モデル事例集「向井景子」

「私ができたから誰もができる」

FMはしもと株式会社

代表取締役社長 向井 景子さん (橋本市)

主婦からの転身

向井さんは平成25年4月1日、橋本市にFMはしもとを開局しました。このFMは橋本市・かつらぎ町・九度山町が放送区域のコミュニティ放送局です。
FM局開局は向井さん自身の夢ではなく、夫の父の20年来の夢だったといいます。2年前、橋本高校開校百周年記念行事の式典の折、義父が参列者に橋本にコミュニティ放送局をつくりたいと話したところ、ぜひやってくださいと出資者が現れ、地元でもその意志に賛同してくれる方がいたため開局を決意。その運営に当時、専業主婦だった景子さんに白羽の矢が立ちました。御坊市出身の景子さんは、地元となった橋本のことがよくわからないこともあり、また、ママ友仲間も県外から橋本に移り住んだ人が多く橋本のことがよくわからない、情報も少なく困っていたことから、地元のことをもっと知りたい、そのための手伝いをしたいという思いに突き動かされ、やってみようと決断しました。
現在、小学校5年生と4歳の男の子の母親でもある向井さん、大学を卒業して事務職に就くも23歳で結婚、24歳で出産。そして11年間、専業主婦だったことから不安もあり悩みましたが、下の子どもが保育園に入ったら仕事をと思っていた時期とも重なり、思い切って飛び込んだと話されました。

地域の交流ステーションとして

平成24年10月に株式会社設立。平成25年4月1日に開局が決まり開局に向けてのスケジュールを組み動き出しました。放送局を開局するには、株式会社設立の手続きに加え、総務省への無線局免許申請、役所の手続き等、作成する書類も多く時間がかかりました、なんとか4月1日開局にこじつけたといいます。
免許申請の際には、詳しい方に協力をお願いし申請書類を整えることができたなど、いろんな人との縁がつながって開局に結び付いたと語られました。
会社運営のスタッフは2~3人が事務所に常駐し、また、パーソナリティは地元の方が約60人と、地元高校(伊都高校、紀北工業高校、橋本高校、初芝橋本高校)の放送部員を対象に募集して約40人が参加、高校生には朝7時からの番組を担当してもらっています。平日の週4回を各高校で分担し、放送部員たちは朝6時半に集まり、「こちら放送部です」の生放送を終え学校に通っているそうです。
パーソナリティはボランティアに近く、十分な報酬にはならないけれど、自分がやりたいからと、快くかかわってくれているといいます。ゲストも自分たちで交渉、手づくりで番組をつくっています。番組の内容、構成も地元に密着した情報が中心となり、子育て情報の紹介も好評を得ています。地域の情報でみんながこれを伝えたいということを、FMはしもとを媒体として伝えていく、そんなコミュニティ放送局をめざしています。
「放送には表現の制限はあるけれど、内容の制限はしたくない」と向井さん。地元の人が困っていると、住民からこんな案があるよと提案いただける、そんな媒体でありたい。みんなに喜んでもらえるような放送局として、防災や地域活性化のお手伝いができ、地域への還元していくことができるように、地域の交流ステーションとしてオリジナリティのある『FMはしもと』をめざし、続いていくことが目標と話されました。
行政との協働、コラボもこれからの課題だといいます。また、災害などの緊急時に役立てるように24時間放送の申請をしています。地震などの災害時のときは、速報は大手の放送局にはかなわないが、コミュニティ放送局はそこでは得られない地域の生きた情報を細かく伝えることができます。そんなコミュニティ放送局の意義を伝えながら、どんどん地元に浸透していきたいと熱く語られました。

働く女性のロールモデルに

「今は道をつくる作業の途中、開局準備からかかわり代表取締役社長としての業務をこなす毎日ですが、『私ができたから、みんなにもできる』そんな思いがあります。いただいたご縁とみなさんの協力で今がある。放送局は一人では動かせない。一人の意見では偏りが生じます。いろんな人の意見を聞くことが大事。赤ちゃんから高齢の方まで、いろんな目線のいろんな意見や考えが聞ける放送局として、地域に密着した情報の橋渡しをしたい」とひまわりのような笑顔で話す向井さん。
「いろんな意見が聞ける、それは子育てにも通じる。いろんな方法があって、いろんな場所があり、みんな悩みを持っている。働く女性として地域のロールモデルになれればうれしい。地位は人をつくります。私は代表取締役社長になった。そこに入ってしまえばやらざるを得ないことはいっぱいあります。そうして動いていたらあとから力がついてきた。何かにチャレンジするときは、まず動くこと。問題が起こってから考える。そして、できることをやる。できないことは誰かにお願いすることも大事。そして仲間をつくること。困ったときに助けてくれる仲間がいることが大事」と力強く語られました。
目標を持つこととタイミング、そして流れをつくり流れにのってきた。つながりと縁を大切に、必要なものを必要なときに引き寄せてきた向井さん。笑顔を絶やさず築いてきた道が、これからの橋本をより魅力のある町に変えていく、そんなパワーに元気をいただいた取材となりました。

(センターニュース第58号より、一部修正して掲載)

情報

  • FMはしもと株式会社

TEL:0736-39-0816

FAX:0736-33-7133
公式サイト:http://816.fm/
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