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和歌山県 商工観光労働部 商工政策局 商工 振興 課


中国経済レポート Vol.6 平成18月1月

一、政策情報について

●今年、関税引き下げの措置を一層拡大 
 世界貿易機関(WTO)加盟時の関税減免に関する承諾事項に基づき、国務院の承認を受けて、輸入製品約100品目の関税の引き下げ幅を今年の1月1日か ら拡大する。対象製品は植物油、化学工業原料、自動車・自動車部品など。
 今まで、承諾対象製品はほとんど関税引き下げを履行してきたため、今年の関税引き下げ幅と対象品目は少数で、関税総水準に与える影響は大きくないとみら れる。実施した後、関税総水準は9.9%、うち農産物の平均税率は15.2%、工業製品は9.0%となる見込み。
 今年で、中国・アセアン諸国間のFTA合意に基づき、アセアン10カ国原産の製品に対して、最恵国待遇よりもさらに優遇する協定税率を適用する。「早期 収穫」製品についてはすべて関税を免除する。「アジア太平洋貿易協定」、中国・パキスタンのFTA構築に向けた「早期収穫プラン」、大陸と香港、澳門(マ カオ)との経済貿易緊密化協定(CEPA)などに基づき、これらの国・地域原産の製品の一部に対して、協定税率を適用する。またカンボジア、ミャンマー、 ラオス、バングラデシュ、スーダンなどの後発発展途上国約30カ国原産の製品の一部に対し、特恵税率を適用する。大陸部は台湾原産のパイナップル、バンレ イシ、パパイヤなどの生鮮フルーツ15種類に対し、関税を免除する。


●資源性製品の輸出を規制 製品油など 
 国家発展改革委員会などの7部門が共同して、希土、コークス、製品油等の資源性製品の輸出を規制する措置を公表した。主な規制品目は、▽希土の輸出量を 適切に調整して削減する;▽コークスの輸出クーたーは前年の水準を維持して増やさない;▽製品油の加工貿易を厳格に規制する。
今年から、加工貿易を停止する品目として、▽輸入木片・原木・パルプを原料に、加工・製造したパルプ・紙・段ボールの輸出、▽輸入皮を加工した製品・半製 品の輸出、▽輸入廃銅・銅精鉱による未鋳造・未圧延の銅の輸出――などが取り上げられている。
 1月1日から、製品輸出に伴う増値税還付率の改定品目としては、コークス、未加工の皮や毛皮、乾燥革などの増値税還付が撤廃されるほか、水銀、タングス テン・亜鉛・錫・アンチモンとこれらを利用した製品、金属マグネシウムとその一次製品、パラフィンなどの増値税還付率を現行水準から5%引き下げる。
 中国はエネルギー消費が多く、環境汚染がひどい製品に対し、税金還付の撤廃、税金還付率の引き下げなどによって、環境保全、エネルギー供給逼迫の緩和や 産業構造の合理化を図っている。


●国際貨物運輸業、100%外資の会社設立を承認  
 商務部が作成した「外商投資国際貨物運輸代理企業管理弁法」は2005年12月11日から実行され、海外事業者は中国で100%出資の国際貨物輸送エー ジェントの設立が可能となった。同規定によると、100%外国資本による国際貨物輸送エージェントの設立は資本金を100万ドル以上とし、国際宅急便など の経営が認められるほか、国際見本市への展示物や個人物品また国際貨物の輸送代理、チャーター便などの業務も展開可能となる。ただし、個人書簡と県クラス 以上の共産党・政府・軍機関の公文書の配達業務は除外とする。


