今月の旬な味(ウメ)
和歌山県食育ひろば
今月の旬な味
今月紹介するのはウメです。
和歌山のウメって
和歌山県の梅は、栽培面積(5,620ヘクタール(平成21年))、出荷量(68,800トン(平成21年))ともに全国1位で、県を代表する特産物の一つです。
県内では、みなべ町と田辺市で多く栽培されています。梅は青梅として出荷されるとともに、梅干しとして加工されており、品種は青梅、漬け梅兼用種の「南高」が中心となっています。
和歌山で栽培されている主な品種
- 「南高(なんこう)」
皮が柔らかく果肉が厚く、干し梅としては最高級品種で、和歌山県(みなべ町)で誕生した和歌山を代表する品種です。ジュース用、梅干し用とどちらにも適した品種です。 - 「古城(ごじろ)」
6月上旬から収穫が始まります。果肉が厚く種が小さく、梅ジュースや梅酒用に適しています。
ウメができるまでを知ろう
(1)植え穴の準備と植え付け
植え付けは11月から12月に行う。
植え穴には、完熟した堆肥、苦土石灰、ヨーリンを施し、土とよく混和し、埋め戻す。
植え付け後、50センチ程度に切る。
植え付け間隔は7メートル×7メートルとする。
(2)整枝・剪定
11月から12月に実施する。
(重要)
Aは強くきる。
Bは弱くきる。
(3)受粉対策
梅は一部を除き、実をつけるためには、親和性のある他の品種の花粉が必要です。
南高や古城は、小梅などの受粉樹を混植します。
(4)施肥
果実の肥大をはかるために、4月から5月に実肥をやります。
果実を収穫後、6月から7月に礼肥をやります。
11月から12月には基肥をやります。
(5) 収穫
- 品種別の収穫期
小梅:5月上旬から6月上旬
南高:6月中旬から7月中旬 - 用途別による収穫期
塩づけ用
緑色が薄れ、陽光面が赤みを帯び、全体がやや黄色くなった完熟果を収穫する。
適した品種:南高、小梅
梅酒・梅ジュース用
果実が青いうちに早めに収穫する。
適した品種:南高、古城
栄養いっぱい
- クエン酸
梅干しの酸味のもと。すっぱさが唾液の分泌を促したり、さっぱりした気分にさせてくれます。
おいしく食べてね
青梅で梅シロップを作ってみましょう
梅シロップ
(材料)
青梅 2キログラム
グラニュー糖 1キログラム
(作り方)
- 青梅は洗い、竹串などでへたの部分を取って、水気をきる。
- 煮沸消毒した瓶に1とグラニュー糖を少量ずつ交互に入れ、冷暗所に2日から3日置く。
- グラニュー糖が底に残ったら、瓶を逆さにし、すべて溶けるまで(約10日)待つ。
物知りコラム
梅を生で食べないのはなぜ
未熟な梅には「アミグダリン(青酸配糖体)」という有害物質が含まれています。青梅を食べると酵素によって分解されて青酸に変わるので、下痢や青酸による中毒を起こすことがあります。生食するのはやめましょう。
なお完熟した梅や、梅干し・梅酒などの加工した梅は、アミグダリンが分解されて減っているので、中毒の心配はありません。