手しているからというものでした。JAZAはこれまで関係機関とともに、追い込み漁は法律を遵守して行われ何ら違法性がないことを主張するとともに、展示用イルカの捕獲にあたっては、イルカがストレスを極力受けないよう、漁の方法を改善してきました。それにもかかわらず、WAZAは具体的な問題点を示すことなく、一方的に会員資格の停止を通告しました。JAZAは、WAZAからの脱退か、追い込み漁で捕獲されたイルカ入手の断念を迫られることになりました。WAZAから脱退すると、海外との動物のやりとりや情報交換等への支障があり、動物園・水族館の運営にも影響が及ぶことから、2015年5月、JAZAは会員による投票をおこない、会員が追い込み漁により捕獲されたイルカを入手することを禁止しました。

 

Q2: この一連の経過についての和歌山県の見解は?

A2: 和歌山県として、今回のWAZAの一連の行為は賛成できません。WAZAは、昔の方法のイメージをもって、追い込み漁は倫理的でないと批判していますが、現在の改善された方法を評価すべきです。

 

Q3: 野生動物を動物園や水族館で展示することをやめるべきではないか?

A3: 動物園や水族館では世界中の動物が展示され、その生態を身近に観察することができます。このような体験をきっかけにして、野生動物のすばらしさを知り、自然に興味をもつようになった人々も少なくないでしょう。そういった意味で、動物園や水族館は社会的にも教育的にも重要な役割を担っています。加えて、現在の動物園や水族館は、希少な生物を保護・繁殖させることで種の存続を図ったり、習性や形質を理解するための研究を行ったりといった学術的な使命も担っています。動物園や水族館による野生動物の展示は、動物たちの尊厳を無視しているとの意見がありますが、それだけをもって展示を否定してしまうと、動物園や水族館が担っている重要な役割までも排除されてしまうことになります。

 

Q4: 展示用イルカはすべて繁殖個体に限定すべきではないか?

A4: 野生動物の捕獲は少なからず種の存続に影響を及ぼします。しかし、現在太地町でのイルカ漁は、科学的根拠に基づく資源管理のもとおこわなれており、種の存続に問題を与えるものではありません。繁殖への努力は確かに必要です。しかしだからといって捕獲自体を否定してしまうと、繁殖に取り組むための個体さえ入手できなくなります。それゆえ、繁殖技術が確立されていない種は展示そのものができなくなります。種の存続への配慮は必要ですが、野外からの捕獲も、動物園や水族館が役割を果たしていくためには必要です。

 

Q5: 展示用イルカの捕獲方法として、追い込み漁ではなく、他の方法があるなら、それで捕獲するようにしてはどうか?

A5: イルカの捕獲方法として、追い込み漁以外では、まき網漁やフープネット(タモ網状の網)と呼ばれる手法があります。追い込み漁は、鉄パイプを叩いて群れを入り江に追い込みます。その際、金属音がイルカに致命的なストレスを与えているとする意見があります。しかし、イルカが平然と音の包囲をかいくぐることもあることから、必ずしもそうだとは言えません。入り江に追い込んでからは、まき網漁と同じく網を狭めてイルカを取り上げます。捕獲した後も、イルカが傷付かないように胸びれ部分に穴を空けた担架を使用するなどし、慎重に水槽まで運ばれます。よって、WAZAが非難していないまき網漁と何ら手法に大差がありません。WAZAが追い込み漁の部分だけを取り上げて非難することは、正しい判断とは考えられません。