今月の旬な味(えんどう)
和歌山県食育ひろば
今月の旬な味
今月紹介するのはえんどうです。
和歌山のえんどうって
ウスイエンドウ
キヌサヤエンドウ
オランダエンドウ
えんどうには、大きく分けて、若い子実(豆)を食べる「ウスイエンドウ」と、さやごと食べる「キヌサヤエンドウ」、「オランダエンドウ」などがあり、県内では印南町、日高川町、みなべ町、御坊市などで多く栽培されています。
和歌山県のえんどうは、露地栽培と施設栽培を組み合わせて、11月から6月頃まで京阪神を中心に長期出荷しています。
また、和歌山県の生産量は全国2位(平成26年)であり、全国有数のえんどう産地です。
- ウスイエンドウ
明治時代に、大阪府羽曳野市の碓井(うすい)地区にアメリカから導入されました。和歌山県では、立地条件を生かした栽培がなされ、地域ブランド「紀州うすい」として認証されています。 - キヌサヤエンドウ
和歌山県では、ハウスと露地で栽培されており、新鮮でグリーンが美しく、さやが2つついた「アベックさや」が特徴です。 - オランダエンドウ
キヌサヤエンドウにくらべて色が薄く、さやが大きいです。
えんどうができるまでを知ろう
ここでは一般的な露地栽培を紹介します。
(1)畑の準備
連作を嫌いますので、3年から5年の間は、同じ所に栽培しないようにします。
石灰と堆肥(10平方メートル当たり10キログラム)を施し耕します。
化成肥料を10平方メートル当たり1キログラム施します。草木灰や過リン酸石灰もあれば、併せて施し耕します。
(2)種まき(9月下旬から10月)
1ヶ所に3粒から4粒ずつ、点まきします。
「移植の場合」
前作がまだ畑にあるときは、ポリポットにたねをまいて、本葉1~2枚で
植えつけます。たねまき後、20日以内に植えるようにします。
(3)間引き
草丈が7センチから8センチになったら、1ヶ所に2本立てにします。
(4)支柱立て
- 木や竹を使って仮の支柱立てをします。
- 支柱を何本か立てて、テープなどを張ります。途中にわらを吊すのも方法です。
(5)防寒対策
北風から株を防ぐために、図のような防寒対策をします。
(6)整枝
- 主枝と第1次分枝を生かし、第1花着花節の直下1節から3節に発生する第2次分枝と第3次分枝を欠きます。
- 凍害などで主枝や第1次分枝の先端が止まっている場合は、適当な第2次分枝を残します。
- 最終的には、うね1メートルの間に茎を25本から30本残します。
(茎葉の隙間から僅かに反対側の景色が見えるくらいを目安にします。)
(7)収穫(4月から5月頃)
開花後45日ぐらい、積算温度で約800度を目安に収穫します。
若取りに注意し、子実が充実したさやを収穫します。
栄養いっぱい
- β-カロテン
ほかの豆類とくらべてβ-カロテンが豊富です。β-カロテンは、体の中でビタミンAに変わり、皮膚や粘膜、視覚を正常に保つはたらきをします。 - ビタミンC
皮膚や粘膜の健康維持を助けたり、抗酸化作用を持つ栄養素です。熱に弱いので、加熱するときはさっと火を通す程度にしましょう。 - 食物繊維
便のかさを増したり、腸内環境を改善するはたらきが期待できます。
おいしく食べてね
うすいえんどうは定番の「豆ごはん」で楽しみましょう。
豆ごはん
(材料)
4人分
- うすいえんどう 70グラム(実のみ)
- 米 2カップ
- (A)
塩 小さじ2分の1
薄口しょうゆ 少々
みりん 少々
酒 小さじ1 - 水 2カップ
- 昆布 10グラム
(作り方)
- 昆布だし汁をつくり、A で味を調え、ごはんを炊く。
- ごはんが炊きあがったところに、さっとゆがいたうすいえんどうを入れ、蒸らす。
物知りコラム
遺伝学にも貢献「メンデルの法則」の誕生
遺伝学の祖、メンデルは、エンドウを材料に交配実験を行い、「優性の法則」「分離の法則」などを発見しました。
現在の遺伝学の基礎を築くきっかけとなったえんどう。ひとつひとつ感謝して食べたいですね。
参考図書
参考図書:「四季の野菜と果物づくり」社団法人家の光協会発行)