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環境生活部環境政策局環境生活総務課自然環境室

  COP10一周年・国連生物多様性の10年・国際森林年記念行事

 南方熊楠シンポジウムを開催しました。

~南方熊楠のエコロジー思想とは何か?~

みなかたくまぐす画像提供:南方熊楠顕彰館(田辺市)

【開催概要】 

 南方熊楠(1867-1941)は、和歌山県出身で、民俗学の分野における近代日本の先駆者的存在であり、博物学、宗教学の研究や、植物学、特に「隠花植物」と呼ばれていた菌類・変形菌類・地衣類・蘚苔類・藻類の日本における初期の代表的な研究者です。今からちょうど100年前に生物どうしのつながりの重要性、つまり現代の生物多様性の考え方に通じるエコロジーの思想で自然保護運動を展開しました。現代社会に熊楠のエコロジー思想を問いかけるとともに、熊楠が愛した和歌山県の素晴らしい自然を全国に発信するために南方熊楠シンポジウムを開催しました。

日時:平成23年10月2日 13時30分~17時

場所:明治大学アカデミーホール(東京都千代田区神田駿河台1-1)

観客数:1300人(当初予定1000人)

南方熊楠シンポジウムチラシ

南方熊楠シンポジウム記録集

 

【南方熊楠シンポジウムの模様】

○開会挨拶

 仁坂吉伸 和歌山県知事 

にさかちじ

  「熊楠のフィールドが台風12号で大きな被害を受けたが、今まさに蘇ろうとしている。」と報告し、そのあと、今年5月の第62回全国植樹祭での和歌山県における国際森林年の取組を紹介。最後に、シンポジウムについて「熊楠がエコロジーという概念を日本に紹介して100年の節目の年に、熊楠が時空を超えて語りかけているメッセージを知るきっかけにしてほしい。」と挨拶をしました。 

 

 鈴木正規 環境省地球環境局長

すずき

  鈴木局長のご両親は和歌山出身で、局長ご自身も湯浅町生まれとおっしゃったあと、熊楠はスケールが大きすぎて何をした人かわからないが、でもすごい。その熊楠を通して自然とどうつきあっていくのか、災害とどう向き合うのかを考えてほしいとご挨拶されました。

 

○基調講演 「熊楠とエコロジーの物語-そこに愛と神があった」

 荒俣宏 氏(作家)

あらまた

 人類がバランスよく生存していくための大事な発想が20世紀に発展した「エコロジー」であり、また、その「エコロジー」という言葉は現在「生態学」「自然と一緒に暮らそう運動」の2つの意味で使われていることをご紹介いただいた後、「エコロジー」思想の歴史と変遷について、対象が植物から動物、さらには人間、地球へと広がり、次第に活動としての意味が付与されていく過程を南方熊楠を含め11名のエコロジストを通じてご説明いただく中で、「エコロジー」という非常に難しい概念を100年前に日本において提唱した熊楠の偉大さと、その意味について語っていただきました。

 

○講演 「生命誌の世界と熊楠」

 中村桂子 氏(JT生命誌研究館館長)

なかむら

 西洋、東洋、日本の思想を融合した熊楠の思想や、現代の機械的世界観ではなく、ヒトも含めた自然という複雑なものに向き合う熊楠的考え方がこれからの社会にとって大切であるとご講演くださいました。

 

○講演 「熊楠のエコロジー思想」

 井川憲明 氏(元明治大学農学部教授)

いかわ

 熊楠は生命愛を感じることができる第7感に優れていた「超感性人」であると熱弁をふるわれました。

 

○講演 「熊楠の愛した“生物多様性の宝庫-熊野”」

 黒田大三郎 氏(環境省参与)

くろだ

 吉野熊野国立公園レンジャーとして2年半、熊野で過ごされた体験から、熊楠の愛した熊野の森や生き物の特徴についてご説明いただき、「熊楠の愛した熊野の森を復活させよう。」というご提言をいただきました。

 

○座談会「紀州的エコロジーのススメ」

 荒俣宏氏・中村桂子氏・井川憲明氏・黒田大三郎氏・仁坂吉伸

ざだんかい

  仁坂知事は、熊野の自然について「やさしい混沌」と表現。森に覆われているが、人を拒絶するほどの険しさはないこと、熊野詣は「老若男女、貴賤を問わず、浄・不浄を問わず、信・不信を問わず」というよそ者を受け入れる風土があることを紹介しました。

 黒田参与は、吉野熊野国立公園レンジャーとして新宮にいた頃、那智山の動植物や最北限のサンゴなどを調査して回ったことなどの思い出を話され、また、熊楠のように自然環境のモニタリングが大事で、そのためには、学校の先生や学芸員など地域の自然を調査する人達を盛り立てる必要があるとご提案されました。

 三重県熊野市生まれの井川先生は、陸の孤島であった子供の頃の熊野地域や、両親から聞かされた熊楠の話、牟婁地域の方言の話など、熊野に関するお話をしてくださいました。

 中村館長は、南方熊楠と宮沢賢治、南方熊楠を生んだ「和歌山」と宮沢賢治を生んだ「岩手」との共通点について興味深いお話をしてくださいました。また、日本の文化や精神性の原点が和歌山にあり、それらを継承してきた和歌山だからこそ、これからの21世紀を作るリーダーになってほしいという力強いお言葉をいただきました。

 座談会はどんどん盛り上がり、荒俣さんが南方熊楠顕彰館の館長さんの豪快な逸話をお話しくださったり、仁坂知事は熊楠を支えた田辺の人々のあたたかさについて話をしたりと、みなさんどんどん盛り上がってきて、最後は「優しい混沌」の中での終了となりました。

 

○閉会挨拶

 落合弘樹 明治大学リバティアカデミー副アカデミー長

おちあい

  明治大学が取り組む生涯学習や社会連携の一環としてのシンポジウムを多くの関係者の協力で盛大に開催できたことについてお礼の言葉を述べていただきました

 

【展示の概要】

  • 並行開催 「エコロジーの先駆者 南方熊楠」

   9月22日(木)~10月2日(日)  明治大学アカデミーコモン1階エントランス

   エコロジーの先駆者としての南方熊楠の生涯や人物像をパネルで紹介しました。

    へいこうかいさい

 

  • 同時開催 「熊楠と熊野」

   10月2日(日)10時~18時 明治大学アカデミーコモン2階会議室

   南方熊楠のエコロジーに関する遺品や標本等を展示し、南方熊楠のふるさと和歌山もPRしました。

    てんじ2 てんじ

   映画「熊楠KUMAGUSU」の特別上映も行いました。

    えいが

 

 

 

 

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