●海外投資家によるA株への直接投資を条件付で承認  
 商務部、証券監督管理委員会、国家税務総局、国家工商行政管理総局、国家外匯管理局は共同して、「外国投資者による上場企業への戦略的投資に関する管理 弁法」を策定し、2005年12月31日に公布し、30日間後に施行される。
 同規定によれば、非流通の国有株・法人株の流通化改革を終えた上場企業及び株式全数流通の新規上場企業への資本参加を予定する海外投資家は、一定条件を 満たした前提で、中・長期的資本参加プランを通して、A株(国内向けの人民元建て株式)の直接取得が認められる。それまで、海外投資家が必ず資格をもった 海外機関投資家(QFII)を介して、国内向けの流通株を取得しなければならなかった。
 海外投資者が国内流通株を直接に取得する主な要件は下記のとおり:
(1)当該会社またはその親会社が大陸部域外に保有する正味資産額が1億ドル以上、または当該会社または親会社が管理する域外の資産総額が5億ドル以上で あること。
(2)過去3年以内に、国内外の管理監督機関から重大な処罰を受けなかったこと。
(3)出資比率は、対象企業の発行株の10%を下回らない。法規に明確な規定がある業種については、その上限を超えてはならない。
(4)購入価格は協議による。取得してから、3年間以内、放出してはならない。 
(5)外資による出資が法によって禁止されている分野は、海外投資家による資本参加を認めない。


改定個人所得税法を実施開始
 国務院は個人所得税法の改定に伴って、「中華人民共和国個人所得税法実施条例」の改定を公布し、今年1月1日から実行に入った。主な改定内容は、個人所 得税の控除額を毎月800元から1,600元に引上げたほか、 △2箇所以上から賃金・給与を所得するもの、△海外からの所得があるもの、△年間収入額(賃金・給与に限らず、すべての収入)が12万元を超えたものなど は重点監視対象として、税務機関への登録を義務つけている。
 また、在中国居住満1年間のものが納税義務人として、1回で30日間未満または年間累計で90日間未満の一時出国日数は控除されない。中国に住所を持た ないが、1年間以上、5年未満滞在したものは、海外からの所得について、中国内企業及びその他経済組織または個人より支払われた部分に限って納税する。居 住期間が5年を超えたものは、6年目から中国以外からのすべての所得に課税する。中国に住所を持たず、当該納税年度で、中国内での滞在期間が連続または累 計で90日間未満の個人は、海外雇主より支払われて、且つ同雇主の中国機構や事業所が負担しない所得は免税される。
 

●外資系の職業紹介機関、北京で設立可能に 
 北京市では今年の1月1日から、国内資本と外資による職業紹介機関の共同設立が認められるようになった。同市の労働保障局、工商行政管理局、商務局は、 外資系職業紹介機関の設立について、国の暫行規定(2001年12月施行)に対応する実施規定を公布し、具体的な条件を定めている。
 同規定によれば、共同設立の条件として▽中国側:「北京市職業紹介許可証」をもつ法人で、職業紹介サービスの実績が1年以上ある▽外資側:職業紹介サー ビスの実績がある。また、外資側・中国側の何れも、資本金が30万ドル以上を持たなければならない。設立する職業紹介機関には、専門大学卒以上で、職業紹 介資格を持つ専任の従業員が5人以上居なければならない。取扱える業務は、中国人・外国人労働者の求職登録、機関の求人登録、人材推薦、就職指導、相談、 就職相談会の開催などとされる。


●中国、ベンチャーキャピタル設立に関する規定を公布 
 ベンチャーキャピタルに関する規定「中国名:創業投資企業管理暫定弁法」は05年11月13日、国務院の承認を経て、正式に公布された。同規定は、国家 発展改革委員会など10部門が共同して策定されたもので、それを持って、ベンチャーキャピタルが法的保護を受けることになる。
 同「弁法」では、ベンチャーキャピタルの設立について次のように規定している:
 投資者の数や投資者1人当たりの投資額を規定し、ベンチャーキャピタルの私募による資金調達に法的根拠を与える。ベンチャーキャピタル業者は、投資管理 顧問を任命して投資管理業務を委託することを認め、委託管理に法的保護を与える。ベンチャーキャピタルの資本金払込期限を部分的に猶予する。資本金3千万 元以上の企業を設立する場合、設立当初の払込金は1千万元とし、残りは設立後の5年内で入金が認められる。

