第39回和歌山県食の安全県民会議

開催日時・場所

平成29年7月14日金曜日午後2時から午後4時15分

和歌山県書道資料会館

議事

  1. 平成28年度食品衛生監視指導計画の実施結果について
  2. 平成28年度アクションプランの実施結果について
  3. 新アクションプランについて
  4. 食品表示法の概要について
  5. HACCPの義務化について

第39回県民会議の様子1第39回県民会議の様子2

第39回県民会議の様子3第39回県民会議の様子4

委員意見(概要)

平成28年度食品衛生監視指導計画の実施結果について

  • 委員

「きざみのりのノロウィルスによる食中毒事故がありましたけれど、それに対して何かございますでしょうか。」

「あの事件で浮き彫りになった課題が2つあります。
1つ目は調理従事者の方が同じ給食を食べていたため、汚染源や汚染経路について、不顕性感染した調理従事者による汚染との因果関係が否定出来なかったこと、2つ目はきざみのりが使い切られており、検査用に保存しておかなければならなかったきざみのりが残っていなかったことです。
そのため、卸売業者や製造者に遡って聞き取り調査をしましたが、あの時点では健康被害等の情報はありませんでした。
これらの問題は、厚生労働省の大量調理施設の衛生管理マニュアル及び文部科学省の学校給食の管理マニュアルのどちらを運用するかにより違いがあり、今回施設は文部科学省のマニュアルを運用していました。
この件については整合性をとるよう、厚生労働省と文部科学省に申し入れています。」

  • 委員

「これに関連して、当面は文部科学省と厚生労働省のマニュアルについて、どちらを学校給食では採用していくのか。」

「厚生労働省が大量調理施設マニュアルを先日改正し、それが文部科学省にも情報提供されたと聞いております。
また、文部科学省から全国の教育委員会あてに、厚生労働省の大量調理施設マニュアルと整合した学校給食マニュアル運用についての通知があると聞いております。」

  • 委員

「違反件数について、残留農薬とアイスクリームの大腸菌は結構毎年同じ結果になっているような気がするのですが、同じ業者でしょうか。
また、どんな指導をされていますか。」

「同じ業者ではありません。
今後、特にアイスクリーム製造業について指導・監視を強化する予定です。」

平成28年度アクションプランの実施結果について

  • 委員

「未達成の取り組み6%(5件)について、HACCPの講習や食品表示が入っていますね。」

新アクションプランについて

  • 委員

「今年の3月8日付けで各委員あてに新アクションプランの最終案を送っていただいた際、意見書の書面が付随されておりましたが、何かご意見があったり、最終案から変更があったりはしますか。」

「特にご意見等はございませんでした。」

  • 委員

「前回、前々回の会議の場で議論して出た意見により修正されたものが、こちらの冊子になっているという理解でよろしいですか。」

「はい、そうです。」

  • 委員

「前回の議論の際、字の細かいプランの一覧表で見た時にはあまり気になりませんでしたが、こうして冊子で各プランを別々に見ますと、プランの目標について取り組み目標を設定したものは「適切な情報の実施」や「何々の軽減」、「情報提供」等、指標・数値目標に対して非常に目標設定が曖昧だというのが冊子では鮮明に見えますね。
あと、平成28年度に未達成であった計画について、新プランで引き継いだものはございますか。」

「詳細を調べて後日、皆様にご報告をさせていただきます。」

食品表示法の概要について

  • 委員

「加工食品の原料原産地表示については施行後、その猶予期間が2022年までになると聞いています。
流通食品、流通製造については、概ねの企業さんが食品表示法に関する変更と原料原産地表示に関する変更を一緒にやることを考えていると聞いており、弊社もそのつもりです。
原料原産地表示については近日中に国の正式な決定があると思うが、当然表示を変えるに当たっては色々なハード的な部分の変更も必要な中で、何時どういう形で最終決着するかが、まだちょっと見えてないのが正直なところです。」
「あと、食品表示法の猶予期間は5年となっていますが、生鮮食品の表示については猶予期間が1年6ヶ月であるということが、ほぼ100%に近い企業さんでおそらく頭から抜けている状況ではないかと考えています。
生鮮食品の表示については、私どものところでは特に変更する内容はなかったという見解なんですが、もし変更しなければならない事や新しい情報があれば、改めてジャッジなりアナウンスなりいただければありがたい。」

「生鮮食品に関しては、特段変更するところは無いかと思います。
ただ問題等になるのが、生鮮食品で例えば「ビタミンCがたっぷり」等、栄養成分をパッケージに表示していた場合、食品表示法では栄養成分表示が必要となってくるという、その辺の変更点かと思います。」

