日本紅斑熱について

日本紅斑熱とは

紅斑熱(紅斑熱群リケッチア感染症)を引き起こすリケッチア(細菌の一種)は広く世界に分布しており、北米大陸にみられるロッキー山紅斑熱、地中海沿岸にみられる地中海紅斑熱などが代表的なもので、わが国でも1984年に初めて患者が報告され日本紅斑熱とよばれるようになりました。
この病気は、病原体(紅斑熱群リケッチアの一種 Rickettsia japonica)を保有するマダニに刺咬されることにより感染し、高熱・発疹・刺し口などの症状を呈します。適切な治療が遅れると重症化することがあり、予防と早期発見・早期治療が重要です。
和歌山県では、毎年数件から十数件程度、主に春から晩秋にかけて報告があります。

主な症状は

2日から10日の潜伏期間の後、39度から40度の高熱がでます。

「発疹」
手足などに米粒大から小豆大の紅い斑点が出現し、かゆみは伴わないが、やがて全身に拡がります。

「刺し口」
ダニ類に刺された部分は、直径5ミリメートルから10ミリメートル程度に紅く腫れ、その中心に潰瘍や黒いカサブタが見られます。

治療は

日本紅斑熱に対する有効な抗生物質薬があるので、早期発見・早期治療が重要です。

山野などに立ち入り、2日から10日後に、風邪などに似た症状や日本紅斑熱の主な症状がでたときには、ただちに医療機関を受診してください。その際には「最近、山野に行ったことがある」などの情報も診断に役立ちます。

適切な治療が遅れると重症化することもあります。

予防は

特にダニ類が多く生息する野山、畑、草むらなどに出かけるときには次のことに注意が必要です。
長袖、長ズボンなどで肌の露出を少なくし、防虫スプレーを使用する。
直接草むらや地面に座ったり、衣服を置いたりしないようにする。
帰宅後はすぐに入浴し体についたダニを落とし、新しい服に着替える。

参考

その他、日本紅斑熱に係る詳しい情報については国立感染症研究所をご覧ください(外部リンク)

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