 
●生産力過剰の11業界に対し、規制措置を発表  
 国家発展改革委員会は、鉄鋼、自動車、電解アルミ、銅、電力、石炭、セメント、鉄合金、コークス、カーバイド、繊維の11業界が生産力過剰の問題を抱え ていると指摘。うち鉄鋼は生産力が需要より1億2千万トンを上回り、電解アルミは非稼動施設の年間生産能力が延べ260万トンに達している。鉄合金業界で は、稼働率がわずか40%に留まる。
 それに対し、国有企業を管轄する国有資産監督管理委員会は、深刻な生産力過剰を見せた鉄鋼などの11産業で、重点国有企業を対象とした生産能力の調整を 進める方針を明らかにした。
 国の関連部門による規制措置として、▽11業界の生産量・生産力の抑制▽業界参入基準の引き上げ▽立ち遅れた生産施設の淘汰▽税制等による行政措置―― などがある。


●2006年、エネルギー資源価格の改革を推進  
 1月4日に開催された全国物価局長会議によると、今年から石油精製品、電力、水道、天然ガス、石炭、土地の分野で、エネルギー資源価格の改革を本格的に 推進する。
 今年より、価格管理部門としては、国内の石油製品価格を見直す;電力価格は、新しい供配電価格の管理方法を実施し、電力の販売価格の構造を調整する;水 道料金は、水資源利用料の徴収範囲を拡大し、水利プロジェクトと都市の給水価格を調整し、汚水処理に関する料金徴収制度実施への取り組みを強化するなど、 方針を明らかにした。さらに、天然ガスの価格管理を改善し、出荷価格の分類を簡素化し、天然ガス価格と代替可能エネルギー資源の価格をあわせて調整する。 その他、石炭価格の市場化を促し、土地価格も改革する。


●国内消費拡大の対策を発表 
 国家発展委員会は今年に入って、一層の内需拡大を狙い、都市部住民の最低生活保障基準の引き上げ、農村市場の開拓などの対策を持って消費奨励の方針を決 定した。
 対策の概要は、都市部住民の最低生活保障基準を引き上げ、企業の最低賃金制度を厳格に実行し、住民の収入を全面的に増加させる。農村市場を積極的に開拓 し、農産物の卸売市場を発展させ、農村でのチェーンストアを増設し、農業資材の配送手段を強化して、農村の消費市場を拡大する。そのほか、教育や医療分野 の法外な費用徴収、通信部門の高価サービス問題の解決に力を入れる。住宅や乗用車に関わる消費政策を充実させ、消費成長の新しいスポットを拡大する。文化 娯楽、ヘルスケア、観光消費の一層拡大、消費環境の改善、消費者ローンの規則化、個人消費信用システムの構築を加速する。
 

●中国、銀行業の対外開放を一層拡大 
 中国銀行業監督管理委員会(銀監会)劉明康主席は1月5日に開かれた記者発表会で、中国銀行業の一層なる対外開放の拡大を実行し、外資系銀行の中国での 業務展開を奨励することを明らかにした。
 まず、WTO加盟時の承諾事項に基づき、2005年12月5日から外資系金融機構による人民元業務取扱いの地域を汕頭と寧波の両市へ拡大した。同時に、 外資系金融機構による西部開発や東北地域旧工業基地振興戦略への参与を促すため、国務院の認可を経て、ハルビン、長春、蘭州、銀川、南寧の5つの都市にお ける外資系金融機構の人民元業務取扱いを前倒しに認める。 それまで、外資系金融機構が人民元業務を取り扱えるのは、上海、深セン、天津、大連、広州、珠海、青島、南京、武漢、済南、福州、成都、重慶、昆明、北 京、厦門(アモイ)、西安、瀋陽の18都市だった。
 また、外資系銀行による人民元業務運営資金規模の基準を引き下げ、外国銀行中国支店の各種類顧客(住民個人を含む)を対象とした人民元業務運営資金の最 高基準を現行の5億元から4億元に、外資系銀行中国支店の同運営資金の基準を現行の3億元から2億元に引き下げる。銀監会は『外資系金融機関管理条例実施 細則』を改正し、2006年末までの実施を目指している。
 中国銀行業の改革開放は大きく進展させるため、銀監会は、資格に合った国内外戦略投資家による中国系銀行の改革や再編への参与を積極的に支援するととも に、『海外金融機構による中国系金融機構への投資・株式取得に関する管理方法』などを公布し、海外資本参加に有利な政策環境の整備に力を入れる。