  • 委員

「表示を作る側からの話なんですけども、現場で表示を作る人間が複数名いて県や業界団体が主催する講習会へ出席しますが、どの時点での講習を受けたかによって聞いてる内容が異なるため、表示を作る人間の解釈がばらついてきています。
最新の情報に合わせないといけないので、今後は誰がどの講習を受けてどの知識を得ているのかというところも、管理しなければならない状況になってきています。
県も講習会を増やされると思いますが、何かこう(講習会の)名称みたいなものにより、どの時点での法律を説明しているのか等、内容が分かるような工夫をしていただけたらと思います。」

  • 委員

「昨年、消費者庁の説明会で業者さんが質問された時も、「個々に対応します」という回答であり、その時点ではまだ決定したものがなかったんだろうな、各業者さんも大変だなと思った記憶があります。
また、原産地表示については複雑で消費者に分かりにくく、この表示をする意義があるのかと強く感じました。
ただ原産国が分かるだけ、外国産か国産の区別はつくけど、それ以上のことはわからない、そういうふうに感じたので、私たち消費者へも制度の普及や教育が相当に必要ではないかと思います。」

  • 委員

「和歌山県漬物協会に関しては漬物の場合、原産地表示は既に実施しています。
ただ、アレルギー表示や栄養成分表示、販売者・製造者の併記表示は猶予期間があと3年間あるため、(原産地表示で)表示を1度変える、猶予期間後にまた表示を変える、ということになります。
そうなると(表示の)在庫を全部処分しないといけない状況になる場合が多いので、製造業者としては、できれば統一して施行してもらうとありがたいと思います。」

  • 委員

「資料には平成28年度の食品表示に関する監視指導・相談件数・広報啓発についての実績が載っていますが、平成29年度の事業予定はこの実績以上の数値を予定しているのか、それとも平成28年度と同程度で予定しているのか、その辺りはどうですか。」

「基本的には同程度を考えております。」

  • 委員

「普及啓発を推進するのであれば、その質と量を少し同時進行で考慮していただきたい。」

  • 委員

「簡単なコメントを2つほど。
機能性食品表示は農産物も対象になり、有名な三ヶ日のみかんも届け出をしたはず。
和歌山県から例えば農産物をこの表示に届け出しようとする場合、その相談は農林水産部になるんですか。」

「機能性表示食品につきまして、成分は当課で担当していますが、機能性表示食品の推進については、農林水産部が窓口となっています。」

  • 委員

「もう一つは、関連するトレーサビリティのシステムです。
新アクションプランには、食品表示の適正化に加えてトレーサビリティシステムの導入と普及とございますので、是非こちらはリンクした施策をとられた方が良いと思います。」

HACCPの義務化について

  • 委員

「先ほどの新アクションプランの取り組みにもあるように、和歌山県では和歌山県版のHACCPを進めています。
しかし私どもの親団体である全日本漬物共同組合連合会が国からHACCPの話を聞くと、例えば和歌山県版HACCPの認証を当社が受けた時点で、国が漬物のHACCPを別に設定した場合、国と県版のHACCPの違いはどうなるかと聞くと、県版HACCPを否定しないが、国のHACCPと統一になることは無いと聞きました。
しかし先日、国から全日本漬物共同組合連合会に対し、HACCPについての意見を聞きたい、私ども業界にどうやって作ったらいいのかちょっと考えてくれ、というような感じの返事があったことから、国は漬物のHACCPをどうすれば良いかという事が、はっきり言って全く見えていないようです。
このため、国はこれから短い期間で一気にHACCPの制定が出来るのかなという点や、また、上場企業と約9割を占める個人商店が混在する漬物業者が同じHACCP制度の土台に乗れるのか、と言う点が非常に不安になっているところです。」

  • 委員

「厚生労働省はHACCP導入に係る手引きを業種毎に作成しており、最近になって飲食店編の手引きができましたが、多くの業種に対しては、未だ手付かずの部分が多いようです。
厚生労働省は今の話のように、全日本漬物共同組合連合会が作成した素案を手直しして手引き書を作るというふうな段取りだと思います。
また、国はHACCPに基準A、基準Bというのを設けていますが、基準Bは危害を一般衛生管理のみで対応可能なものとしており、これではHACCPとはいえない。

HACCPについては、県が喫緊に取り組むべき課題ですので、今後は県側に施策の方向性を示していただき、それに対するご意見を会議でいただくという方向がよろしいかと思いますので、次の機会にまた議題としていただけたらと思います。」

閉会

「HACCPにつきましては、丁寧に国からの情報を県の方で整理した上で、次回はこういう施策を考えてますが、こういう問題点があるのでどうすれば良いか、というようなことをまた委員の皆様にご検討いただけたらと思います。
県としては、本日いただきましたご意見を踏まえまして、今一度、県民・消費者の視点に立って、食の安全の確保の取り組みを続けて参ります。
委員の皆さまにおかれましては、引き続き本県の食品安全行政にご理解・ご協力を賜りますようにお願い申し上げます。」

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