現在表示しているページ
ホーム > 組織から探す > 農林水産総務課研究推進室 > 畜産試験場 > イノブタ紹介

イノブタ紹介|畜産試験場

和歌山県畜産試験場でのイノブタへの取り組み

 本場が白浜町から現在のすさみ町へ移転した 昭和43年に、当時のすさみ町長から雄イノシシの子供を寄贈して頂いたことが始まりで、当場ではその雄イノシシと雌豚を交配させて昭和45年3月8日に初めてイノブタを誕生させました。
  その後、当場では昭和49年より公の機関としては全国に先駆けて農林省の総合助成を受け、イノブタの試験研究を始めました。当時は経済が高度化する中で、消費者ニーズも量から質、つまりグルメ嗜好の時代へと変化してきており豚の肉質向上を目的にイノシシとの交配試験を実施し、消費者ニーズへの対応と山村地域の畜産振興を目的に試験を開始しました。

イノブタ1 イノブタ2
イノブタ3 イノブタ肥育

 

当試験場でこれまでに取り組んだ主な研究内容

  1. 交配試験:一代雑種、種間雑種、戻し交配
  2. 産肉調査:増体量、歩留、肉質、味覚試験
  3. 飼養技術体系組立試験
  4. 青草給与試験
  5. イノブタの野外委託試験
  6. 肥育試験(ミカンジュース粕)
  7. イノブタ放飼肥育試験
  8. 人工授精によるイノブタ生産技術の検討

イノブタの特徴

 A.交配方法 和歌山県産のこだわり
  父親がイノシシで母親が豚。当場ではいろいろな交配試験を実施してきた結果、雄イノシシと雌豚を交配させてできた一代雑種が、肉質・生産性共に一番安定しているということで指導している。特に雌豚には肉質の良いデュロック種又はバークシャー種(黒豚)を使用している。
 B.産子数 (育成頭数) 平均8頭(7頭)
 C.飼育期間 生後約10か月飼育
 D.目標仕上げ体重 110kg
 E.身体の縞模様 幼いイノブタはイノシシの子ども(ウリ坊)の特徴である身体の表面に縞模様があるが、3~4ヵ月齢で消える。
 F.イノブタ肉 ①あっさりしていて臭みがなく、癖がない中にも風味がある。
②肉色は赤みが濃く、どちらかといえば牛肉に似ている。
③豚肉に比べ適度な歯ごたえがあり、保水性が良く肉汁の漏出が少ない。
④キメ・シマリが良く、歯切りの良い食感が食欲を増す。
⑤脂は特に口の中でとろけるような滑らかで、甘みがあり大変おいしい。
⑥全国的にも非常に珍しい食肉である。

 

デュロック種
デュロック種
又は
バークシャ種
バークシャー種
×
交配
イノシシ(雄)
ブタ(雌)
 
イノシシ(雄)
   
子イノブタ(ウリ坊)
子イノブタ(ウリ坊)
   
肉イノブタ
肉イノブタ
イノブタ肉
イノブタ肉
     


現在の畜産試験場の取り組み

  1. 肥育用子イノブタの配付:県内の飼育希望者に有料配付
  2. 飼育管理技術指導
  3. 生産物流通等の地域の取り組みに対して支援
    イノシシ舎
    イノシシ舎
    分娩育成舎
    分娩・育成舎
    分娩育成ゲージ
    分娩・育成ケージ
    分娩ストール
    分娩ストール
    イノブタ育成舎
    イノブタ育成舎
    イノブタ展示舎
    イノブタ展示舎
    イノブタ関連畜舎

 

イノブタの普及状況

  1. 飼養状況
     現在、県内の飼養農家戸数は4戸で飼養頭数は130頭程度です。紀南地方を中心にすさみ町、みなべ町、和歌山市で飼育されています。
    イノブタ農家   イノブタ発酵床畜舎
         
    イノブタ発酵床畜舎   イノブタ発酵床畜舎
    イノブタ発酵床畜舎(民間環境保全畜舎)


  2. 流通状況
      現在、まだ生産量は少ないものの、すさみ町を中心に県内の一部のホテル、レストラン、料理店、ドライブイン、道の駅等で販売されています。

今後の展望

 本県のイノブタは、大変商品価値の高い食肉であるが、これまでは安定流通が確保できなかった等で生産が進まなかった。しかし、みなべ町のウメ生産者やすさみ町のホテル経営者等による最近の新規生産農家増加と、すさみ町行政、すさみ町商工会、すさみ町観光協会を中心とした町おこしで火がつき、新たな生産希望者も増えてきており、生産拡大と地域や県内はもとより広く全国的に流通を広げた和歌山の新ブランディングに向けて期待が大きい。