二、産業動向及び地域経済

●2005年の飲食業売上は8,806億元に 
 飲食産業は昨年、鳥インフルエンザの発生などによって一定の影響を被ったものの、市場は前年に続き安定成長を維持した。商務部の推計によると、05年の 飲 食業売上は8,806億元、前年比16.8%増加し、15年を続けて2けたの成長を遂げてきた。今年、売上は1兆元に到達と予測される。
 外食産業は前年に続いて、消費需要の急速成長に大きく寄与した。昨年、飲食業売上総額は、前年より1,268億元増加し、全消費財小売総額の伸び率を4 ポ イ ント上回った。消費財小売総額に占める飲食業売上の割合は13.9%、消費財小売総額増加への寄与度は18%となった。飲食業による年間納税総額は484 億元で、前年比17.8%増加した。
飲食市場の全体規模は1978年に比べ、159倍の成長を遂げた。


● 都市部住民の財テク調査:消費と住居購入の意欲は低下傾向 
 中国人民銀行が11月から、全国50の大中規模都市で住民の財テクに関し、アンケート調査を実施した。2万件ほどの有効回答から、貯蓄意欲の向上、住居 購入意欲の低下、外貨貯蓄の意欲低下など、財テクの傾向が分かった。


●持続的に向上した預金意欲
 62.1%の住民は、現行の預金利率が「低い」と回答したにもかかわらず、預金のほうが一番得と思う回答の割合は、前期より1.6ポイント増の 39.5%に達した。有効な投資運用が見つからず、やむを得ず貯金を選ぶ動向のあらわしとされる。
 

●低下する消費と住居購入の意欲
 「消費(ローンによる消費をも含む)すればするほど得」と回答した住民の割合は、前期比で0.3ポイント低下し、昨年同期比では1ポイント減の 29.5% となった。また、向こう3ヶ月に、住居購入の予定があると答えた割合は19.2%で、前期より0.4ポイント低下し、また昨年同期比で2ポイント低下し た。
 不動産市場へのマクロ調整の影響を受けて、一部都市では不動産の値上がり幅が緩やかに縮小し、上海市では値下げの動向さえ見られるようになったことか ら、住居の買い控え傾向を見せている。


●持続に低下した外貨預金の意欲
 中国人民銀行は10月15日に商業銀行の米ドル及ぶ香港ドルの小口外貨預金利率を再び引き上げたにもかかわらず、住民の外貨預金意欲への刺激にならな かっ た。米ドルで預金した住民の割合は昨年同期比0.7ポイント減の3.4%となり、香港ドルで預金した割合は同0.3ポイント減の1%となった。


●負債比率の低下
 調査によると、借金を抱えていない住民の割合は、前期より2.4ポイント増の74.9%となり、借金を抱えている住民の比率は、ここ3年来の最低水準に 至ったことがわかった。
 不動産に対する金融引締め措置は投機を目的とした住宅購入行為を抑制したため、住宅を担保としたローンの伸びは顕著に縮小し、申請基準の引き上げ及び利 率引き上げなどによって個人消費融資の需要が抑制されたことは、住民の負債減少の原因とされている。


