革の種類

革の種類

鞣し方法による分類

クロム鞣し革

クロム鞣し革の製品の画像

鞣し期間が短く経済性に優れているため、最も広く行われている鞣し方法です。クロム塩(三価クロム)を鞣剤として使用。製品革は軽くて柔軟で保存性、耐熱性が良く、靴甲革、鞄・袋物用革、手袋用革、インテリア用革など広範囲に使用されています。また、近年は新しい触感や性状を出すために2種類またはそれ以上の鞣剤の併用によるコンビネーション鞣しが主流となっています。

タンニン鞣し革

タンニン鞣し革の製品の画像

植物タンニン剤を主として鞣した革で、クロム革に比べて伸びと弾性が小さく、可塑性に富み堅牢で、底革、ヌメ革(鞄・ベルト)、クラフト(革工芸)などに利用されます。また、近年、環境や人に優しいノンクロムなどのエコレザーが注目されています。

油鞣し革

セーム革に代表されるように非常に柔軟で、吸水性が良く、適度の親油性を持ち、洗濯が可能です。

革の加工・仕上げによる分類

銀付革 (Full grain leather)

天然の革の銀面模様をそのまま生かして仕上げた革で、代表的なものにボックスカーフやアニリン仕上げ革等があります。

  • アニリン仕上げ革:透明感のある仕上げ、用途は広く靴甲革、ハンドバッグ、鞄、家具等に使用されます。
  • ボックスカーフ:クロム鞣し後、染色し柔軟で光沢があります。高級靴、ハンドバッグ等に使用されます。

ベロア (Velour)

ベロアの画像

革の肉面を毛羽立てた革です。靴甲革、ハンドバッグ、衣料などに用いられています。毛足のやや長いものをベロア(Velour)、短いものをスエード (Suede)と呼びます。

バックスキン (Backskin)

銀面を除去し、毛羽立てた革で、きわめて柔軟で、スエードと同様の用途に用いられています。

エナメル革(Enameled leather)

エナメル革の画像

パテントレザー(Patent leather)ともいわれ、ウレタンなどの耐摩耗性で、光沢のある合成樹脂による仕上が用いられます。礼装用紳士靴、婦人靴の甲革、ハンドバッグなどに用いられます。

床革 (Split leather)

床革の画像

成牛皮のように厚い皮を二層以上に分割して得られた銀面を持たない床皮を原料とした革。作業用手袋革をはじめ、塗装やラミネートによる表面加工で靴用革やベルト用革などに広く用いられています。

タンニン革 (Tannin leather)

タンニン革の画像

タンニン鞣し革には底革、中底革、ヌメ革などがあります。通常、革表面にロールをかけて艶を出して仕上げられます。銀面は淡褐色、断面はタンニンによって褐色になります。

  • 底革:成牛皮や水牛皮を植物タンニンで鞣したもの。厚くて硬い。靴底革として用いられます。
  • 中底革:成牛皮の腹部や肩部で作られます。
  • ヌメ革:底革より薄くて柔らかく、ソフトタイプとハードタイプに大別されます。用途により厚さを調整しながら、袋物、ベルト、革工芸に用いられます。

型押革 (Embossing leather)

革の表面に加熱高圧プレスで種々の型を付けたもので、近年技術的にも多様化し定番商品となっています。靴、ハンドバッグ、衣料などに用いられます。

ガラス張り革 (Corrected grain leather)

クロム鞣しの乾燥の工程で、革をガラス板等に張り付けて乾燥し、銀面を加工して仕上げたものです。靴甲革、鞄等に用いられます。

ヌバック (Nuback)

スエードと異なり革の銀面を毛羽立てた革で毛羽が非常に短くビロード状です。靴甲革、袋物、衣料などに用いられます。

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