●石炭、電力の需給は改善の兆し 
 国家発展改革委員会によると、エネルギー資源産業への投資の急増で、エネルギー資源の供給は、2006年に大きな転機を迎える。中国経済発展の足かせと なっていた石炭、電力の供給不足は大幅に改善され、中国全体のエネルギー資源の供給は、「基本的な需給バランス」が見通される。
 関係筋によると、2005年の石炭生産量は前年比7.9%増の21.1億トンで、2006年は約22億トンと予測している。マクロコントロール措置が功 を 奏して、電力、冶金、建材および化学工業などの生産増加が徐々に緩め、石炭への需要は比較的に合理的な水準を維持するため、2006年、石炭の需給は総じ てバランスが維持可能と見られている。
 一方、石炭需要の急増は石炭業への固定資産投資を刺激してきた。2001年より、石炭業への固定資産投資は年々増え、2005年10月現在、延べ 2,000億元を突破した。全国炭鉱の生産能力は延べ22.6億トンに達した。
 また、電力の需給関係においても供給不足の状況を脱却し、需給バランスが取れるようになりつつある。電力市場の「転機」は、今まで予想されていた 2006 年末より早まることになった。電力の需要増加が緩和するとともに、水力発電所の水源および火力発電用の石炭は充分に供給されるため、発電能力の急増、電力 網の送電能力の向上が電力供給逼迫緩和の主要原因とされている。


●中国の自動車工業、4大問題が顕在化 
  国家発展改革委員会の傘下研究機関は、中国の自動車工業について、生産・販売台数が急増する一方、(1)過熱(2)開発能力の弱さ(3)産 業集積の不足(4)組立設備の立ち遅れなど、4大問題点の顕在化を指摘した。
自動車産業は、過熱投資の状況にある。全国の27省市で自動車の開発や生産が事業化され、21の省市で乗用車が生産さてている。中国で、自動車の生産企業 が2,400社以上もあって、完成車の年間生産能力は約550万台に達し、2007年は約1,500万台に達し、市場需要を大きく上回る。
 開発能力が弱いため、他社製品の模倣が多く、独自技術が少なく、海外資本への依存度が高い。乗用車市場は海外ブランドの車種が多い。中国独自開発の新製 品が全体の32%、うち乗用車が10.5%しか占めていない。新車種は殆ど海外技術を導入して開発された。
 産業の集積化が遅れ、生産ラインが短く、規模が小さく、コストが高い。関連部品や素材の生産能力が不足し、外資系の完成車工場が必要な特殊な鋼材や部品 の多くは、輸入に依存している。国内鉄道運輸能力の不足によって、鋼材と部品の納期は長く、企業の運輸コストと在庫コストを増大させている。
 最後に、自動車の消費・使用により、環境に大きな負荷をかけている。大・中都市の交通渋滞や、停車場・駐車場の深刻な不足などの事情は、自動車産業の発 展を制約している。また、原油価格の高騰への懸念や自動車購入ローンの停滞が消費意欲を抑制しかねない。

●上海の外資系企業、収益力低下
 過去2年間、50%の利益成長率を維持してきた上海の外資系企業は2005年1-10月、利益総額が低下へ転じた。同市統計局のデータによると、同期間 に おける外資系企業の売上は11,385億元で、前年同期比35%増加したが、利益総額は545億元で、同5%減となった。関係筋は、外資系企業の収益力低 下 に関して、国内のマクロ経済調整、国際市場の資材価格高騰の影響によるものと分析し、2003年後半からの経済過熱の解消にしたがって、2006年半ば頃 から、外資系企業の収益は再び上昇軌道に乗るだろうと見込んでいる。
 上海外資導入の現状は減速気味である。2005年1-10月、実行ベースでの新規導入金額は61億米ドルで、前年同期比5.2%増加したが、伸び率では 12.3ポイント低下した。一方、すでに進出した外資企業による増資は1-10月で、48%増加し、外資導入契約金額の48%を占め、前年同期比で10ポ イント以上増加した。

●青海=チベット鉄道、今年開通 
 世界から注目される青海=チベット鉄道は2005年10月に敷設工事を完了し、今年の7月に開通と予定している。今まで、青海・チベット高原では、道路 と航空が主な輸送手段となって、内外旅客の輸送需要を十分に満たせなかった。青海=チベット鉄道の開通にしたがって、北京、上海、広州、成都、西寧、蘭州 の6都市が第一陣の直通都市として、それぞれラサまでの直通列車を運行する。列車は普通車と高級車に分けられる。高級車両には飛行機と同様の酸素供給施設 を取付けるので、旅客は酸欠反応を免れることができる。北京からラサまで、高級車の走行時間は48時間で、普通列車はそれより長い。
 列車は観光機能を充分に配慮し、記念撮影の便宜をはかるため、重要な観光スポットに停車する。


●万博、軌道交通、民生は、上海市のキーワード 
 「上海市第11次5ヵ年計画」に書き込まれた重点事業として、万博、軌道交通、黄浦江沿岸再開発は、同市の今後五年間の発展を語るキーワードとなって、 市民の関心を集めている。
万博:2010年、万博の円満な開催は、市民の共通した願いである。万博のテーマである「より良い都市、より良い生活」を、市民が追求目標としている。万 博予定地に住んだ約1万余の所帯は円滑に立ち退かれた。
 軌道交通:今後の5年間、上海市交通発展計画は、公共交通を最優先とする。とりわけ、2010年までに、延べ300キロの軌道交通を整備する予定。
 黄浦江沿岸部の再開発:遊覧船に乗って黄浦江沿岸の美しい景観を楽しむことは、人気の観光コースとなっている。今後5年間で、黄浦江沿岸は全面的に開発 され、万博会場、国際海運センター、新興住宅団地などが立ち、その景観がさらに美しくなろう。
 民生:雇用、居住、食品安全、交通、出稼ぎ労働者、高齢者など、市民が大きな関心を寄せている問題は「五ヵ年計画」に盛り込まれた。1人当たりの居住面 積 が14.8平米、1人当たりの公共緑地が11平米、年間50万人の新規雇用増加、郊外農民6万人への職業訓練実施、延べ16万人に及ぶ一人暮らしまたは特 別介護が必要な老人へのサービス提供などの目標を掲げて、社会事業への支出増加分の70%を民生事業に向ける。


●上海に新たな深水港が稼動 世界一港湾への第一歩  
 上海国際航運センターの中核プロジェクトとして建設された洋山深水港の第1期工事は2005年12月10日、開港式を行って稼動を開始した。同日、洋山 港と上海側の陸地を結ぶ全長30余キロの洋上橋梁「東海大橋」も開通した。
 同港の開港により、上海は初めて良質の深水港を保有することになった。完成の一期工事としては、長さ1,600メートルの埠頭で、7〜10万トン級のコ ン テ ナ船が5隻停泊することができ、最新型のパナマックス型(5万〜8万トン級)コンテナ船も停泊可能。年間300万TEU(TEU=20フィートコンテナ換 算)以上の貨物を取り扱う能力を持っている。二期以降の工事完了にしたがって、年間2,500万TEUの貨物取扱能力を持って、世界最大級のコンテナ港と な る。


●2005年度の最大暴利業種を披露

 某専門紙が民間調査の結果に基づき、「2005年度の最大暴利10業種リスト」を披露して、エネルギー、医療・医薬、教育、葬儀、教材出版、高速道路、 ケーブルテレビ、不動産、オンラインゲーム、美容整形などをリストアップしている。行政力にとる独占的経営資源の利用、本来は公益事業となるはずなのに結 局暴利を上げたものが大半を占めているため、熱い議論を引き起こし、特に医療制度、教育制度の是非を求める市民の声は高まった。


●揚子江デルタ、1人あたりの可処分所得は1万元を突破
 2005年第3四半期までの各地統計データによると、揚子江デルタ(上海及び付近の16都市から構成)の1人当たり可処分所得は11,644元に達し、 前 年 同期比で14%増加し、その内、15都市は2桁の伸び率となった。とりわけ、上海は14,136元と引き続きトップを占め、その他、平均1万元を超えたの は、浙江省の7都市、江蘇省の4都市である。全般的には中国一発達地域にもかかわらず、最高(上海市)の14,136元と最低(江蘇泰州市)の8,341 元 で、都市間の収入格差は大きい。収入内容は主に、賃金・給与、事業経営、財産保有、譲渡の4種類から構成され、下記の特徴を示している:
○同地域16都市の給与・賃金所得は平均して8,283元/人で、前年比14.8%増加し、収入総額に占める比率は65.5%となる。江蘇省8都市の給 与・ 賃金所得は7,033元/人、家計収入に占める比率は63%、その比率が相対的に低い。
○経営による純収入は全地域平均で918元/人、家計収入総額での比率は7%強となる。そのうち、浙江省7都市の経営収入は1,291元/人で、家計収入 に 占める比率は9.3%と一番高い。
○財産保有による収入は地域全体平均で335元/人、家計収入での比率は2.6%、前年同期比0.6%増加となった。そのうち、上海市の財産保有収入は 217元/人で、家計収入に占める比率が1.4%、何れも浙江省と江蘇省を下回っている。
○財産譲渡による収入は地域平均で3,117元/人、家計収入の24.6%を占める。江蘇省8都市では、3,254元/人、家計収入の29.2%を占め、 高い 水準となっている。

三、国際経済関連

●CEPA実施の結 果、3.5億ドル以上の香港・マカオ製品に「ゼロ関税」 
  税関のデータによると、2004年1月から2005年10月まで、中国内陸部が香港から「ゼロ関税」の優遇措置適用商品を計3.5億ドル、澳門(マカオ) から同110.92万ドルを輸入し、それぞれ関税を2.1億元、92.6万元免除した。
  2003年6月と10月、中央政府は相次いで香港特別行政区とマカオ特別行政区との間で「経済貿易の一層なる緊密化に関する協定」(略称:CEPA)に調 印し、2004年1月1日から実行に入った。現在、内陸部では、香港原産で1108種類、マカオ原産で509種類の商品に「ゼロ関税」を適用し、香港とマ カオから輸入されたほとんどの商品を対象としている。「ゼロ関税」の実施によって、香港企業が最も多く恵まれている。適用商品は食品、化学工業製品、医薬 品、プラスチック製品、紙製品、金属製品、機械電子製品、繊維製品およびアパレルなど、数多くの産業に関係し、香港の伝統的輸出品目が多く占めている。   統計によると、内陸部と香港、マカオの間の輸出入貿易額は2004年で、それぞれ1,126.7億ドルと18.3億ドルに達した。2005年1〜10月 で、 内陸部と香港、マカオの輸出入高はそれぞれ1,071億ドルと14.8億ドルに達し、香港は前年同期比で20.9%増となっている。
 昨年の10月に、中央政府は更に香港特別行政区及び澳門特別行政区と、CEPA枠組み内における内陸部の開放拡大についての『CEPA補足合意2』に調 印した。それによって、2006年1月1日から、香港、マカオ原産の輸入品(内陸部の関連法律、法規、規則で輸入が禁止される商品、国際公約の履行にした がって輸入が禁止される品目および内陸部が関係国際合意に基づく特別な承諾の商品を除く)に対し、全面的に「ゼロ関税」を実施し、双方の貿易自由化が基本 的に実現している。


●中国企業の対外投資先、アジアは6割強でトップ 

 商務部によると、中国(大陸部)は2005年で、約220カ国・地域との対外経済協力プロジェクトを実施した。中国企業の海外進出において、対外直接投 資額 の66%、海外受注プロジェクトの42%、対外労働力供与の54%がアジアでの事業である。
 2005年、中国は海外進出戦略を加速した。1〜11月の対外直接投資(金融分野除く)は56億5,000万ドルになった。海外プロジェクトの受注によ る収 益は178億6,000万ドル(前年同期比23.4%増)、新規契約金額は250億ドル(同20.5%増)となった。対外労働力供与事業の収益は41億 1,000万ドル(同30.7%増)、新規契約金額は35億ドル(同18.6%増)、派遣労働者数は22万人、11月末現在の在外労働者数は56万人(同 2万9千人増)となっている。
 外国企業の合併・買収(M&A)は中国対外投資の主な手法とされつつある。2005年1〜11月、M&Aによる対外投資は、対外直接投 資 総額の54.7%を占めた。海外でのM&Aは、主に電気通信、自動車、資源開発などの業界に集中している。加工貿易分野での対外投資は、軽工業、 機械、建築資材、電子、繊維・アパレルなどの業種が42%を占めている。


●商務部・財政部、中国企業の海外事業を資金面で支援  
 商務部と財政部は、海外事業を展開する国内企業に対する特別支援の提供に関する措置を公布し、支援対象は、対外投資、農業・林業・漁業での対外協力、海 外 プロジェクトの受注、対外労務提携、海外での研究開発センター設立、海外でのデザインコンサルタント事業展開などとする。
特別支援の中身は、▽事業立ち上げ資金▽中長期割引融資▽運営資金支援などである。
 中長期割引融資を申請する場合、1件当たりの融資額が300万元(または同額の外貨)以上であることを条件とする。事業立ち上げ支援金は原則として、企 業 実質投資額の50%までとする。但し、同一プロジェクトに対する資金支援は1回に限る。
 また、過去5年間に重大な違法行為や、政府への納金遅滞などがあった企業は、支援を申請できない。

四、特集 レポート: 産業構 造調整に関する方針と措置について

 国務院は2005年12月21日、『産業構造調整促進暫定規定』と『産業構造調整指導リスト』を公布し、産業構造の合理化と高度化を図り、盲目的な投資 と低水準の事業拡大を防ぐ目的とされている。
 『産業構造調整促進暫定規定』は、4章、21カ条から構成され、当面および今後一定時期の産業構造調整の目標、原則、方向および重点を明確した。それに あわせて、『産業構造調整指導リスト』では奨励、規制、淘汰の産業分類を決めて、相応の政策・措置を盛り込んだ。
 産業構造調整の目標:産業構造の合理化および高度化を推進し、第一次、第二次、第三次産業の健全、協調的な発展を促して、農業を基盤とし、ハイテク産業 に 先導されて、基盤産業と製造業によって支えられるサービス業の全面的発展を図るための産業構成を徐々に整えて、節約、クリーン、安全を堅持し、持続可能な 発展を実現する。
 また、「暫行規定」の関連文書として、『産業構造調整指導リスト』は、奨励、規制及び淘汰を分類して、目録を制定した。なお、上記3分類の以外、国家の 関係法律、法規に合致した業種は許容類と定義され、許容類は同リストに掲載されていない。
 指導リストに掲載されたのは、農業、水利、炭鉱、電力、交通、情報、鉄鋼、非鉄、石油、化工、建材、繊維、サービス業、環境及び生態保全、資源節約及び 総 合利用など20余業種、計1,128項目に及んでいる。そのうち、奨励類は539項目、規制類は190項目、淘汰類は399項目である。
 一戸建て住宅、ゴルフ場、競馬場は規制類とされたほか、鉄合金、コークス、カーバイト、自動車、銅製錬等は生産能力の過剰、また、セメント、電力、石 炭、 紡績業も潜在的能力過剰として問題視されている。それ以外、エネルギー消費は重要な判断基準となって、エネルギーや資源の消費、環境や生態への影響度合い によって、奨励、規制または淘汰の分類が決定されている。
 具体的措置として、奨励類の投資案件に伴う設備輸入は引き続き、輸入関税と増値税が免除される。規制類の製品と生産ラインは、規制条件下で投資と建設を 禁 止するので、投資管理部門による登録受け付けや承認、金融機関による融資供与、土地管理と都市企画部門による行政手続きはすべて許されないものとする。淘 汰類の業種は新規投資を禁止するほか、既存施設も期限をつけて淘汰する対策を講じる。


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